はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米財務省、サイバー制裁目的でChainalysisのブロックチェーン分析ツールを採用へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Chainalysisの分析ツールを採用の意向

米財務省の外国資産管理局(OFAC)が暗号資産(仮想通貨)取引を追跡するために、ブロックチェーン分析企業Chainalysisのプラットフォームを採用する意向であると発表した。

OFACは、特定の外国政府や個人、グループなどに対する米国の経済制裁プログラムを管理・実施する機関である。

OFACによると、このブロックチェーン追跡用のオンラインアプリケーションは、Office of Global Targeting(OGT)の調査員が使用する。インターネット上の経済制裁の取り組みの一環として、制裁対象となるリストに掲載を検討する国家や個人を特定するために利用される。

OFACは、5月初めに「アドレスのグループ分け、仮想通貨ウォレットのエクスプローラー、ユーザー行動と市場データの分析」などの機能を搭載した分析ツールを求めていると通知を出していた。Chainalysisのプラットフォームは、これらの要件を満たしたものとなる。

関連米財務省、サイバー制裁など目的にブロックチェーン分析ツールを求める

これに加えて、すでに他の機関でも広く使われている点において、Chainalysisのプラットフォームは利便性が高いと判断した格好だ。OFACは次のように説明した。

主要産業、米国政府、および外国のパートナーもChainalysisのツールを使用している。そこでマネーロンダリング防止やテロ資金調達に関する調査において、これらのパートナー機関とスムーズに協力できるようにするためには、OFACが同じツールを使うことが必要だ。

またChainalysisのプラットフォームへのサブスクリプションには、トレーニングメニューも含まれている。

ユーザーサポートやその他の機能に加えて、「認定トレーニングパッケージ」や「スペシャリスト・トレーニング」などの学習コースが用意されており、最大10名のユーザーにバーチャルで提供されるという。

発注が完了すれば、OFACは今後5年間このサービスを利用可能になる。通知には最初の期間として2021年7月15日から2022年7月14日、さらに延長できる「オプション期間」は2026年7月14日まで用意されていた。

通知は、もしChainalysisと同様の分析ツールを提供できる企業があれば、その内容を説明する書類を送ってほしいとも記載している。

制裁対象のウォレットの受け取り資金増加

ブロックチェーン分析企業Ellipticが最近公開した「仮想通貨における制裁コンプライアンス」というレポートによると、OFACが最初にビットコイン(BTC)アドレスを制裁対象としたのは2018年だ。それ以来ブラックリストに登録されたウォレットは増加し、これまでにビットコインやイーサリアム(ETH)で1億7,500万ドル(約190億円)以上の資金を受け取っているという。

金融犯罪を行う者は、様々な方法で追跡を回避しようとする。レポートは「ミキシング(複数の取引データを混ぜる)や、プライバシーコイン、プライバシーウォレットにより仮想通貨の出所を隠匿すること」や「規制されていない取引所を使用して、顧客身元確認を避ける」、そして「仮想通貨マイニングに関与する」ことを回避方法として指摘した。

レポートによると、仮想通貨企業が、取引の前に相手のウォレットを調査して以前に疑わしい活動をしていないか確かめることなどにより、制裁対象のウォレットに関わることを避けられるという。

コンプライアンス強化中の仮想通貨企業

多くの仮想通貨企業が、過去1年間でコンプライアンスチームを強化している。例えば仮想通貨取引所BitMEXやカストディ企業BitGoは、それぞれ2020年10月と2021年1月にコンプライアンス担当管理職を採用した。

またピアツーピア(P2P)取引所LocalBitcoinは、より優れた顧客身元確認(KYC)ツールを実装することでコンプライアンスを強化。仮想通貨メディアThe Blockに、2020年にユーザーのダークマーケットに関連するアクティビティを70%削減できたと語っている。

最近事例だと、米大手仮想通貨マイニング企業Marathonは、5月初旬に米国の規制に準拠する「Marathon OFAC Pool」の立ち上げを発表している。マネロン防止基準やOFACの基準を遵守し、経済制裁対象に指定された者の取引を処理しないようにするマイニングプールだ。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧