$ geth --datadir new-node-1 account new
INFO [12-18|14:51:17.224] Maximum peer count ETH=25 LES=0 total=25
Your new account is locked with a password. Please give a password. Do not forget this password.
Passphrase:
Repeat passphrase:
Address: {0431a975ebfade62caaa86d3a38eb087837ee222}
以下のコマンドでアカウントが作成されたことを確認しましょう。
$ ls new-node-1/keystore/
UTC--2019-12-18T05-51-19.943010000Z--0431a975ebfade62caaa86d3a38eb087837ee222
Quorumのネットワークをスクラッチから構築してみる
digglue
3.1.Quorumのインストール
3.2.Quorumのビルド
3.3.Quorumのパスを通す
4.1.Nodeの作業ディレクトリの作成
4.2.Nodeの管理アカウントの作成
4.3.Node Keyの作成
4.4.static-nodes.jsonの作成
5.1.ノードの初期化
5.2.ノードの起動
5.3.ノードへの接続
はじめに
Quorumのネットワークの構築手順は公式サイトに乗っているのですが、手順を理解するにはEthereumの理解が別途必要となってきます。
この記事では簡単にですが各コマンドの説明を付けた上、Ethereumを学ぶ前でもQuorumのネットワークの構築を理解できるように配慮しました。
QuorumではRaft, IBFT, PoAの三種類のコンセンサスアルゴリズムが選べます。今回は一番簡単なRaftを利用して構築することにします。
この記事の内容を一通り学ぶことでQuorumのネットワークをスクラッチから作成できるようになります。
また、Quorumを起動してみるためのテンプレートプロジェクトも用意しておきました。とりあえず動かしてみたい方はこちらから。https://github.com/programmerkgit/quorum-gs
参照文献: Quorum公式ドキュメント
手順の全体
Quorumの準備
Quorumのネットワークを構築するには、Quorumに対応したGethなどのツールをインストールする必要があります。
まずはQuorumをインストール・ビルドしましょう。
Quorumのインストール
Quorumのビルド
Quorumのパスを通す
Quorumを起動するスクリプトへのパスを通します。
Nodeの設定
Nodeは、Quorumのネットワークに参加する一つのマシーンです。 Nodeを構築するためには、以下のものを作成します。
それぞれの手順をみていきましょう。
Nodeの作業ディレクトリの作成
new-node-1という作業ディレクトリを作成しましょう。 このディレクトリにノードの情報が格納されることになります。
Nodeの管理アカウントの作成
以下のコマンドでNodeが所有するアカウントを作成します。
パスフレーズの入力を求められるので、任意のパスフレーズを入力してください。このパスフレーズは重要なので保存して無くさないようにしてください。
$ geth --datadir new-node-1 account new INFO [12-18|14:51:17.224] Maximum peer count ETH=25 LES=0 total=25 Your new account is locked with a password. Please give a password. Do not forget this password. Passphrase: Repeat passphrase: Address: {0431a975ebfade62caaa86d3a38eb087837ee222}以下のコマンドでアカウントが作成されたことを確認しましょう。
このコマンドで表示された数字列(上の例では0431a…)の部分はアカウントは管理アカウントのアドレスで、後に利用します。
以下のgenesis.jsonファイルをコピペし、アドレス部分を書き換えてください。 allocキーはアカウントの初期残高を設定します。
{ "alloc": { // 0xから実際のアドレスで置き換える "0x0431a975ebfade62caaa86d3a38eb087837ee222": { "balance": "1000000000000000000000000000" } }, "coinbase": "0x0000000000000000000000000000000000000000", "config": { "homesteadBlock": 0, "byzantiumBlock": 0, "chainId": 10, "eip150Block": 0, "eip155Block": 0, "eip150Hash": "0x0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000", "eip158Block": 0, "isQuorum": true }, "difficulty": "0x0", "extraData": "0x0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000", "gasLimit": "0xE0000000", "mixhash": "0x00000000000000000000000000000000000000647572616c65787365646c6578", "nonce": "0x0", "parentHash": "0x0000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000", "timestamp": "0x00" }Node Keyの作成
Node Keyとは、ノードを識別するためのキーで、IDとして利用されます。
bootnodeコマンドを利用してNode Keyを作成しましょう。 作成した鍵は作業ディレクトリにも保存します。
以下のコマンドで、NodeのIDを確認してみましょう。
ここで、enodeというのは”ethereum node”の略で、表示されるのはenodeのIDとなるアドレスになります。
static-nodes.jsonの作成
static-nodes.jsonはプライベートネットワークに初期に参加しているノードの一覧を記述するファイルです。 ここに記述されていないノードは別途コマンドによってネットワークに追加する必要があります。 今回はノードは自分のノード一つだけなので、自分の設定を記述します。
まずはstatic-node.jsonファイルを作成しましょう。
次に、作業ディレクトリにファイルをコピーします。
これでノードの起動の準備が整いました。
ノードの起動
これまでの手順で作成した設定を元に、ノードを起動します。 *注意 一度コンソールを閉じるなどによりPathが通っていないと失敗します。失敗する場合はもう一度quorumディレクトリでexport PATH=$(pwd)/build/bin:$PATHを実行してください。
ノードの初期化
まずはノードの設定を元に初期化します。
ノードの起動
Nodeの起動スクリプトを記述します。
起動スクリプトを実行できる状態にし、実行します。
これでノードの起動が完了です。
ノードへの接続
ノードが起動したのでネットワークに接続してみましょう。 gethを利用し、以下のコマンドでネットワークに接続できます。
コマンドを実行し、状態を確認してみましょう.
> raft.cluster [{ hostname: "127.0.0.1", nodeId: "77822727e5b6254c7061e03846250e1ffdbe6f0be1f9f849a1756ff7dc8264455dcce504f7bb42c5d7a12bc940a32890e031c4e719ee5f2bd3347d27015edb22", p2pPort: 21000, raftId: 1, raftPort: 50000, role: "minter" }] >おわりに
以上がQuorumのネットワークの構築手順でした。
Quorumを本番利用するには複数ノードでネットワークを構築する必要があります。 その場合には別のPCなどでノードを構築し、設定ファイルを共有し、お互いにネットワークを接続できる状態にするなどの設定が必要です。
このような面倒な設定を数分でできるようにしているのがAzure Blockchain ServiceなどのBaaSです。
Azure Blockchain Serviceについても紹介しているので、是非参考にしてみてください。
▼Azure Blockchain Serviceについてはこちら Azure Blockchain Serviceにおけるブロックチェーン アプリ開発手法