今週も、仮想通貨取引所の中でも大手取引所のHuobi社の研究所でリリースされているレポートをCoinPostで日本語に訳し、皆様にお届けいたします。
今回のレポート内容は「マーケット調査」と「SNSから見る仮想通貨コミュニティ」の2点です。
Huobi研究所の専門的なアナリストが市場を通して見えたもの、そしてSNSを調査して仮想通貨コミュニティはどのように変化しているかについて、調査結果レポートを掲載させていただきました。
市場調査ウィークリーレポート
1.マーケット概要
今週、仮想通貨・ブロックチェーン市場は全体的に下落気味でした。39もの仮想通貨プロジェクトの時価総額が20%以上下落した一方で、20%以上上昇したプロジェクト数はわずか6つに止まりました。
Coinmarketcapによると、2018年5月13日の時点で、時価総額ランキング上位100の合計時価総額は約42兆7658万円となり、先週と比較すると15.6%の下落となりました。一番下落率が高かったのがビットコインゴールドで、28.87%の下落となり、時価総額ランキングも順位を二つ落とし、25位に下がりました。他にもSTORMの時価総額は先週比で、278.74%の下落となった為、時価総額ランキングの順位を6つ落とし、92位となりました。
時価総額100位以内で上昇した主な通貨
①HT( 35.16%の上昇、現在46位) ②SKY(34.24%の上昇、現在34位 ③NULS(12.30%の上昇)
今週、最も上昇したのはHTで、時価総額ランキングも91位から46位へ上昇し、35.16%も上昇させました。一方で31.24%の下落となり、最も減少したのはHOTとなりました。5月13日時点の価格でビットコインは$8495.13(約93万4400円)であり、先週比12.8%の下落となった他、イーサリアムも$685.78(約7万5000円)と、先週比14.86%の下落となりました。
図1.市場価格の増加&減少ートップ5
また、24時間取引高においても先週と比較し17.60%の減少となっております。2141.89%の上昇となったNEXOの取引高や、1587.78%の上昇となったREPの取引高を含めて、8つの通貨で100%以上の取引高上昇があった一方で、取引高の減少を記録した通貨の数は70にも登りました。70通貨のうち、21通貨が50%以上の取引高下落となり、最も取引高の減少を記録したのはMKRの88.06%となりました。
図2.トップ100の仮想通貨の市場資本(億ドル単位)と24時間取引量(億ドル単位)
時価総額トップ10通貨の市場占有率、いわゆるドミナンスは全体の時価総額の79.34%を占めており、先週に引き続き安定した占有率となりましたが、トップ10通貨の時価総額自体は先週比15.38%の下落となる約33兆9658億円となりました。この中で最も時価総額の下落率が高かったのは、ADAであり23.73%の下落となりました。ビットコインのドミナンスは、先週と比較してやや増加となったようです。
図3.トップ10の仮想通貨の市場占有率
図4.トップ10の仮想通貨の市場占有率変動
系統別・カテゴライズ分析
時価総額トップ100の仮想通貨プロジェクトをコイン系、プラットフォーム系、アプリケーション系、資産トークン系の4つに分けて(*分け方は注釈を参照して下さい)、時価総額の変動調査を行いました。
その4つの中で比較したところ、時価総額合計の変動率では、今週はアプリケーション系の通貨がマイナス19.3%と最も下落し、平均時価総額の変動率ではプラットフォーム系の通貨がマイナス23.5%と最も下落しました。今週全カテゴリが減少する中で、一番下落率が低かったのが資産トークン系の通貨であり、6.2%の下落に留まっております。
図5.時価総額100位以内の仮想通貨の系統分析(億ドル単位)
左から、①コイン ②プラットフォーム ③アプリケーション ④資産系トークン
図6.トップ100仮想通貨の細分化平均市場価値(億ドル単位)
左から、①コイン ②プラットフォーム ③アプリケーション ④資産系トークン
また、先ほどの仮想通貨の時価総額100以内の通貨を4つに分けたカテゴリの比率は多少の変動はあっても、比較的安定してるといえます。先週比で、プロジェクトのカテゴリごとの数はコイン系で1つ減少、プラットフォーム系で3つ増加、アプリ系で2つの減少となりました。カテゴリ別で比率が一番大きいのはコイン系であり、先週比やや増加の52.61%となっております。
図7.カテゴリの数比率
図8.カテゴリの時価総額比率
*注釈:仮想通貨の性質を4つのカテゴリーに分類しました:コイン系・アプリケーション系・プラットフォーム系・資産トークン系
コイン系:ブロックチェーン技術をベースに開発された一種の資産。特定の用途を持たないが、取引の機能を持つ。コイン系の資産的価値は主に流動性や市場動向で決まってきます。
プラットフォーム系:ブロックチェーン技術の開発に結び付けられた一種の資産。プラットフォームを使用したり、参加する事によって、利用することができます。
アプリケーション系: 特定の使用用途に結び付けられ、使用や参加、更には配当金等を享受できる資産の一種。
資産トークン系:実際存在する資産(黄金や米ドル)に裏付けられており、物理的資産の価値に支えられる一種の資産。
仮想通貨コミュニティの動向
(調査基準日:2018年5月14日)
Facebook上でコミュニティ参加者数が多い通貨トップ3
1位:BTC(42.9万人)、2位:ETH(12.9万人)、3位、XRP(10.4万人)
Twitter上でコミュニティ参加者数が多い通貨トップ3
1位:XRP(88.0万人)、2位:BTC(84.5万人)、3位、ETH(39.6万人)
その他、テレグラム上ではRefereum(RFR)が注目を集めており、10万人規模のコミュニティを形成しております。5月14日前後24時間で計測したところ、最も増加数が多かったのはBlue Whaleであり、4万人もの新規ユーザーがTelegramコミュニティに参加しました。
図9.3:Facebook仮想通貨コミュニティランキング
図10.4:Twitter仮想通貨のコミュニティランキング
図11:Telegram仮想通貨コミュニティランキング/最も参加者が集まるグループ
図12:Telegram仮想通貨コミュニティランキング/24時間の増加数
出典:iconwhitelists
CoinPost考察
今回のレポートでは、時価総額100位以内でどんな通貨が上昇したのか、ドミナンスの変化も合わせて調査報告があった他、系統別・カテゴライズでどんな通貨のカテゴリが最も変動したのかについて見ていきました。
こういった考え方を常日頃から身につけていく事は投資をする上では大事になってくるでしょう。
あらゆる多面的な分析観点を持つ事で、冷静に客観的に分析し、市場のセンチメントに惑わされずに自らの投資戦略を遂行できる事になります。
今後もCoinPostはHuobi研究所の協力を借りながら、同調査レポートをユーザーの皆様にお届けして参ります。
Huobi研究所について
Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的としたより高度な組織へ発展を遂げました。
また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。
また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。 Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。
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※注意事項
今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。