バイナンスの決済サービス「Binance Pay」、小売店の支払いに対応──ビットコインなど33銘柄が利用可能に

Binance Payが小売店の決済に対応

大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するバイナンスは12日、自社の決済サービス「Binance Pay」が、小売店の支払いに対応したことを発表した。

ユーザーはBinance Payを導入した世界の小売店で利用手数料を必要とせずに、仮想通貨を支払いに利用することが可能になる。

Binance Payはバイナンスが設計した仮想通貨決済の技術で、バイナンスのアプリで利用できる機能。友人や家族に仮想通貨を送ったり、受け取ることもできる。2月には、このP2P形式の取引機能だけ提供を開始していた。公式ホームページによると、利用者は「Binance.com」の本人確認手続き済みのユーザーに限定している。

対応している仮想通貨は以下の33銘柄。2月にベータ版をローンチして以降、約25万ユーザーがBinance Payを利用したという。利用できる法定通貨は豪ドル、ブラジルのレアル、ユーロ、英ポンド、トルコリラだ。

BTC、BNB、BUSD、ETH、ADA、ATOM、BCH、DASH、DOGE、DOT、EOS、ETC、FIL、HBAR、LINK、LTC、MATIC、NEO、PAX、QTUM、TRX、TUSD、UNI、USDC、VET、WRX、XLM、XMR、XRP、XTZ、ZEC、USDT、SXP

バイナンスのChangpeng Zhao最高経営責任者(通称:CZ)は、従来の決済インフラは手数料が高いという問題を抱えており、Binance Payでこの問題を解決したいと説明。そして、「金融サービスはデジタル化が進んでいる。将来的に仮想通貨はこの変化の中心的な存在になり、世界のより多くの人々が恩恵を受けられるようになるだろう」と期待を込めた。

ユーザーはBinance Payとバイナンスの現物ウォレットとの間で資産を即座に移動でき、現金を希望の銀行口座に出金することも可能。Binance Payを最初に導入した宿泊予約サイト「Travala.com」では、12日から決済に利用できるようになっており、今後は順に利用できる小売店を増やしていく計画だ。

規制当局による調査の報道について

米商品先物取引委員会(CFTC)がバイナンスを調査していることが、情報筋の話としてブルームバーグに報じられた。

CFTCはバイナンスが当局に登録をせず、米国ユーザーにデリバティブ取引のサービスを提供していないかを調べているという。なお米国法違反など不正が発覚したわけではない。

CZ氏は12日、バイナンスは米国のルールを守っていると主張し、ユーザーが資金洗浄しないように厳格に管理していると説明。即座に音声SNS「Clubhouse」でAMA(Ask Me Anything:なんでも聞いて)を開催したが、CFTCがバイナンスを調査しているかどうかについては、直接は言及しなかったという。

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バイナンスは11日、米国ユーザーがバイナンス本家のサイト「Binance.com」を利用できないようにブロックしており、不正な入出金を察知できるような技術を利用していると説明。CZ氏は今回の報道は、不安を煽るFUD(Fear・Uncertainty・Doubt)だとコメントしている。

米ユーザーのアクセス制限に関する報道は今回が初めてではない。昨年11月に特定された「米国居住者のユーザー」に対し、期間内に出金を行うよう促し、期限が過ぎた場合は口座を閉鎖する方針を伝えていた。その背景には、10月のBitMEXに対する米司法省およびCFTCの法的追究の事例があると見られた。

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一方、ブルームバーグの報道を受けてBNBの価格は下落。データプロバイダCoinGeckoのチャートで、本記事執筆時点で前日比9.9%の下落幅となった。

出典:CoinGecko

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