オントロジー、イーサリアムとの相互運用性を強化 「イーサリアムEVM」開発の完了を発表
メインネットローンチから3年の節目
分散型パブリックブロックチェーンのプラットフォームを提供するオントロジーは6月30日、メインネットローンチから3周年を迎えた。
分散型ID(アイデンティティ)ソリューションとデータ共有プロトコルを備え、「信用の再定義」をミッションとして掲げる同社は、どのような進展をみせたのか。本記事では、同社の1年間を振り返る。
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主なマイルストーンとしては、以下の通り。
オントロジー2.0ローンチ(20年6月)
レイヤー2などの重要な新機能が追加・実装されたオントロジー2.0は、企業や開発者にとってより利用しやすいバージョンとなった。オントロジー2.0では、スケーラビリティ、パフォーマンス、互換性、個人情報セキュリティに関連する様々な課題が解決した。
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NEARプロトコルとの提携(20年8月)
NEARとの提携では、DID(分散型ID)の実用性が強化された。NEARプロトコルとは、米サンフランシスコを拠点とするブロックチェーン基盤のdApps(分散型アプリ)開発プラットフォームだ。
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ダイムラーとの提携(20年9月)
ドイツ自動車大手のダイムラー(Daimler Mobility AG)と提携。この提携では、ブロックチェーンを介したオントロジーのデジタルIDとデータライフサイクル管理技術を活用し、よりパーソナライズされたドライブ体験の実現が目的。モビリティソリューション「Welcome Home」が提供される。
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Polkadotとの提携とOScoreローンチ(20年10月)
この提携により、オントロジーのDID(分散型ID)ソリューションおよびOScoreが、Polkadotブロックチェーン上に統合。OScoreとはオントロジーが開発した信用スコアシステムで、ユーザーの仮想通貨取引および資産管理の履歴に基づいた信用スコアを用いて、資産の貸し借りができるものだ。
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ONTOウォレットのローンチ(21年2月)
ONTOウォレットとは、クロスチェーン対応の仮想通貨ウォレット。現在オントロジーブロックチェーンを初めとして、ビットコイン、イーサリアムおよびバイナンススマートチェーンなど、12のブロックチェーンに対応。オントロジー開発の信用スコア「OScore」の管理および運用にも対応している。
今後、さらにサポートするdApp(分散型アプリ)およびDEX(分散型取引所)の数を増やし、異なるチェーンにも対応するという。
マイクロワーカーズがONTOウォレットを統合(21年3月)
雇用主とフリーランサーを繋ぐクラウドソーシングプラットフォームのマイクロワーカーズ(MicroWorkers)に、オントロジーのONTOウォレットが統合。マイクロワーカーズを利用するユーザーは、仮想通貨での報酬・給料の受け取りが可能となった。
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EVM開発の完了(21年6月)
オントロジーは、自社開発のEVM(Ethereum Virtual Machine)にイーサリアムとの互換性を追加。またEVMを含む4つのスマートコントラクトプラットフォームに初めて対応し、より高速なブロック生産速度と低い手数料が実現できるという。
この日を記念し、オントロジー創業者であるLi Jun氏は次のように述べている。
新型コロナウイルスによって促進されたデジタル経済の急速な拡大により、ユーザーのデジタルアイデンティティとデータの保護がますます重要になってきています。このような需要の高まりに対応するため、オントロジーは過去3年間で、プライバシーやデジタルアイデンティティに特化した複数のソリューションを提供し、相互運用可能でオープンなブロックチェーンへと成長・発展してきました。将来に向けて、新たなパートナーシップや技術的進歩、そして大切なコミュニティの成長のため、オントロジーの発展を期待します。
また、オントロジーのコミュニティ部門責任者であるHumpty Calderon氏は次のように述べた。
多様なコミュニティは、オントロジー成長の原動力となるサポートシステムです。この重要な節目にコミュニティを祝福するために、近日中にHarbinger Program v2 を始動し、オントロジーのエコシステムを世界中に拡大していきます。このプログラムは、オントロジーのエコシステムを世界中に拡大するためのものです。私たちはオントロジーの旅の中で、今後の成功に貢献してくれる新メンバーを歓迎します。
6月に、オントロジーは国内の在庫管理ソフト企業ZAICOとの提携を発表している。オントロジーのブロックチェーンが国内企業に取り入れられる事例としては、これが初だ。
またオントロジーは3周年記念を祝う目的で、2日の午前10時にTwitterのSpaceにてライブ放送を実施。その中で、日本の仮想通貨業界におけるエコシステム拡大を強く推し進めていくと述べた。
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