二つの法案が同時採択
米国の下院で、ブロックチェーンとデジタルトークンに関する法案がそれぞれ承認された。
ダレン・ソト議員が提出した「ブロックチェーン・イノベーション法」と「デジタル・タクソノミー法」で、消費者安全技術法に組み込まれる形で可決。
これらの法案は消費者保護に焦点を当てたもので、トークン詐欺から国民を守ることと、ブロックチェーンを活用して詐欺を阻止することを目的としている。
ブロックチェーン・イノベーション法
ブロックチェーン・イノベーション法は、連邦取引委員会(FTC)と協議して、商務省(DOC)に、ブロックチェーン技術を使った詐欺対策のメリットなどについて調査し、報告書を作成することを求めるものだ。
調査項目としては他にも、「ブロックチェーン技術における官民パートナーシップを促進するためのベストプラクティス」と、「規制をより明確にすることで国内のイノベーションを促進する方法」「消費者保護の観点から見た、ブロックチェーン技術の潜在的な利益とリスク」などを挙げている。
ソト議員は、「ブロックチェーン技術は、イノベーションと経済成長をもたらす可能性が非常に大きい」と述べ、政府がその成長を支援、また不正を阻止し、政府、企業、消費者が適切に使用できるようにするための規制を確立する必要があると語る。
ブロックチェーン・イノベーション法により、政府機関がブロックチェーン技術の調査を行うことになり、その報告内容が、今後規制に関する法案が審議される際に、教育的効果を持つことを狙っているという。
デジタル・タクソノミー法
デジタル・タクソノミー法は、消費者保護機関である連邦取引委員会(FTC)に、「デジタルトークンに関わる詐欺的な行為」を特定し、防止するためのスタッフを訓練し、リソースを割り当てるよう指示するものだ。
さらに、下院のエネルギー・商務委員会と上院の商務・科学・運輸委員会に向けて報告書を作成し、このような取り組みの実施概要をまとめ、また推奨事項を作成することもFTCに義務づけている。
デジタルトークンとブロックチェーンをアメリカのイノベーションにとって重要なものと位置づけ、不正行為を制限しながらアメリカの競争力を維持するための提言をFTCに求める形だ。
仮想通貨関連法案も提出
米国議会では24日に暗号資産(仮想通貨)関連の法案も二つ提出されている。
その内、「デジタルコモディティ取引法(DCEA)」は、すべての仮想通貨をコモディティ(商品)と法的に規定、仮想通貨取引所を「デジタルコモディティ取引所」として、CFTCの管轄に置くことを目的とする。
取引所は「デジタルコモディティ取引所」のライセンスを取得すれば、これまで州ごとに申請する必要のある「資金移動ライセンス」は免除されるメリットがあるという。
また、「証券分明法」では、有価証券に該当する「投資契約」と仮想通貨販売の違いを明確化する狙いがあり、特に仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング)について、「SAFT(Simple Agreement for Future Tokens)」という投資契約で販売される仮想通貨は有価証券に該当しないことを規定。
米国では度々、ICOが「未登録の有価証券販売」だったとして裁判になるケースが見られることから、仮に承認されれば意義は大きそうだ。
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