イーサリアムにクジラの影、バイナンスコイン大幅高で「DeFi相場」健在か
ビットコイン相場
21日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+3%の605万円(56,000ドル)と反発。600万円台を回復した。
米最大手でPayPal傘下の個人間送金アプリ「Venmo」による仮想通貨決済導入など、好材料も確認された。
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とはいえ、薄氷の上で推移しており、日経平均株価が大幅下落するなど金融市場全体が先行き不透明な状況にあるため、予断は許さない状況にある。
株式市場がリスクオフに傾きつつある中、一定の買い意欲は見受けられる。国内上場銘柄では、XRP(リップル)が前日比+18.1%の157円と反発したほか、イーサリアム(ETH)も前日比+11.7%で25万円台(2,320ドル)を回復した。
オンチェーン分析会社Santimentのデータによると、18日のパニック相場では、イーサリアムのクジラが買い集めた形跡が見られた。イーサリアムは、過去最高値の約2,500ドルから一時1,950ドルまで下落している。
10,000ETH(25億円相当)以上保有する大口投資家のアドレス数の観測データ(下図:赤線)では、18日の暴落後に過去最高を記録した。
Bybtのデータによると、バイナンスだけで44.3億ドル相当のハイレバレッジポジションが清算されたが、Dovey Wan(@DoveyWan)氏は、全取引所の準備資産は過去2ヶ月で12%減少したと指摘。18日の急落局面で、バイナンスからの大規模なアウトフローが確認されており、大口投資家による長期保有行動を示唆した。
個別銘柄の動向
メジャーアルトでは、バイナンスコイン(BNB)が前日比+22.2%の595ドルまで急回復した。軟調に推移する仮想通貨相場を後目に衆目を集めている。
米通貨監督庁(OCC)の元長官代行でコインベースの最高法務責任者を歴任したBrian Brooks氏が、バイナンスの米国部門「Binance.US」の最高経営責任者(CEO)に就任することも追い風となった。
BNB反発の背景には、バイナンススマートチェーン(BSC)基盤のPancakeSwapトークンの「CAKE」が前日比+30.8%高の28.35ドルを付け、過去最高値を更新したことがある。バーン(焼却)による供給量の調整も行われており、CAKEの時価総額は37位まで浮上した。
今年2月以降には、ネットワーク手数料の高騰に悩まされるイーサリアムチェーンの代替手段として、ネットワーク手数料が安価なBSC、及びBSC規格でイーサリアムの「ERC-20」と互換性を持つ「BEP-20」トークンが急台頭。21日のPancakeSwapの日間取引高は、ETH基盤最大手分散型取引所UniSwapの3倍近くに達した。
分散型取引所UniSwapの週間出来高は、前週比+26%の100億ドルを超えるなど、こちらも堅調だ。
5月5日には、流動性と取引効率改善を見込んだ「Uniswap V3」のローンチを控えている。
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DeFi相場は引き続き旺盛
18日のビットコイン暴落後もDeFi市場への関心は継続している。DeFiLlamaのデータによれば、Defi(分散型金融)への預け入れ総額(TVL)は、21日時点で117億ドル(1.26兆円)規模に達した。
13日には、バイナンススマートチェーン(BSC)基盤の分散型金融(DeFi)アグリゲーター「Pancake Bunny」が160万ドル(約1.7億円)の資金調達ラウンドを完了しており、同分野における資本強化にも余念がない。
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20年12月にローンチされたPancake Bunnyは、自動で最適化された複利提供サービスだ。ロックアップされた預入総額(TVL)は、13日時点で20億ドル(約2,000億円)を超える規模に達している。
DeFi市場の勃興は、時価総額2位のイーサリアムの強気相場を長らくけん引してきた。ビットコインと相関性の高いイーサリアムは先行指標として機能するほか、世界最大手取引所であるバイナンスの取引高、及び関連銘柄の市場価値は、市況全体のセンチメントを映し出す鏡ともいえる。
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