【令和元年最新版】国税庁公表:仮想通貨に関するFAQを解説 2019/12/25 19:00 Aerial Partners 令和元年(2019年)12月20日に国税庁より「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」が公表されました。このFAQは2017年、2018年に続き、3回目の公開となります。今回は、公表された内容に関して、過去から変更・追加された点を主に解説していきます。 目次 今回の公表で変更・追加された内容 仮想通貨の取得価額 仮想通貨の評価方法の届出と変更について 仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合 仮想通貨を低額譲渡した場合の取扱い まとめ 仮想通貨(暗号資産)の確定申告を簡単に終わらせる方法 今回の公表で変更・追加された内容 今回のFAQの内容には、2019年の所得税法改正の内容が反映されている項目もあり、仮想通貨の評価方法の届出・変更など、仮想通貨投資家が必ず確認しておくべき内容も含まれています。 また、仮想通貨を時価より低額で譲渡した場合の取り扱いなど、新たな点も明確化されています。それではチェックしておくべき変更点・追加された点をひとつひとつ見ていきましょう。 仮想通貨の取得価額 仮想通貨の取得価額は取得の方法により、以下のように決定することが明記されています。 対価を支払って取得した場合 購入時に支払った対価の額が取得価額となる(手数料などを含む) 贈与または遺贈により取得した場合 贈与または遺贈のときの価額が取得価額となる(贈与・遺贈が行われた時の時価) 死因贈与相続または包括(特定)遺贈により取得した場合 被相続人の死亡の時に、その被相続人が仮想通貨について選択していた方法(移動平均法または総平均法)により評価した金額が取得価額となる(被相続人が死亡時に保有する仮想通貨の評価額) 上記以外の場合(マイニング・ハードフォークなど) 仮想通貨を取得した時点の価額(時価)が取得価額となる ※取得価額とは? 取得価額とは仮想通貨を取得する際に要した費用のことで、購入手数料なども含みます。 例えば、1BTCを1,000,000円(購入手数料500円)で購入した場合の取得価額は1,000, 500円となります。 仮想通貨の評価方法の届出と変更について 従来、仮想通貨の計算方法についての届出は必要ありませんでしたが、2019年度からは、仮想通貨を取得した年度の確定申告の期日(2019年度分は2020年3月16日)までに納税地の税務署長に届出を行うことが必要になりました。 届出を行わないと「総平均法」によるものとして扱われることになります。 ※この取扱いは2019年度から措置されたものですが、その前から仮想通貨を保有している方についても計算方法の届出が必要になります。 また、計算方法を変更する場合も、納税地の税務署長に届出をする必要があります。しかし、計算方法を一度選択すると、特別な理由がない場合は3年間変更できないので注意が必要です。 計算方法の届出・変更についての詳細や手続きの方法は以下をご参照ください。 国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の届出手続 国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の変更承認申請手続 仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合 個人間取引を行って取引の記録をしなかった場合や、取引所の閉鎖などで取引履歴を取得できないなどの理由で仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合は、取得価額を売却価額の5%相当額とすることが認められています。 例えば、仮想通貨を1000万円で売却したものの、その仮想通貨の取得価額がわからない場合は、50万円を取得価額として計算することができます。 また、実際の取得原価が100分の5未満の仮想通貨であっても、取得価額を5%とすることが認められるので税務上のメリットを受けることができます。 仮想通貨を低額譲渡した場合の取扱い ①4月9日に 450,000 円で1BTC を購入した。 ②5月20日に 450,000 円で1BTC を売却した。 なお、売却時における交換レートは1BTC=1,200,000 円であった。 ※上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない。 (国税庁より引用) 上のような取引をした場合、45万円で購入したBTCを45万円で売却したので所得が発生していないように感じますが、個人が他の個人または法人に対して、仮想通貨を時価よりも著しく低い対価(時価の70%相当額未満)で譲渡した場合、「時価の70%から実際に売却した金額を差し引いた額」を雑所得等の総収入金額に参入する必要があります。 このケースにおいては、BTCの時価が120万円であるのに対して、45万円で売却しており、時価の70%相当額を下回っているため、総収入金額は以下の式から84万円となります。 また、この取引での所得金額は39万円となります。 (参照:国税庁) まとめ 今回のFAQでは、2017年・2018年と過去に公表されてきた内容の変更と補足がされた形となりました。仮想通貨の計算方法に関しては、今年度からどちらを選択するか届出が必要になったので必ず行いましょう。届出を行わない場合は、自動的に総平均法が選択されます。 また、「FAQ」の位置づけはあくまで情報の補足であり、基本的には昨年度と同じ前提に基づいて確定申告を行うことになります。 仮想通貨の税金・確定申告の概要についてはこちらをご覧ください。 【2020年対応】仮想通貨(暗号資産)の税金の基本|税理士がわかりやすく解説! 仮想通貨(暗号資産)の確定申告を簡単に終わらせる方法 以下の企業プロフィール欄に詳細を記載しておりますので、以下の[Gtaxで無料計算する]をご覧ください。
【令和元年最新版】国税庁公表:仮想通貨に関するFAQを解説
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令和元年(2019年)12月20日に国税庁より「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」が公表されました。このFAQは2017年、2018年に続き、3回目の公開となります。今回は、公表された内容に関して、過去から変更・追加された点を主に解説していきます。
今回の公表で変更・追加された内容
今回のFAQの内容には、2019年の所得税法改正の内容が反映されている項目もあり、仮想通貨の評価方法の届出・変更など、仮想通貨投資家が必ず確認しておくべき内容も含まれています。
また、仮想通貨を時価より低額で譲渡した場合の取り扱いなど、新たな点も明確化されています。それではチェックしておくべき変更点・追加された点をひとつひとつ見ていきましょう。
仮想通貨の取得価額
仮想通貨の取得価額は取得の方法により、以下のように決定することが明記されています。
※取得価額とは?
取得価額とは仮想通貨を取得する際に要した費用のことで、購入手数料なども含みます。 例えば、1BTCを1,000,000円(購入手数料500円)で購入した場合の取得価額は1,000, 500円となります。
仮想通貨の評価方法の届出と変更について
従来、仮想通貨の計算方法についての届出は必要ありませんでしたが、2019年度からは、仮想通貨を取得した年度の確定申告の期日(2019年度分は2020年3月16日)までに納税地の税務署長に届出を行うことが必要になりました。
届出を行わないと「総平均法」によるものとして扱われることになります。
※この取扱いは2019年度から措置されたものですが、その前から仮想通貨を保有している方についても計算方法の届出が必要になります。
また、計算方法を変更する場合も、納税地の税務署長に届出をする必要があります。しかし、計算方法を一度選択すると、特別な理由がない場合は3年間変更できないので注意が必要です。
計算方法の届出・変更についての詳細や手続きの方法は以下をご参照ください。
国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の届出手続 国税庁:所得税の仮想通貨の評価方法の変更承認申請手続
仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合
個人間取引を行って取引の記録をしなかった場合や、取引所の閉鎖などで取引履歴を取得できないなどの理由で仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合は、取得価額を売却価額の5%相当額とすることが認められています。
例えば、仮想通貨を1000万円で売却したものの、その仮想通貨の取得価額がわからない場合は、50万円を取得価額として計算することができます。
また、実際の取得原価が100分の5未満の仮想通貨であっても、取得価額を5%とすることが認められるので税務上のメリットを受けることができます。
仮想通貨を低額譲渡した場合の取扱い
①4月9日に 450,000 円で1BTC を購入した。 ②5月20日に 450,000 円で1BTC を売却した。
なお、売却時における交換レートは1BTC=1,200,000 円であった。 ※上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない。 (国税庁より引用)
上のような取引をした場合、45万円で購入したBTCを45万円で売却したので所得が発生していないように感じますが、個人が他の個人または法人に対して、仮想通貨を時価よりも著しく低い対価(時価の70%相当額未満)で譲渡した場合、「時価の70%から実際に売却した金額を差し引いた額」を雑所得等の総収入金額に参入する必要があります。
このケースにおいては、BTCの時価が120万円であるのに対して、45万円で売却しており、時価の70%相当額を下回っているため、総収入金額は以下の式から84万円となります。
また、この取引での所得金額は39万円となります。
(参照:国税庁)まとめ
今回のFAQでは、2017年・2018年と過去に公表されてきた内容の変更と補足がされた形となりました。仮想通貨の計算方法に関しては、今年度からどちらを選択するか届出が必要になったので必ず行いましょう。届出を行わない場合は、自動的に総平均法が選択されます。
また、「FAQ」の位置づけはあくまで情報の補足であり、基本的には昨年度と同じ前提に基づいて確定申告を行うことになります。
仮想通貨の税金・確定申告の概要についてはこちらをご覧ください。 【2020年対応】仮想通貨(暗号資産)の税金の基本|税理士がわかりやすく解説!
仮想通貨(暗号資産)の確定申告を簡単に終わらせる方法
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