株式上場を控えるコインベースが初めて決算資料公開、Q1総収益が約2,000億円
コインベースが決算を発表
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは6日、2021年Q1(1〜3月)の決算を発表した。
コインベースは今月14日に株式の上場を予定しており、今回の報告は上場企業に義務化されているものとなる。正式に四半期の決算の詳細を公開するのは初となるため、発表の前から注目が集まっていた。このデータは発表時点のもので、これから会計事務所の確認などの作業を行うとしており、確定した数値ではないという。
今回の発表によると、Q1の総収益はおよそ18億ドル(約1975億円)。各種費用を差し引いた当期純利益は7.3億ドル(約800億円)〜8億ドル(約878億円)の範囲になるとした。
また3月末時点の認証済みのユーザー数は5,600万(機関投資家含む)。28日間に1回以上の取引を行う個人投資家の数を示す「平均月間ユーザー数(MTUs:Monthly Transacting Users) 」は610万人となっている。以下はCoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockのMTUsのグラフで、2020年Q4(10〜12月)から2倍以上増加したことが示された。
以下はコインベースが保有する資産の数量を表したグラフ。ここには仮想通貨だけでなく、ウォレットにある法定通貨も含まれている。2021年Q1は2230億ドル(約24兆円)で、これは仮想通貨市場全体の11.3%に相当するとした。このうち、企業や機関投資家向けのプラットフォームで保有する分は、1220億ドル(約13兆円)に上るという。
2021年の見通し
2021年の今後の見通しについて、コインベースは3つのシナリオを想定している。収入の大半をしめる手数料など、取引による収益を大きく左右するというMTUsついて、以下のように年間の平均値を予想。仮想通貨の時価総額が増加するか、価格変動が大きいかを基準に概算した。
- MTUsは700万へ:時価総額が増え、価格が「中から大」で変動した場合
- MTUsは550万へ:時価総額は変化せず、価格が「小から中」で変動した場合
- MTUsは400万へ:時価総額も価格変動率も減少した場合
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1番下のケースでは、時価総額は2018年に見られたような大きな減少を想定している。この場合は、2021年最終日のMTUsは、2020年Q4と同水準になると試算した。
また、2021年は企業や機関投資家の関心の高まりによって、取引とカストディサービスによる収益が増加すると予想。一方で、価格変動などの理由により、その収益は予想が難しいとした。
Q2(4〜6月)については、株式上場に利用した3500万ドル(約38億ドル)の支出を計上するとあらかじめ説明。そして今後について、仮想通貨の価格変動は、四半期ごとの利益にも影響を与える可能性があると明記している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します