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「カルティエ」子孫、違法仮想通貨取引所で750億円以上の資金洗浄

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 米裁判所が被告に対し禁錮8年の実刑判決
  • ペーパーカンパニーを悪用し資金を洗浄か

麻薬収益の資金洗浄に関与

米ニューヨーク南部地区連邦検事局は28日、高級宝飾品ブランド「カルティエ」の子孫であるマキシミリアン・ド・フープ・カルティエ氏に無許可の暗号資産(仮想通貨)店頭取引所を運営したとして、懲役8年の判決を下した。

カルティエ被告は、米国を経由して麻薬密売収益などの不正資金をマネーロンダリングする、高度な国際資金洗浄ネットワークに関与していた。ジェイ・クレイトン検事は、次のように説明している。

カルティエ被告は、犯罪収益を洗浄・隠蔽するために、ペーパーカンパニーと仮想通貨口座のネットワークを構築した。このネットワークを利用して、米国から海外の犯罪組織へ数億ドルを送金し、彼らの継続的な不正活動を助けている。

資金洗浄を阻止することは、より広い犯罪の阻止にもつながるものだとも続けた。カルティエ被告の刑務所への収監は、犯罪収益を洗浄する者は重大な結果に直面するというメッセージだとも述べる。

カルティエ被告は懲役刑に加え、資金洗浄の手数料として受け取っていた約236万ドル(約4億円)、およびペーパーカンパニーの銀行口座の一部を没収されることになった。

起訴時、国土安全保障省捜査局の特別捜査官イヴァン・アルヴェロ氏は、カルティエ被告の家柄に触れて「犯罪者が特定の型にはまらないことを改めて示す」とコメントしていた。

なお、カルティエブランドは、現在はスイスの企業リシュモンが所有している。被告はブランドの創業者家系の子孫だが、現カルティエ社と経営上の関係はない。

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750億円以上を洗浄

裁判書類によると、少なくとも被告は2018年から無許可の送金事業を営み、顧客に代わって仮想通貨の売買を行う店頭取引(OTC)の仮想通貨取引所を運営。犯罪収益を米国経由でコロンビアなどへ資金洗浄して送る、国際マネーロンダリングネットワークにおいて重要な役割を果たしていた。

OTC取引とは

Over The Counterの略。証券取引所を介さず、売買当事者同士が1対1で、価格や数量、決済方法を直接交渉して決定する取引のこと。

カルティエ被告は、実際には麻薬資金やその他の犯罪収益の受け取りと送金のみを目的とする事業を、ソフトウェア出版およびソフトウェア開発の企業だと偽って、米国の銀行に10以上の口座を開設していた。

仮想通貨の形で麻薬収益を受け取り、それを現金に換金してペーパーカンパニーの口座に入金した後、資金洗浄ネットワーク内に送金し、その性質と出所をさらに隠蔽した上で、最終的にコロンビアで現地通貨で引き出せるようにしている。

また、送金事業者として登録せず、マネーロンダリング対策も遵守しなかった。ペーパーカンパニーを通じて、合計4億7,000万ドル(750億円)以上の資金洗浄を支援した格好だ。

2024年2月、カルティエ被告はフロリダ州マイアミで逮捕されている。この際の発表によると、カルティエ被告はフランス居住歴がありアルゼンチン国籍だ。コロンビア人5名と共にマネーロンダリング共謀罪で起訴されていたが、今回地裁の判決が下りたことになる。

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米当局は、厳格なマネーロンダリング対策を回避して仮想通貨を現金化できるサービスや、資金の出所を分からなくする仮想通貨ミキサーへの取り締まりを強化しているところだ。

米司法省は1月、ダークネット上で運営されていた仮想通貨ミキサー「Helix」に関連する4億ドル(約632億円)超の資産を没収している。

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