米仮想通貨の明文化法案が3度目の提出に──「トークン分類法」

証券に分類される仮想通貨の基準を明確に

米国のWarren Davidson下院議員が、暗号資産(仮想通貨)を「デジタルトークン」と位置づけて、証券など他の資産と区別する「トークン分類法(TTA)」を議会に再提出したことがわかった。

この法案は、2018年に最初に提出されたが会期中に投票にまでは至らず、2019年にも再提出されたものの進捗はなかった。今回の提出が三回目となる。

Davidson議員のほか、Ted Budd議員、 Darren Sot議員、Scott Perry議員、Josh Gottheimer議員も法案の支持者として名前を連ねている。

Davidson議員は、「新興産業(デジタル資産関連業界)がブロックチェーンで革新をもたらすために、必要な明確性を与える時が来た」とコメント。

米国では現在、仮想通貨に関して様々な州や異なる機関がそれぞれ別個の基準を設定しており、統一した法的ガイドラインが不明確であることが業界の課題となっている。

Davidson議員によれば、こうした背景でTTA法は、デジタル資産に対して、うまく機能する統一した規制構造を提供しようとするもの。また証券法に該当するトークンの分類方法についても基準を設定することを目的とする。

具体的には、証券法と証券取引法を改正して、証券の範囲から「デジタルトークン」を除外。この法案の下では、仮想通貨から別の仮想通貨への交換は非課税対象となり、600ドル未満の場合には、仮想通貨から法定通貨への交換も非課税取引とみなされる見込みだ。

「米国がブロックチェーンを主導するために必要」

再提出にあたってDavidson議員は、適切な規制環境を用意しなければ、米国が取り残されると呼びかけた。

Budd議員もこれに同意して次のように意見を発表した。

トークン分類法は、より良い投資家保護、資本形成、イノベーションを促進しながら、ブロックチェーン技術の開発が米国で行われることを確実にし得る。

Gottheimer議員なども「米国をブロックチェーンセクターのリーダーとして確立する枠組みが必要であることは明らかだ」と声を揃えた。

米国に拠点を置くブロックチェーン・仮想通貨の業界団体Blockchain AssociationのKristin Smithディレクターは、国会議員が規制の明確さのために取り組むことは重要だとして、Davidson議員の諦めない姿勢を評価している。

以前には厳しい評価も

一方で、2019年に再提出された際には、この「トークン分類法」に対して、法律の専門家より厳しい評価もなされた。

仮想通貨や有価証券訴訟関連に詳しいJake Chervinsky弁護士は、この法案ではデジタルトークンの定義が曖昧な部分があり、必ずしも分類の明確化には繋がらないと論じている。

関連仮想通貨を有価証券の対象外に 「米トークン分類法」へなぜ業界から批判?|法律の概要と重要性

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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