2018年の仮想通貨市場に影響を与えた「重要ファンダランキング」トップ10
- 「重要ファンダランキング」トップ10
- 仮想通貨メディアCoinPost編集部が選ぶ、2018年のビットコイン価格など、仮想通貨市場に大きな影響を与えた「重要ファンダランキング」TOP10を公開。重要ファンダが市場価格にどのように影響したかを振り返り、2019年以降の投資時の参考にお役立て下さい。
「重要ファンダランキング」トップ10
仮想通貨メディアCoinPost編集部が選ぶ、2018年の重要ファンダ10選は以下の通り。
順位 | 日付 | 内容 |
---|---|---|
1位 | 1/26 | コインチェックがハッキングされ、580億円相当の仮想通貨ネム(XEM)が不正流出。社会問題に。 |
2位 | 11/15 | BCHのコア開発メンバーが対立し、ハードフォーク(ハッシュ戦争)が発生。仮想通貨市場の混乱と動揺を招き、BTC価格底値割れの要因となった。 |
3位 | 7月〜 | 「ビットコインETF」関連ニュースで相場が乱高下。Cboeが申請したVanEck版ビットコインETFの認可可否判断は、最終期限の2019年2月まで延期された。 |
4位 | 9/17 | 金融庁から業務改善命令を受けていた国内大手取引所「Zaif」でも、不正流出事件が発生。 |
5位 | 1/31 | テザー問題。CFTC(米商品先物取引委員会)が、テザーとビットフィネックスに対し、召喚状を送付していることが発覚。 |
6位 | 1月〜 | 中国が仮想通貨規制を大幅に強化。弾圧を強める姿勢を鮮明にしたことで、仮想通貨が暴落。 |
7位 | 6/22 | 金融庁がbitFlyer含む、認可済みの国内大手取引所6社への「業務改善命令」を公表 |
8位 | 8/3 | 米ニューヨーク証券取引所を子会社に持つICEが、仮想通貨取引所「Bakkt」の開設を発表 |
9位 | 10/1 | 仮想通貨リップル(XRP)の国際カンファレンス「SWELL」が、米国の元大統領クリントン氏登壇などで注目を集め、XRP価格が期待感から前週比100%高と急騰するなど、相場にも大きな影響を与えた。 |
10位 | 3/20 | 世界各国の首脳や財政のトップが一堂に介した「G20」で、仮想通貨に関する議題を協議。 |
1位:コインチェック事件
2018年の仮想通貨市場を最も揺るがした出来事といえば、やはりこの話題。
当時、隆盛を極めていた国内最大手の仮想通貨取引所「コインチェック」が何者かにハッキングを受け、580億円相当ネム(XEM)が不正流出した事件だ。
コインチェック社のセキュリティの甘さと、ずさんな経営・管理体制が露呈したこともあり、社会問題となった。
事件発覚直後は、ハッキング被害かどうかは公表されておらず、まず仮想通貨XEMの入・出金および売買が停止になり、そのあと立て続けに取扱のある全通貨(JPY含)の出金を停止した。
情報が錯綜する中、当時(2018/01/26)のXEM価格は、113円台から89円台まで急落している。
その後、4月に東証1部上場企業で豊富な金融ノウハウを持つ「マネックスグループ」が、コインチェックとの合同記者会見を開き、コインチェックをグループ入りさせると発表。経営再建に名乗りを上げた。
しかし、今年6月に最大手の「bitFlyer」を含む認可済み取引所6社にも業務改善命令が下されたことに加え、今年9月には国内大手取引所「Zaif」でも巨額の不正流出事件が発生。8ヶ月以上経過した現時点でも、金融庁による「仮想通貨交換業者」の認可登録は下りていない。
2位:BCHの敵対的ハードフォーク(ハッシュ戦争)
11月15日、メジャーアルトコインの中でも時価総額上位に位置する「仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)」の敵対的ハードフォークに伴う、開発チームの内部分裂により”ハッシュ戦争”が勃発。
仮想通貨市場は大きく混乱し、BTC価格にも波及。これまで最終防衛ラインとされていた「6,000ドル」を明確に割り込んだことで、その後の大暴落をもたらした。
3位:「ビットコインETF」
今年7月、仮想通貨情報メディアTheICOJournalが、SEC、CFTCの情報筋の見解として、Cboeが提出した「ビットコインETF」が年内実現の見通しであると報道。
潤沢な資本を有する機関投資家の参入障壁を大幅に下げるとして、ETF認可への期待感が台頭。元関係者が「今年の9月を目途に”良い結果”が出ると予想」するなど、同時期に良ファンダが相次いだことで、BTC価格が60万円台から一時100万円付近まで急反騰した。
しかし、ウィンクルボス兄弟が申請中だったビットコインETFなどが否決されたことに伴い、BTC価格は再び暴落。本命とされるCboeが申請したVanEck版ビットコインETFは、2019年2月が最終可否判断の期日とされており、引き続き市場の乱高下要因となっている。
4位:Zaifハッキング事件
金融庁主導のルール整備により、コインチェック事件の余波も治まりかけていた、9月14日。
すでに認可を受けている仮想通貨交換業者「Zaif」がハッキング被害に遭い、預託されていた顧客の仮想通貨ビットコイン、ビットコインキャッシュ、MONAコインの一部(約70億円相当)が不正流出。復興の最中にあった日本市場に、大きな影を落とす形となった。
その後、株式会社フィスコへの事業譲渡が正式決定し、Zaif運営会社のテックビューロ社は仮想通貨交換業の登録廃止となっている。
5位:テザー問題
米商品先物取引委員会(CFTC)は、今世界中が懸念しているテザーの不正疑惑の問題で、仮想取引所「ビットフィネックス」及びテザー発行企業に対する不正調査を進めた。テザーに関しては、準備金に関する問題と、価格操作に関する問題を挙げており、2018年12月現在でも、懸念が完全に払拭できたとは言えず、問題は燻り続けている。
6位:中国の仮想通貨規制
中国当局は、中国国内からの取引を行える国内外の取引所へのアクセスの遮断措置などを決行。その後も度重なる規制強化で弾圧を強めるなどして、年初からのBTC価格暴落の一因になった。
7位:金融庁、認可済みの国内大手取引所6社も行政処分
コインチェックのハッキング事件を受けて、みなし業者への監督体制を強化していた金融庁は6月22日、認可済みの仮想通貨交換業者にも立入検査を実施。問題が多数見つかったとして、6社(bitFlyer、Zaif、QUIOINE、bitbank、BTCボックス、bitpoint)に「業務改善命令」を出した。
内部監査を含めた内部管理態勢のほか、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策、反社会的勢力等との取引などが指定され、金融庁が仮想通貨交換業者の認可登録に関する”審査厳格化”を強める要因となった。
8位:ICEが「Bakkt」開設を発表
8月3日、米ニューヨーク証券取引所を子会社に持つ「Intercontinental Exchange(ICE)」が、仮想通貨関連会社「Bakkt」を新たに立ち上げると発表。マイクロソフトや、スターバックス、ボストンコンサルティンググループなどの世界有数の企業と提携するとして、大きな注目を浴びた。
2019年初頭に開設予定とされており、ビットコイン価格にも好影響を与えるのではと期待されている。
9位:SWELLでXRPが暴騰
年に1度開催される仮想通貨リップル(XRP)の国際カンファレンス「SWELL」では、米国の元米大統領のビル・クリントン氏を筆頭に、サウジアラビアやブラジルの中央銀行責任者らが登壇することで、金融市場からも高い関心と注目を集めた。
XRP価格が期待感から前日比100%高と急騰するなど、相場にも大きな影響を与えた。
10位:各国首脳が仮想通貨をテーマに協議
議論のテーマに「仮想通貨」が含まれていたことで、注目を浴びた今年3月に開催された「G20」。
金融安定理事会(Financial Stability Board)は、ビットコインなど仮想通貨を規制することを要請する各国の呼びかけを拒否、財務大臣に送った文書の文面にて、『現時点では、仮想通貨は世界的な金融の安全性を脅かす存在ではない』と言及したことで、BTCが大きく反発した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します