次世代チェーンSymbol控える仮想通貨ネムが高騰、ビットコインは高値圏での揉み合いに
仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
4日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比+1.19%の201万円(19,350ドル)で推移する。
19,400〜19,600ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)では、大口投資家を示す「クジラ」の売り圧力が強まっている。データ分析企業CryptoQuantによると、足元では仮想通貨取引所へのインフロー(資金移動)が急増した。
これは、今年3月に米ニューヨーク株式市場を震源地とした「コロナ・ショック」の全アセット換金売り次ぐ水準で、今年9月の第一次DeFiブームに匹敵する。一部取引所で過去最高値まで上昇していることから、安値で仕込んだ大口投資家の利確ラインに達したことを示唆する。
海外投資家ByzGeneral氏は、上値を重くしている一因となる主要レジスタンスラインでの売り板の厚さを指摘する。
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一方、米ドルのインフレヘッジとしての大口買いや世界的な金融緩和に伴う行き場を失ったマネー流入が観測されるなど、中・長期のファンダメンタルズはかつてなく良好だ。
下値では個人投資家を中心に買い意欲旺盛であり、直近の調整局面では、いずれも売り圧力を吸収して早期反発を見せてきた。
ネム(XEM)が高騰
昨今のBTC(ビットコイン)高騰により、ETH(イーサリアム)やXRP(リップル)など主要アルト市場への関心も急上昇している。3日から4日にかけて、仮想通貨ネム(XEM)が23円台まで高騰、高値を更新した。23円台は18年7月以来、2年5ヶ月ぶり。
21年1月14日の大型アップデートまで残り1ヶ月程度まで迫り、新チェーン「Symbol(XYM)」への思惑買いが強まっている。
Symbolは、かつて「Catapult(カタパルト)」と呼ばれた次世代チェーンへの大型アップデートであり、度重なる延期を挟みつつ、ついに実現の目処が確定した。Symbolは、処理速度の大幅向上やセキュリティ強化を目的としたプラットフォームだ。実用性の大幅向上により、すでにさまざまなユースケースが模索されている。
例えば、Symbolを利用した初のアプリ開発では、スペインにおける廃棄物のトレーサビリティ(追跡)プロセスでの活用が見込まれる。
今年7月には、ネム公式ブログにてSymbolをワイン産業へ導入した場合のシナリオが紹介された。
ワイン産業では、高級ワインの産地偽装(偽造)や改ざん、盗難が横行しており、ワイン生産者は数百万ドルに及ぶ被害を受けている。2017年のForbsの記事によれば、中国では毎時30,000本の偽造ワインが販売されているという。
そこで、Symbolの特徴である「アグリゲートトランザクション」による高速処理やマルチシグ機能の出番となる。これを利用することで、原料となる葡萄(ブドウ)の生産者からワインの消費者まで、すべての関係者を効率的な検証プロセスに含め、支払いプロセスまで簡素にすることが可能になるという。
発送地から離れても、輸送プロセスのあらゆる段階において、高級ワインが「改ざん」されていないことを保証できる仕組みだ。
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さらに今年2月には、2022年に中東・カタールで開催予定のサッカーの祭典「FIFAワールドカップ」に関連して、現地のホテル建設行程におけるSymbol(シンボル)利用予定が公表された。Symbolチェーンの応用により、改ざん不可能な建設監査などに役立てる狙いがある。
Symbol導入に携わるネム財団の元CRO(元Senior Business Development Consultant) Pedro Gutierrez氏は、提携発表時「Symbolは、高度なセキュリティ・スケーラビリティ・速度などの優良技術を有している。今後、より多くの従来企業(建設企業等)がSymbolを利用していくと考えている。」と抱負を述べた。
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