米バイデン政権、仮想通貨取引の分析•調査を強化 大規模なランサムウェア被害受け
仮想通貨取引の分析も強化
米バイデン政権は、ランサムウェア攻撃対策の一環として、犯罪に関与した取引を追跡するために、暗号資産(仮想通貨)に対する分析や調査を強化することが分かった。
ランサムウェア攻撃とは、企業などのコンピュータを強制的にロックしたり、中にあるファイルを暗号化したりして、元の状態に戻すことと引き換えに身代金を要求するもの。この身代金に仮想通貨が利用されているケースが多いとされている。
関連:仮想通貨で支払われたランサムウェア攻撃被害が大幅増=Chainalysis
仮想通貨の分析を強化することは、今月に入り発表した。先月末にはブラジルの大手食肉加工企業JBSがランサムウェア攻撃の被害に遭い、米国でも食肉処理場が操業を停止。これはロシアを拠点にする犯罪組織による攻撃と見られており、発表で米政府はJBSをサポートするとしている。
米国では5月に、最大規模の石油パイプラインを運営するコロニアル・パイプライン社がランサムウェア攻撃を受けたばかりだ。同社は約500万ドル(約5.4億円)の身代金の一部をビットコイン(BTC)で支払ったと報じられている。JBSについては現時点で、身代金を支払ったかどうかついては明らかにされていない。
関連:米石油パイプライン攻撃の犯罪集団、ビットコインで100億円相当の身代金受け取る
ランサムウェア攻撃への対策は、バイデン政権の優先事項だとしている。対策がうまくいけば、ランサムウェアなどを利用したサイバー攻撃のリスクを減らせると主張。特に非IT企業はセキュリティー対策が十分ではないとの指摘が上がっており、ホワイトハウスはあらゆる業種に対して対策を強化するよう求めた。
米政府自身もこの問題について、直接ロシア政府と協議していると報告。ロシアに対し「責任ある国は、ランサムウェア攻撃を行う犯罪集団をかくまうべきではない」と伝えたという。また、今月16日には計画通り、米ロ首脳会談を行う予定だとした。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します