バイナンスが元米議員を雇用
大手暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するバイナンスは11日、米上院の元民主党議員Max Baucus氏をアドバイザーとして雇用したことを発表した。
バイナンスが米国の規制当局や政府機関と強固な関係を築くため、Baucus氏は指示を行い、コンプライアンス等政策方針のアドバイスを提供。また米機関との協議を担当し、バイナンスとの橋渡しを行うという重要な役割を担う。
バイナンスが米国の規制対応を強化する背景には、昨年の利用制限の問題などがあると見られる。バイナンスは米国の規制に準拠するために、2019年7月より米ユーザーへのサービスを中止してきた。
しかし昨年11月頃までは、米国のユーザーでも本家のサイト「Binance.com」で、「米国居住者ではない」と選択するとアクセスできるなど抜け道があったという。またデリバティブ取引所BitMEXやアーサー・ヘイズ元CEOらに対する「米国法逃れ」による告発も影響している可能性もある。
米国務省のホームページによると、Baucus氏は以前、米上院財政委員会で委員長を、税金に関する合同委員会では副委員長を務めていた経験があるという。オバマ政権時代には駐中国大使も務めた人物だ。
今回の発表でBaucus氏は「仮想通貨やブロックチェーンは世界の金融システムを変革する力を持っている。通貨の管理方法を変え、より公平で公正な金融システムを構築できる能力を秘めている」とコメントを寄せた。
そして「バイナンスは仮想通貨やブロックチェーンをメインストリームで普及させるために取り組んでいる最大手企業の1つ。普及の鍵となる政策や規制の枠組みを作るためにサポートできることを光栄に思う」と述べている。
バイナンスのChangpeng Zhao最高経営責任者(通称:CZ)は「Baucus氏は政府での十分な経験を持ち、世界の規制も熟知している。バイナンスに大きな価値をもたらし、コンプライアンスや政策を担当するチームをさらに強化してくれそうだ」と期待を示した。