イーサリアム、ビットコイン建の価値が21年4月以降最低水準に CryptoQuantが要因を分析
イーサリアムを分析
暗号資産(仮想通貨)の分析を行うCryptoQuantは4日、イーサリアムのパフォーマンスを分析した週次レポートを公開した。
ビットコインとのパフォーマンスを比較し、例えばビットコイン建のイーサリアムの価値(ETH/BTC)が下がっていることを指摘。この要因の1つに、ブロックチェーン上の活動がビットコインよりも減っていることがあると分析している。
CryptoQuantは今回、イーサリアムが来週15日に大型アップグレード「The Merge(マージ)」から2年を迎えると前置きした上で、マージ以降のパフォーマンスがビットコインよりも44%低いと指摘している。
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また、ETH/BTCの価格が0.0425BTCになっているとし、これは2021年4月以降で最低水準にあるとした。他にも、米国でイーサリアムの現物ETFの取引が7月23日に開始されて以降、ビットコインよりもパフォーマンスが18%低いとも述べている。
一方で、ビットコイン建の価格は、現在でも過小評価(割安)水準の上にあるとし、まだ下がる可能性があると指摘。過小評価の水準に到達するには、ETH/BTCの価格が0.02BTCぐらいまで下落する必要があると試算していると述べた。
なお、CryptoQuantでリサーチ部門のトップを務めるJulio Moreno氏は「The Block」に対し、イーサリアムはソラナやBNBのようなアルトコインに対しても、マージ以降価値が下がっていると説明。ソラナとBNBに対するパフォーマンスはそれぞれ53%、18%低いとしている。
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価値低下の要因
CryptoQuantは、上述したイーサリアムの価値低下は、ビットコインに比べてネットワークの活動が減っていることと関係していると指摘した。
そのことを示す1つの事例として、取引手数料がビットコインと比較して下がり続けていると説明。そして、取引手数料の低下には、「Dencun(デンクン)」のアップグレードが大きく影響しているとした。CryptoQuantは、デンクンによって取引手数料の中央値が大きく下がっていると指摘している。
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他にも、CryptoQuantはイーサリアムについて、以下の内容もレポートで取り上げた。
- ブロックチェーン上のトランザクションがビットコインより少ない
- トレーダーや投資家は相対的にビットコインへのエクスポージャーを好んでいる
- デンクン直後の今年4月以降、手数料のバーン(焼却)が減りインフレに転じた(供給量が23年5月以降最高水準)
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