はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米大統領選の思惑か計画通りか──SECのイーサリアム現物ETF審査を分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム現物ETF審査

米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアムの現物ETFを巡り、審査の方針を180度転換させた可能性があるとの見方が上がっている。

情報筋からの話がベースになっていることもあり正確なことは不明確だが、今年の大統領選に向けて、イーサリアムの現物ETFの審査に政治的な思惑が絡んでいる可能性があるという。一方で、今回の動きはSECの予定通りだという指摘も上がった。

SECとは

「Securities and Exchange Commission」の略。株や債券など証券の取引を監督する米政府機関のこと。SECのミッションは「投資家を保護すること」「公正で秩序のある効率的な市場を維持すること」「資本形成を促進すること」である。

▶️仮想通貨用語集

今回の動きは、まずSECの取引市場局が20日に、ETFを上場する取引所に対し、19b-4という申請書類を承認する意向であることを伝えた。同様の内容は「The Block」らの海外メディアが報じている。

関連米SEC、イーサリアム現物ETF申請を承認する方向か=報道

一方で、The Blockの情報筋によれば、2週間前にSECは、イーサリアムの現物ETFの申請に関心を示していなかったという。この点から今週のSECの動向は180度の転換であり、1人の情報筋が「これは全く前例のない状況だ。完全に政治的な動きであることを示唆している」と述べた。

もう1つSECの動向で疑問視されているのは、ETF発行企業がSECの企業金融局に連絡した際、取引市場局と意思の疎通がまだ取れていなかったこと。ETFの提供には、取引市場局が19b-4を、企業金融局がS-1の申請書類を承認する必要がある。

急な方向転換やSEC内部で意思疎通ができていなかったことから複数の情報筋は、SECの動きの背景には、民主党の代表として今年の大統領選に出馬するジョー・バイデン氏側の思惑があるのではないかと推測した。

具体的には、民主党は若者の票を必死に求めているという。イーサリアムの現物ETFを承認して、若者や仮想通貨コミュニティらの票を獲得し、大統領選の勝利につなげたいというバイデン氏側の意向がSECの動向の裏にあるとの見方を情報筋は示している。

一方で、仮想通貨業界を味方につける発言を、共和党代表のドナルド・トランプ氏がすでに行っていることはこれまで報じている通りだ。

関連トランプ前大統領が異例発言、仮想通貨業界を味方に

仮想通貨業界団体「Crypto Council for Innovation(CCI)」の法務・政策の責任者Ji Kim氏はThe Blockに対し、「仮想通貨単体だけでなく、規制の整備も有権者が望んでいることは議員の耳に入っている」と説明。CCIの世論調査から、仮想通貨関連の票は今度の大統領選で鍵になりうると述べている。

関連現物ETFの承認期待でイーサリアムが急騰、ビットコインは7万ドルの大台を回復

予定通りの行動か

一方で、イーサリアム現物ETFに対し、SECが本当に考えを急転換したのかについては疑問の声も上がっている。

投資顧問企業「The ETF Store」のトップNathan Geraci氏はThe Blockに対し、SECはイーサリアムの現物ETFを静かに承認しようと決めていたのではないかとの見方を示した。

Geraci氏は「もしSECがイーサリアムを有価証券であると判断したり、現物価格と先物価格の相関性を懸念したりするなどしてイーサリアムを区別したいのであれば、昨年に先物ETFを承認する前に境界線を引くことができたはずだ。でもSECはそれをしなかった」と指摘。イーサリアムがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行したのは22年である。

関連米SECがイーサリアム先物ETF初承認、米政府閉鎖前に連続で認可するとの見方も

また「SECがイーサリアム先物ETFを承認したことで、現物ETFが承認されることもほとんど決まっていたのではないか」と主張。現物ETF申請に関する難しいやりとりはビットコイン現物ETFの時に済ませてあるため、これまで大きな動きが確認されなかっただけであるというのが同氏の見立てだ。

関連米裁判所、SECの主張に疑問を呈示 グレースケールGBTCめぐる訴訟で

つまり、承認判断期限が迫った今週になって調整に動いたため、政治的な力が働いたようにも見えるが、もともと計画通りだったのではないかとGeraci氏は分析。そして、政治的な思惑はあったとしても影響は非常に小さいだろうと述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/15 土曜日
13:55
続落するイーサリアム、長期保有者が1日4.5万ETH超を売却=グラスノード
グラスノードによると、イーサリアムの3年から10年保有者が1日あたり平均4万5000ETH超を売却している。イーサリアム現物ETFも13日に2億6000万ドルの純流出を記録し売圧を高めている。
13:20
リミックスポイント決算発表、仮想通貨評価益で売上高が大幅増加
リミックスポイントが2025年4~9月期決算を発表した。仮想通貨評価益で売上高が大幅増加している。同社はビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨を財務資産として蓄積している。
13:00
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者、ステーブルコインの展望を語る|CoinPostインタビュー
Visaアジア太平洋地域デジタル通貨責任者ニシント・サンガヴィ氏がCoinPostの独占インタビューに応じ、ステーブルコイン決済戦略の拡大、CBDCとの共存、米国ジーニアス法の影響について詳しく語った。4つのステーブルコインと4つのブロックチェーンをサポートし、2億2,500万ドル超の決済を実現。今後5年間のアジア太平洋地域におけるデジタル通貨の展望と、Visaが果たす役割について解説。
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
06:50
ビットマイン、45億円相当のイーサリアムを追加購入 新CEOにHSBC元幹部を任命
ビットマインが3000万ドル相当の仮想通貨イーサリアムを追加購入した。同社は新CEOにHSBCアジアTMT投資銀行部門の元責任者を任命した。
06:25
ビットコイン長期保有者が1カ月で12兆円相当BTCを売却、初期投資家も2400BTCを取引所へ送金
ビットコインの長期保有者が過去1カ月で約81万5,000BTCを売却し、2024年1月以来の高水準となった。初期保有者のオーウェン・ガンデン氏も2400BTC以上を売却している。
05:50
ストラテジーのセイラー会長、6900億円相当のビットコイン売却の噂を否定
ストラテジーのマイケル・セイラー会長が47000BTCの売却憶測を否定した。オンチェーン上の動きは保管業者の入れ替えによるもので、実際に購入ペースを加速させていると説明。
11/14 金曜日
21:20
CourtYard(コートヤード)でトレカをNFT化|使い方を初心者向けに徹底解説
トレーディングカードをNFT化して取引できるCourtYard(コートヤード)の使い方を解説。アカウント開設からPolygon上での取引方法、ガス代準備、リスクまで初心者向けに図解で詳しく紹介します。
21:00
ビットコインウォレットのおすすめは?種類・選び方・アドレス作成手順まで解説
ビットコインウォレットの種類や違い、安全な選び方を徹底解説。ハードウェア・ソフトウェアの比較からアドレス作成、セキュリティ対策まで初心者にもわかりやすく紹介します。
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧