
ステラの普及拡大へ
暗号資産(仮想通貨)ステラ(XLM)のプロジェクトは16日、決済大手PayPal(ペイパル)でステーブルコイン「PYUSD」のローンチを主導したホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ氏がステラ開発財団(SDF)に加わったことを発表した。
ポンテ氏はSDFのトップの座に就き、最高事業成長責任者の役職を兼ねる。ステラの価格は本記事執筆時点で、前年比で300%超、前日比で4%超上昇。また、過去2週間で約2倍(93.3%)の上昇幅を見せ、主要アルトコインの中でも優れたパフォーマンスを示している。
ステラのブロックチェーンは、仮想通貨というよりも現金のような体験を生み出す金融システムを構築するために開発されている。速くて安価な処理を可能にし、多くのブロックチェーンよりもエネルギー効率が高くなるような設計を目指している。
ポンテ氏はペイパルでの経験も活かしながら、パートナーシップを強化するなどして、主にステラブロックチェーンの利用拡大に取り組むという。現在は、プロトコル層の拡張性拡大に関心をもっているようだ。
ポンテ氏は、デジタル資産が広く普及するためには取引できるだけでなく、有用でなくてはならないと考えている。そのためには、明確な問題を解決したり、規制に準拠したり、大規模な運用を可能にしたり、問題なく機能するユーザー体験を提供したりすべきだと指摘した。
そして、オープンプロトコルであるステラのネットワークには、開発者や企業がそれらを実行できるチャンスがあると述べている。
価格上昇の材料
ステラのプロジェクトは16日、ジェイソン・カーシュ氏がSDFの最高マーケティング責任者に就任したことも発表。カーシュ氏はグーグルでプロダクト・マーケティング・マネージャー、コインベースでマーケティング・ディレクターを務めるなど、IT業界やWeb3業界での経験が豊富だ。
これらの人事に加え、もう1つステラの価格上昇材料となっているのは、PYUSDによる採用。先月ステラのプロジェクトは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認後にペイパルがステラのブロックチェーン上でPYUSDを利用できるようにする計画だと発表した。
また、ステラの2025年1Q(1月から3月)レポートでは、現実資産(RWA)のトークン化のユースケースが増加していることにも言及している。
RWAとは
「Real World Asset」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
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