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SOL、SUIに対する国内需要が顕著
暗号資産(仮想通貨)投資家の中には、国内取引所で扱われていない銘柄を海外取引所で購入したり、新規上場の情報を常に追いかけたりといった動きが散見されます。
そこでCoinPostでは、2024年7月から2025年2月にかけて「国内取引所への上場期待が高い仮想通貨銘柄調査」を実施し、その結果を取りまとめました(回答総数:529件、有効回答数:213件)。
本調査では、もっとも上場を期待されている銘柄や、その理由・投資家層ごとの特徴・時期による関心の変化などが明らかになりました。以下に、主な調査結果をお知らせいたします。
■調査結果サマリー
- レイヤー1プロトコル銘柄(SOL、SUI など)への期待感が顕著
- ミームコイン(DOGE、SHIB、PEPEなど)への一定の支持もみられる
- 「将来性」と「国内取引所での板取引対応」が上場を希望する主な理由
国内取引所への上場期待が高い仮想通貨銘柄TOP7
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※ 有効回答数:213件(複数回答可)
- ソラナ(SOL):48票 – 高い時価総額とさらなる成長期待
- スイ(SUI):37票 – 高処理能力と元Meta開発チームへの期待
- Ondo(ONDO):20票 – RWA(実物資産)分野での先進性
- ドージコイン(DOGE):15票 – グローバルでの高い認知度とコミュニティの活発さ
- Kaspa(KAS):13票 – 高速処理と分散性を両立する独自技術
- シバイヌ(SHIB):10票 – 板取引ができる取引環境への要望
- ペペ(PEPE):10票 – 新興ミームコインとしての成長性
■調査結果の詳細
1. 上場期待の高い仮想通貨銘柄
総回答529件のうち、有効回答213件(「特になし」「わからない」などを除く)を分析したところ、ソラナ(SOL)が45件で最多、スイ(SUI)が35件で続きました。
これらの人気銘柄は、国内での取引機会が限定的です。CoinPost調べ(2025年2月12日時点、JVCEA公開資料より、カストディアンを除く)によると、SOLは9社が現物取引を提供するものの、板取引は5社のみ。SUIはさらに少なく、現物取引4社、板取引4社に留まります。このため、多くの回答者からアクセシビリティ向上を期待する声が寄せられました。
2. レイヤー1プロトコルへの注目
SOLとSUIは、特に技術面での評価が目立ちました。回答者からは「高いスケーラビリティ」「先進的な技術基盤」といった理由が多く挙げられています。特にSUIは、元Metaのエンジニアチームが立ち上げたMysten Labs社が開発を手掛ける新興のレイヤー1ブロックチェーンであり、処理性能の高さに期待が集まっています。
また、13件を集めたKaspa(KAS)も、比較的新しいレイヤー1プロトコルの一つです。Proof of Work(PoW)による高い分散性と、DAG(Directed Acyclic Graph:有向非巡回グラフ)と呼ばれる、取引処理の時間づけを代替する技術が特徴、セキュリティと処理速度の両立を実現するビジョンが支持されているようです。
3.ミームコインへの支持
DOGEやSHIB、PEPEといったミームコインは、「SNSでの盛り上がり」「海外大手取引所での人気」を主な理由として支持を集めています。特にPEPEは2024年10月に国内初上場を果たし、その後取り扱い事業者が増加するなど、ミームコイン市場の成熟を示す動きも見られました。
その他の注目銘柄(2票以上)
- ニア(NEAR):4票 – AI関連銘柄としての成長期待
- トンコイン(TON):4票 – メッセージングプラットフォーム「Telegram」との連携可能性
- XDC(XDC):4票 – RWA関連での期待
- アプトス(APT):3票 – Layer1としての技術的優位性
- ジャスミー(JASMY):3票 – 国内発プロジェクトとしての注目度
- BONK(BONK):3票 – ソラナエコシステムのミームコイン
- ICP(ICP):3票 – 高速処理への期待
4.上場希望理由の分析(N=133)
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※ 具体的な理由が記載された有効回答:45件
上場希望理由について具体的な記述のあった45件の回答を分析したところ、主に3つの傾向が見られました。最も多かったのは「将来性・プロジェクトへの期待」(20件、44.4%)で、次いで「国内取引所での取扱いニーズ」(15件、33.3%)、「技術的特徴と実用性」(10件、22.2%)となりました。
「将来性・プロジェクトへの期待」では、SOLやSUIといったレイヤー1プロジェクト、ONDOのようなRWA関連プロジェクトへの期待が目立ちました。「国内取引所での取扱いニーズ」では、海外取引所利用の手間や、日本円での取引ニーズが挙げられています。「技術的特徴と実用性」では、トランザクション処理能力やブロックチェーンの技術的優位性を評価する意見が見られました。
全体として、プロジェクトの将来性と実用性を重視する傾向が強く、また国内取引所ならではの利便性向上への期待も高いことが分かりました。
■投資家属性による選好の特徴
本調査では、投資家の資産規模や年代によって、上場を期待する仮想通貨銘柄に明確な傾向の違いが見られました。※詳細は添付の投資家属性別分析をご参照ください。
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※ 有効回答数:213件(複数回答可)
RWA関連銘柄の台頭
特筆すべきは、20票を集めた「ONDO」です。Ondo Financeが手掛けるこのプロジェクトは、米国債担保のステーブルコイン「Ondo US Dollar Yield(USDY)」を提供しています。
USDYは米国債と銀行預金を担保とするRWA(実物資産)トークンで、年間5.3%程度の利回りを実現。特に上級投資家層からの関心が高く、実需性のある投資対象として評価されています。
時期による関心の変化
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全調査期間(2024年7月~2025年2月)
本調査期間(2024年7月~2025年2月)を前期と後期で比較すると、市場環境の変化を反映した興味深い傾向が見られました。SOLは後半期間で支持を大きく伸ばし(19件→29件)、SUIも同様の上昇傾向(5件→32件)が見られました。
この背景には、両通貨の市場価格上昇が影響していると考えられます。SOLは2024年10月初旬の150ドルから2025年1月19日に史上最高値294ドル(31,500円)を記録。SUIも同期間に1.77ドルから2025年1月7日に5.35ドル(820円)まで上昇するなど、市場での評価が高まっています。
■ あなたの意見をお聞かせください
国内取引所で取り扱ってほしい仮想通貨銘柄について、ご意見をお寄せください。
■調査概要
- 調査名:国内取引所への上場期待が高い仮想通貨銘柄調査
- 調査期間:2024年7月~2025年2月
- 調査方法:インターネット調査(自由回答形式)
- 調査対象:国内の暗号資産取引所・販売所を利用中または過去に利用経験のある投資家
- 回答者数:529件(うち有効回答数213件)
※「特になし」「なし」「空欄」など銘柄指定がない回答、同一の投稿者と見られる重複回答は無効とした - 回答の扱いについて:複数銘柄を挙げた場合は最大3銘柄まで計上し、それ以降は除外しています。
- 設問数:上場してほしい仮想通貨銘柄名とその理由(自由記述)および属性質問(性別、投資歴、資産規模、年代など)