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現物決済先物取引の必要性とその意義、仮想通貨市場の今後の転換点

DMM Bitcoinは、レバレッジ取引を中心的に提供しているが、現物先渡し等の先物取引の必要性、その意義はどこにあるのか?その需要を考えていきましょう。

基本的に先物オプションの領域は、現物取引のリスクヘッジの手段として出現するものになるので、リスクヘッジをする必要がある人、機関投資家にとってはとても意味のあるものです。

今回、先物市場の需要の変化とカストディを主なテーマにお話をしていきたいと思います。

先物市場の需要の変化は2〜3年以内に起こる

機関投資家の資金が流れ込んでくる、そのような資金を得たいが為に今は先物市場を作るんだということになっているのではないでしょうか。

これはどこかのタイミングで、公的機関だったり、機関投資家が暗号資産に対して投資したいが、リスクヘッジの方法がないため、その方法として先物市場が必要だから作って欲しい。というニーズが追い越していく可能性もあり、それがいつなのかと考えており、それが遠い将来ではなく、2〜3年以内だと見ています。

一方で、特に重要なことは、機関投資家や公的機関の資金を取るためには、ロジカルではない高度な価格変動がある状態だとか、信頼や信用のおけない市場形成をやめないといけないし、そうではないということを証明しなければなりません。証明できたら自ずと先物市場も出来ますし、先物市場が出来れば、ヘッジ手段ができるので公的機関や機関投資家の資金は来るというのが当局側や近い人たちの見方で、色んな手段で価格の透明性をどう取るかと議論されています。

公的機関や機関投資家の資金を得て、運用がされていくということについて話すと、もう一つ必要な要素があります。

先物市場がしっかり成熟すること、カストディ機関があることです。彼らは預かっているお金をカストディに入れて、運用の指示をブローカーに出して、その結果がカストディに行き、計算された結果が返ってくるというのが、機関投資家の金融商品の取引プロセスの基本です。今は両方ないため、一生懸命に作ろうとしています。

信頼できる市場を作るために

カストディとは、第三者の財産を安全に、顧客毎に分離・分別管理するのが基本ですが、運用結果の計算とクリアリングサービスも行うカストディ機関が立ち上がることで、初めて公的機関や機関投資家の資金が扱いやすくなります。

結果として、市場の透明性がしっかり測れてくれば先物市場が成熟する、そうなると現物市場にもお金が流れやすくなります。

このように機能分離されると、暗号資産の取引所の役割は、ブローカー、ディーラー的な役割でカストディ機能は外側にあるようになっており、資産運用結果はカストディからその利用者に対して報告がなされていくという形になっていきます。

個人部門と法人部門

日本においても、個人部門と法人部門と分かれています。法人部門の人はカストディを使うことが当たり前で、個人部門はそうではないです。お客様の資産の安全管理ということであれば、暗号資産の取引所は、カストディ的な役割も持っていますが、もう少し大きな枠組みで協会が主体となるべきだと思いますが、登録業者が持つカストディ的なものが構成されていると暗号資産市場は伸びやすいのではと思います。

これは個人部門、法人部門のお金も入れやすくなるのではないかと。全体として、投資家にとって信頼できる安全管理がしっかりしていることに加え、価格形成が出来ている信頼できる市場をしっかりとやっていくことが重要です。

そこに対して、自分たちができることをやっていく。リブラにも参加したいですし、カストディ的なものをやっていきたいという会社があれば、一緒にやっていきたいと考えています。

技術的な要素は揃っているので、そういうことにコストを払ってやっていくということ。カストディは儲かるものではないが、みんなで共同で立ち上げるというのは、私はあってもいいのではないかと思いますが、なかなか賛同を得られないです。結果的には、ポリティカルだったり、感情的な部分での綱引きが進んでいるんだろうと思っています。

田口 仁 DMM Bitcoin 代表取締役

埼玉県越谷市出身。早稲田大学政治経済学部を1994年に卒業し、三菱商事株式会社に入社。 その後は、ライブドア、DeNA、EMCOMなどで様々な事業立ち上げや運用に携わり、現在は「DMM Bitcoin」の代表取締役社長。

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