Lisk、Betanet v5をローンチ メインネットリリースへの計画を発表

LiskがBetanet v5をローンチ

仮想通貨プロジェクトLiskが、Betanet(正式なテストネットローンチ以前の一時的なテストネットワーク)v5のローンチを発表した。これによりLisk Core(ノードに参加するのに必要なプログラム)にLisk SDK v5が適用され、Lisk Core 3.0.0-beta.2となった。今後は、最終的にメインネットへの実装を行うための各種テストが実施される。

Betanet v5の詳細

Betanet v5ローンチにあたり、新しいIDシステムを実装するNetwork Longevityフェーズの目標であったプロトコルの新機能が実装され、Lisk SDKのコードレベルの改善が行われた。以下ではv5のアップデートを抜粋して紹介する。

base32のエンコード、およびチェックサムをアドレスに採用

v5では、アドレスの新規フォーマットが実装された。この新規フォーマットにより、公開鍵をアドレスに紐付けるために必要だった「初期化プロセス」が不要になる。また、アドレスが衝突してしまう可能性が大幅に削減される上に、チェックサムにより間違ったアドレスへ送金してしまう可能性がほぼゼロに近くなるという。

Liskのアドレスには、公開鍵のSHA-256関数のうち160bitsが利用されている。v5のアップデートにより、この160bitsに、BIP173で提案されたBCHコードから生成される30bitのチェックサム(誤り検出記号)が追加され、さらにカスタマイズされたBase32エンコードが利用された形で、アドレスがユーザー画面に表示されるようになる。

具体的には、現在のアドレスは「16293716040102736949L」という形だが、今後は先頭に「lsk」を付けた合計41文字の文字列をアドレスとして利用することになる。BCHコードのチェックサム機能により、今後はアドレス打ち間違いがあると、間違った文字列が指摘される。

参考:仮想通貨リスク(LSK)とは?ロードマップから今後の将来性を解説|Lisk Japan寄稿

トランザクションID、およびブロックIDに完全なSHA-256を採用

v5では、トランザクションIDの衝突の可能性を減らすために、トランザクションの完全なSHA-256ハッシュ関数をトランザクションIDとして採用している。これにより、固有識別子としてトランザクションIDを安全に利用でき、ID衝突によるトランザクション拒否を回避できるようになる。

また、ブロックIDにもブロックヘッダーの完全なSHA-256関数を採用している。これによりLiskブロックチェーンのセキュリティが強化され、長期的な改竄不可能性も保証される。また、ブロックIDが衝突する可能性がないと仮定できるため、ブロック承認の際のブロックIDチェックが不要になる。

Banningメカニズムの導入

Lisk SDK4.0.0に追加されたDPoS(Delegated Proof-of-Stake)システムの主な機能に加え、Lisk SDK 5.0.0ではデリゲート向けにBanning(禁止)メカニズムが導入された。このメカニズムでは、50ブロック連続でフォージングに参加せず、フォージングブロック数が260,000ブロックに満たなかったデリゲートは、生産性が低いとみなされ禁止される可能性がある。

このメカニズムを実装するために、トランザクションにおける「取り消し」ステップが削除された。

Liskコマンダーのアップデート

Lisk Coreに関連するLiskコマンダー(コマンドラインのインターフェースツール)がLisk Coreに移行され、他のネットワークでも利用が可能になった。

Liskのバックエンド開発者遠田秀説氏は、7日に行われたAMA(Ask Me Anything/なんでも聞いて)にて、今後はLiskコマンダーがLisk SDKを使用したブロックチェーン開発のエントリーポイントになれるよう、コマンダーの改善にさらに注力していく予定だと語った。開発者が自身でブロックチェーンアプリケーションを構築できるようにするための機能が、今後のLiskコマンダーのマイナーリリースにて導入される予定だという。

組み込みデータベースシステムへの変更

これまでのPostgreSQLデータベースが、組み込みデータベースに変更された。これにより、Lisk SDK開発者にとっての複雑さが軽減される、データベースのストレージサイズが最適化される、異なるプラットフォーム間をサポートする可能性が開かれる、コードの読み書きのパフォーマンスが向上するといった利点がある。

今後の展開

Liskによると、現在はLisk SDK 5.0.0およびLisk Core 3.0.0-beta.2の外部セキュリティ監査が行われている。

Betanetのサイクル期間が短いため、今年中はv4とv5が両方とも稼働した状態が継続される。v4は来年初めに停止する予定だ。

v5のテスト、および外部監査が完了し次第、来年にはテストネットおよびメインネット両方のリリースが行われる計画だという。

出典:Lisk Blog

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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