NY証券取引所元CEO「米国は仮想通貨業界を過度に締め付ける可能性は低い」

NYSE元CEO、コインベース上場を高評価

ニューヨーク証券取引所のThomas Farley前CEOは22日、CNBCの投資番組「Squawk Box」に登壇しコインベース上場やDeFi(分散型金融)、今後の仮想通貨規制について言及した。

Thomas Farley氏はニューヨーク証券取引所の第66代社長を努めた人物だ。過去にはインターコンチネンタル取引所でCOOなどを歴任した経歴を持つ。

Farley氏は2013年にニューヨーク証券取引所を代表して、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースに1,000万ドル(約108億円)相当の出資を行っていたと説明。自身はコンプライアンスなどの関係上、コインベースへの出資を行わなかったという。

先週14日にはコインベース社が直接上場(DPO)を果たし、仮想通貨企業のユニコーン企業としては初めてナスダック上場をする事例となった点について、「仮想通貨スペースは今素晴らしい」とFarley氏はコメント。

金融市場の歴史を振り返っても仮想通貨は最も「知られていない秘密」と形容し、伝統的な取引所と比較しても「コインベースは世界で8番目に大きい」と述べた。

DeFiの台頭

またFarley氏は分散型金融については「コインベースを上回る」取引量を記録していると言及した。金融企業で経験を得た数名がコードで分散型取引所(DEX)をスマートコントラクトで設立し、そのDEXなどが従来の仮想通貨取引所などに勝ると説明している。

しかしその一方で、過去数世紀に渡りほぼ全ての資産クラスに手を出していたウォール街の伝統的な金融機関はDeFiなどの動向は全く追っていなかったと語り、そればコインベースの台頭につながったと考察した。

今後の米仮想通貨規制

一方、米SEC(証券取引委員会)の新長官として先週米上院議会で議場投票の結果、承認されたGary Gensler氏については仮想通貨に対する深い見識を持つとした。

関連:米SEC、Gensler氏が新長官に就任へ

マサチューセッツ工科大学(MIT)で教授を務めていたGensler氏は、ビットコインに関する授業を教えたことで知られてており、仮想通貨の存在する理由やユースケース、メリットなどを深く理解しているとした。

そのため、米国内の仮想通貨周りの規制は、ブロックチェーン業界を過度に締め付けるものにはならないだろうと予想。高い透明性と最低限のKYC(本人確認プロセス)とAML(資金洗浄対策)を好むため、麻薬カルテルなどの犯罪組織を追うだろうとの見解を示した。

米国では今週下院議会で仮想通貨関連の規制の明確化を求める「Eliminate Barriers to Innovation Act of 2021」法案が可決された。

予定では上院での審議が次のステージだが、実現すれば、米SECや商品先物取引委員会(CFTC)など、仮想通貨の捉え方が異なる規制機関同士の認識のズレの消化を試みるワーキンググループが編成されることとなる。

関連:仮想通貨規制の明確化へ──米議会で新たな法案が下院を通過

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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