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米国の仮想通貨ウォレット規制案、一時保留に──バイデン新政権下

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FinCENの仮想通貨ウォレット規制案が停止

ジョー・バイデンが米時間20日、第46代目のアメリカ大統領に就任したことで、米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の暗号資産(仮想通貨)ウォレット規制案が一時的に保留となったことがわかった。

Ron Klain大統領首席補佐官は、バイデン大統領から「規制フリーズペンディングレビュー(Regulatory Freeze Pending Review)」の覚書を受け、すべての行政機関に「未定のルール作り」に対してアクションを一時中止するよう伝達している。

このようなアクションは、新政権において、大統領およびその顧問団が前政権のルールを見直す一般的なプロセスとなる。

FinCENは、米財務省に所属する機関であることから、保留の対象となる。FinCENの仮想通貨ウォレット規制案は、自己ホスト型ウォレット宛の3,000ドル(約31万円)を超える引き出しに関して、仮想通貨取引所等サービスプロバイダー(VASP)に顧客や送金先の情報確認の強化を要求し、1万ドル(約104万円)を超える取引に関しては、FinCENへの報告義務を課すという内容だ。

同規制案は、昨年12月18日に公開し、当初公開時より15日間のパブリックコメント受付期間を設定したが、通常の60日間と異なり大幅に減少され、利害関係者及び一般市民に法案に対する有意義なコメントを提供する機会が減ってしまったとして、業界関係者らからは批判する声も上がっていた。

その後の対応としては、FinCENが今年の1月14日に、15日間のパブリックコメント受付期間を追加したが、FinCENに提出されたコメント数は7日の時点で、すでに7500件を超えていたため、15日間の追加期間ではFinCENがすべてのコメントをレビューできない可能性が高く、公平性に欠けるとの追加の指摘も見られている。

仮想通貨推進派のWarren Davidson議員やTom Emmer議員など8名の下院議員やTom Cotton上院議員も、15日間ではなくより長いほうの60日間のコメント期間を設け、新しい規制案への見直しを求める公開書簡を元財務長官に提出した。

新大統領の就任を受け、仮想通貨弁護士のJake Chervinsky氏はSNSで、バイデン大統領の今回のアクションについてツイートを投稿し、「バイデン大統領のペンディングレビューはMnuchin元財務長官のウォレット規制案も対象とする。Yellen氏はMnuchin氏とは違う方針を取る人なので、私は楽観的だ」とコメントしている。

政権での違い

昨日、バイデン大統領に指名された次期米財務長官のJanet Yellen氏は上院公聴会にて、仮想通貨がマネーロンダリングやテロ資金支援等犯罪で多く利用されていると指摘している。

Yellen氏は、これまでも仮想通貨に対しては懐疑的な見方を示しており、2017年には、ビットコインが安定的価値の保存手段ではなく、投機性の高い資産だと指摘。2018年には、ビットコインは主に違法なトランザクションで利用されているとの見解を示している。

なお、Mnuchin元財務長官(トランプ政権下)も、仮想通貨に関する資金洗浄問題を懸念を表明。「スイスの匿名銀行口座」の様にならないよう、厳格な規制が必要不可欠との方針を示している。

両名の論調は類似しているが、Yellen氏は、新財務長官としてどのような仮想通貨関連の方針を取るか、現時点では明確にしていない。

Chervinsky弁護士はこの点について、「Yellen博士は調査官ではなく、経済学者だ。まだ仮想通貨について深く探求していないかもしれない」とコメント、「今後も、マネーロンダリング規制よりも金融政策にフォーカスすると見込んでいる」と楽観視する分析を明らかにしている。

新政権におかれる金融政策については、Yellen氏は公聴会で、追加の新型コロナウイルス対策で「大きく行動」する方向性を伝え、連邦債務に負担をかけても恩恵は代償を上回るとした考えを伝えている。

新政権下におけるその他の動きでは、SEC新長官のポジションに仮想通貨に関する有識者でもあるGary Gensler元CFTC会長を指名、業界はSECのClayton元長官の政策と異なり、仮想通貨業界にとって明るい展開になり得ると期待感が高まっている。

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