ソラナ(SOL)は、高速かつ低コストなスマートコントラクト基盤として代表的なブロックチェーン。元クアルコムの開発者であるアナトリー・ヤコヴェンコらによって考案され、2020年3月にメインネットが起動。並列処理による高スループットと低コストを特徴とし、最もアクティブな取引市場のひとつを形成している。
初期支援を受けたFTX.comの創設者サム・バンクマン・フリードの破綻による影響を受けたが、2023年には940%の大幅成長を遂げ、時価総額で4位以内に返り咲いた。さらに、米国で現物ETFが申請されるなど、先行するイーサリアムを脅かす最有力プロジェクトとして注目を集める。
価格
- 現在価格(2025年5月2日):150.60(約2.3万円)
- 過去最高値(2025年1月):272ドル(約4.2万円)
価格予測
23年10月:2030年ソラナ価格、335ドル~3,211ドル|米資産運用会社VanEck
24年2月:ARKのキャシー・ウッド「ソラナが暗号資産市場の未来に大きな影響を与える」
25年2月:VanEck予測、ソラナの価格が2025年末に520ドルに達する可能性 M2マネーサプライの視点から
時価総額|関連銘柄
ソラナ(SOL)の時価総額は2025年1月21日時点で約779億ドル。「スマートコントラクト」セクターの中では2位。同セクターでトップのイーサリアム(ETH)は約2200億ドル。3位のBNBの時価総額は約844億ドル。
主な出来事
- 22年11月:FTXおよびアラメダ・リサーチの破綻
- 23年4月:ソラナ・モバイル「サガ」発売
- 24年1月:ソラナ・モバイル「チャプター2」先行販売開始
- 24年5月:ソラナジャパン本格始動(Superteamが日本でも発足)
- 24年3月:CMEでソラナ先物取引開始、13件の現物ETF申請の承認可能性高まる
- 25年4月:ソラナ現物ETF、カナダで今週上場へ ステーキング機能搭載
エコシステム支援組織
ソラナラボ:サンフランシスコに拠点を置く技術企業。ソラナブロックチェーンのコアインフラの開発と改良を担う。ソラナで開発するプロジェクトへの投資や、一部インキュベータープログラムの運営も行う。
ソラナ財団:スイスのツークに拠点を置く非営利財団。ソラナ・エコシステムの分散化、採用促進、バリデータノード運用者の支援、助成金や資金提供プログラムの運営、ハッカソンやイベントの開催などを手掛ける。
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トークンアロケーション

25年5月現在、ソラナの総発行量は5.99億SOL。そのうち、5.17億SOL(約86%)が流通。初期発行のかなりの部分がロック解除された。
ソラナラボ・財団は、トークン発行時点の配分はそれぞれ、12.79%、10.46%だった。これらのSOLは、ステーキング(委任)されているが、ロックはされていない。また、両社は直接バリデーターを運営していない。
22年11月のFTXの破綻時点、アラメダは、2億9,200万ドルの「ロックされていないSOL」、8億6,300万ドルの「ロックされたSOL」、4,100万ドルの「SOL担保」を含む多額のSOLを保有していた。2025年5月、ステーキング口座から18万7600SOL(約48億円相当)をアンステーク、所定のウォレットで保持している。
関連:FTX破産オークションで売却されたソラナ3200億円相当、3月1日よりアンロック予定
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2025年5月時点、ソラナのTVLは約80億ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Jito(26億ドル):リキッドステーキング。SOLを預けてステーキング報酬を受け取りながら、JitoSOLを運用できる。
- Jupiter(23億ドル):DEXアグリゲーター。ユーザーにとってはトークンスワップの最初の選択肢の一つ。
- Kamino(23億ドル):融資プロトコル。SPLトークンを担保として預け入れることで、保証金の一定割合を借り入れできる。または保有資産を貸し出すことで金利を稼げる。
- 資金調達総額:約3.6億ドル
- 大規模な投資ラウンド:(2021年6月、3.1億の私募トークンセール
- リードインベスター:a16z 、Polychain Capital
- フォロー投資家:Multicoin Capital、Alameda Research、CMS Holding、Coinfund、CoinShares、Jump Trading、ParaFi Capital
https://coinpost.jp/?p=539590
出資している主なVC
ソラナの将来性
ロードマップ
Firedancer(ファイアダンサー):Solana Foundationと共同でJump Cryptoによって開発されている新しいバリデータクライアント。トランザクションのスループットを向上させ、待ち時間を短縮する。2025年にアップデートを予定。
期待される今後の動向
1. 2024年6月、投資会社21シェアーズとVanEckはそれぞれ、米国でソラナ現物ETFの上場(S-1登録)を申請した。BTCやETHと異なり、先物市場CMEがまだSOLを取り扱っていないため、規制欠如として承認される可能性は低いとの声もある。しかし、21Sharesの法務責任者は「CMEの先物契約に仮想通貨トークンを含めることは法的な前例になるが、ETFの適格性の唯一の基準とすべきではない」とコメントした。

米国アルトコインETF申請リストと承認確率 出典:ブルームバーグ・インテリジェンス
2025年5月時点、グレイスケール(Grayscale)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、21Shares、ヴァンエック(VanEck)など複数の発行体がソラナの現物ET申請書類を提出。ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストは、これらのファンドが年内に承認される可能性は90%とみている
投資リスク、懸念材料
1. ネットワーク障害:ソラーナは過去に何度かネットワーク停止を経験しており、その信頼性と安定性に懸念が生じてきた。ユーザーの信頼を維持するため、安定した稼働時間を確保することが重要だ。
2. 規制リスク:多くの仮想通貨と同様に、ソラナは規制当局の監視の対象となり、その運営や市場の認識に影響を与える可能性がある。