- 上院採決には60票必要、8月休会前は困難
- SECはプロジェクト・クリプトで代替規則を準備済み
「クラリティー法」不成立なら独自規則
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は27日、米CNBCのインタビューで、仮想通貨の市場構造を定める法案「クラリティー法」が議会で成立しない場合、SEC自ら同様の規則を策定する用意があると述べた。同法が上院を通過しなければ「その用意がある」と語った。
アトキンス氏は、法律の形にすることが制度を将来にわたって維持する唯一の方法だと主張し、政権が代わるたびに規制の枠組みが変わらないよう、市場には法律による確実性が必要だと述べた。議会が同法を可決することに引き続き楽観的な見方を示し、SECとして技術的な支援を続けているとも説明した。
クラリティー法は、ビットコインなど仮想通貨の大半についてSECではなく米商品先物取引委員会(CFTC)が現物市場の管轄権を持つよう定める市場構造法案。仮想通貨を巡る規制官庁の縦割りを解消し、どの当局がどの銘柄を監督するかを明確にすることを目的とする。
関連記事:SECが仮想通貨規則案を検討、クラリティー法停滞の代替策か=投資家
クラリティー法の上院審議が停滞する中、米SEC企業金融局が仮想通貨の募集・売出しに関する規則制定を検討中と規制情報DBで判明。SECとCFTCの共同規制プロジェクトの一環として、法整備の遅れを補う動きとの見方を投資家が示す。
法案の現状、上院採決は未定
クラリティ法は昨年7月、下院を294対134の賛成多数で通過し、今年5月には上院銀行委員会も15対9で可決した(反対は民主党議員9人)。ただし本会議での採決には至っておらず、可決には60票が必要となる。
上院は8月に休会に入る予定で、ジョン・チューン院内総務は先週、休会前の採決は難しいとの見方を記者団に示し、上院は当面同法案を棚上げした。
民主党の一部議員は、政府高官の仮想通貨取引を巡る倫理条項が不十分だとして、最新版の法案に反対する姿勢を示している。ステーブルコインの利回り支払いを認めるかどうかも、依然として決着していない。
関連記事:米上院、クラリティー法採決を来週先送りへ
米仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」の今週中の採決の望みが薄れ、ロシア制裁法案の審議が優先される見通しとなった。焦点は来週以降の討議開始に移る。
SECの代替策と限界
SECはすでに代替策の土台を築いている。アトキンス氏が昨年11月に打ち出した「プロジェクト・クリプト」の一環として、トークンの登録免除や非中央集権化プロジェクト向けのセーフハーバー、ブローカーディーラーによるカストディや取引プラットフォームなどを盛り込んだ規則案「Regulation Crypto」を2026年の作業計画に組み込んだ。アトキンス氏はこれをクラリティ法までの橋渡しと位置付けている。
一方でこの代替策には限界もある。SECとCFTCは3月、ビットコインやイーサリアムを含む16銘柄を仮想通貨コモディティに分類するガイダンスを示したが、これはあくまで行政上の判断であり、議会の採決を経ていないため、次の政権が議会の承認なしに撤回することも可能だ。



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