はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

億万長者投資家ピーター・ティール、ビットマイン株9.1%取得でETH財務戦略を支援

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

株価が30%急騰

著名起業家・投資家ピーター・ティール氏が、米NYSEアメリカン上場企業「ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ」(以下、ビットマインと表記)の株式の9.1%を取得したことが、7月15日付の米証券取引委員会(SEC)への提出書類(Sc 13G)から明らかになった。

Sc 13Gによると、ティール氏率いる米VC「Founders Fund」は、関連する複数の企業を通じて509万4,000株(執筆時価格で約2億2,800万ドル=339億円)を保有している。Founders Fundは2014年から仮想通貨に投資していたが、2022年のテラ騒動による暴落前に大半を売り抜き、2023年にビットコインとイーサリアムへ2億ドル(約297億円)の投資を再開した経緯がある。

ティール氏による買収のニュースを受け、ビットマイン社の株価は一時30%急騰した。

ビットマインは先月、従来のビットコインマイニング事業から暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)を中心とした財務戦略への大胆な転換を発表。著名金融アナリストでファンドストラット共同創設者のトム・リー氏が取締役会長に就任し、イーサリアムの大量購入を目的とする2億5,000万ドル(約370億円)の資金調達を主導した。

資金調達ラウンドには、Founders Fundをはじめ、仮想通貨VCのパンテラ・キャピタルや、仮想通貨金融サービス企業ギャラクシー・デジタル、プライムブローカーのファルコンX、大手取引所クラーケンなどが参加した。

この発表後、同社の株価は3,000%以上暴騰。その後最高値の135ドルから下落し、現在は44ドル台で取引されているが、年初来では500%以上の上昇を維持している。

関連:イーサリアム戦略転換などで株価7倍暴騰、ビットマイン社にトム・リーが会長就任

ビットマインのイーサリアム戦略を支持

ティール氏は、PayPalやPalantirの共同創設者であり、FacebookやSpaceXへの初期投資で知られるベンチャーキャピタリスト。同氏は、2014年にイーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏に10万ドルの助成金を提供し、プロジェクトの開発を支援した背景をもつ。

ティール氏による今回のビットマイン社への投資は、同社のイーサリアム財務戦略に対する支持の表明と受け止められると同時に、イーサリアムがビットコインに次ぐ機関投資の対象として注目を集めていることの象徴でもある。

ビットマインは14日、約5億ドル(742億円)相当の16万3,000ETHを保有していると発表。資金調達から短期間で、着実にイーサリアムの蓄積を加速し、現在保有量では世界4位となっている。

同社は、イーサリアムネイティブの資産運用会社として、機関投資家向けにカストディ及びステーキングサービスを提供し、保有するイーサリアムを仮想通貨金融商品の担保として活用するという戦略をとっている。

JPモルガンでストラテジストとして活躍した背景を持つトム・リー会長は、イーサリアムは、より大きな実用性とより複雑な経済構造を持っているため、将来のサイクルにおいては、ビットコインを上回ると主張。その可能性に大きな信頼を寄せている。

拡大するイーサリアム・トレジャリー戦略の採用

デジタルゴールドとしての地位を確立しているビットコインに対し、イーサリアムは分散型インフラを支える「デジタルオイル」として注目されている。

「BTCFi」プロトコルおよびオンチェーンビットコイン準備金「Solv Protocol」のライアン・チョウCEOは、ステーキング、ガス、担保、決済など、オンチェーン金融の中核を成す汎用資産としてのイーサリアムは、複雑であるがゆえに理解され難いというデメリットがあると指摘。しかし、価値の保存だけでなく、ユーティリティとして利用されているデジタル資産の価値を、先見性のある企業が認め始めていると述べた。

イーサリアムを主要な財務準備資産として採用した米ナスダック上場のシャープリンク・ゲーミングは15日、イーサリアムの保有数で、イーサリアム財団を抜き世界最大の保有企業となった。6月2日に財務戦略を開始して以来、保有するイーサリアムの99.7%をステーキングプロトコルに配分し、収益最大化への取り組みを継続。ステーキング報酬として累計415ETHを獲得したと報告した。

仮想通貨マイニング・ステーキング企業のビット・デジタルは6月にビットコインマイニング事業からの完全撤退とイーサリアム専門企業への転換を発表。7月7日には企業の全資産のビットコインからイーサリアムへの転換を完了したと報告した。サム・タバーCEOは、イーサリアムは、そのプログラム可能な設計や、普及の拡大、ステーキング機能から、金融システム全体を書き換える能力を持つと高く評価している。

また、ナスダック上場の次世代メディア、エンターテインメント、テクノロジー企業「ゲームスクエア・ホールディングス」は7月8日、イーサリアムに段階的に最大1億ドルと投資する計画を発表。同社の株価は60%高騰した。

関連:米シャープリンク、世界最大のETH保有企業に イーサリアム財団超え

関連:イーサリアムの価格と将来性を解説|今後の注目ポイントと中長期の成長シナリオ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/03 水曜日
12:45
ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る
米ストラテジー社CEOが今後の準備金や配当戦略を詳細に説明した。米ドル準備金で当面の配当資金を確保し、ビットコイン売却を回避する。レンディング参入の可能性も示唆した。
12:14
イーロンの「Xマネー」決済システム開発で人材募集 ソラナが支援表明
イーロン・マスク氏のX Moneyが決済プラットフォームの技術責任者を募集。ソラナが協力を表明し、仮想通貨統合の可能性に注目が集まる。WeChat型スーパーアプリ実現への動きを解説。
10:32
「資産トークン化が金融のあり方を変革」ブラックロックのフィンクCEOらが論説
ブラックロックのフィンクCEOらが現実資産(RWA)トークン化の可能性を様々な観点から解説した。トークン化の2つの大きな利点や規制当局の役割などにも言及している。
10:15
Trust Wallet、予測市場へのアクセス機能をローンチ
仮想通貨ウォレットのTrust Walletは、予測市場にアクセスできる機能をローンチ。まずはMyriad、ポリマーケット、カルシの3つの予測市場に対応する。
09:49
クラーケン、Backed買収 米国株のトークン化取引を拡大
仮想通貨取引所クラーケンがスイスのBacked Finance買収を発表。トークン化株式サービス「xStocks」は半年で取引高100億ドルを突破。RWA市場は2028年に2兆ドル規模へ成長見込み。
07:25
欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行へ、2026年後半に開始予定
INGやBNPパリバなど欧州10銀行がユーロ連動ステーブルコイン発行を計画中。新会社キバリスを設立し2026年後半の発行を目指す。
07:15
バンカメ「資産管理サービスの顧客は仮想通貨投資を検討すべき」
バンク・オブ・アメリカは、資産管理サービスの顧客に対しポートフォリオの最大4%を仮想通貨などのデジタル資産に配分するように推奨していることがわかった。ビットコイン現物ETFも投資対象にする計画だ。
06:45
トム・リーのビットマインが継続的にイーサリアムを押し目買い、3日間で110億円相当
ビットマインが市場下落局面でも3日間に110億円相当のイーサリアムを追加購入した。同社は約373万ETHを保有し総供給量5%保有の目標に向け62%まで進捗。
06:25
米CME、ビットコインの恐怖指数VIXなどの新ベンチマークを導入
米CMEがビットコイン、イーサリアム、ソラナ、XRPを対象とした仮想通貨ベンチマーク指数を導入した。ビットコインのボラティリティを追跡する指数は株式市場のVIXに相当し、機関投資家のリスク管理ツールとなる。
05:55
チェーンリンク初の現物ETFがNYSEで取引開始、グレースケール「GLNK」
仮想通貨チェーンリンクの初の現物ETFが3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始した。グレースケールがGLNKとして上場し運用資産は1700万ドル超となっている。
05:40
米SEC委員長が仮想通貨向け「イノベーション免除」導入へ、資金調達環境の改善を重視
米SECのアトキンス委員長が仮想通貨セクター向けの「イノベーション免除」導入を表明した。新たな法律を待たずにイノベーションを促進する方針で、2005年以降改革されていない開示規制の包括的見直しも発表した。
12/02 火曜日
18:36
AIがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見 防御活用にも期待=レポート
Anthropicの研究で、AIエージェントがスマートコントラクト脆弱性6億9000万円分を発見。2025年3月以降の34件で460万ドル相当の攻撃に成功し、新たに2件のゼロデイ脆弱性も発見。攻撃収益は1.3カ月ごとに倍増しており、防御活用が急務に。
18:00
イーサリアムの買い方|初心者向け取引所比較とリスク・税金まで解説
米国初のビットコインETF承認の影響でBTC価格が過去最高値を更新し、仮想通貨投資による資産運用の注目度が急上昇しています。本記事では初心者向けに高騰するイーサリアム(ETH)の買い方、アルトコイン投資のメリットやデメリット、リスクなどを解説しています。
17:42
FRBが3年半にわたる量的引き締め(QT)終了、仮想通貨市場に流動性改善の可能性
米FRBが12月1日、3年半にわたる量的引き締め(QT)を終了した。約2.4兆ドル規模の資産縮小後、仮想通貨市場への流動性改善が期待される。2019年QT終了時はビットコインが短期下落後に上昇した経緯があるが、専門家は政策効果の遅延やインフレ動向など不確実性に慎重な見方も示している。
16:04
走行映像でGARコインを還元 ドラレコアプリ「セトラス」が地方創生DXモデルを始動
セトラスが市民のドラレコ映像を行政業務に活用し、専用暗号通貨「GARコイン」で報酬を還元する地方創生モデルを発表。実証実験に参加する自治体を3枠限定で募集している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧