CoinPostで今最も読まれています

オントロジー(ONT)が解説、分散型アイデンティティに特化したブロックチェーンとは【寄稿】 Ontology寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オントロジーおよびそのパートナーは、あらゆる参加者の利益となるグローバルなクロスチェーン・プラットフォームの構築に取り組んでおり、ブロックチェーンの真の可能性の実現に向けて大きく前進しています。

Ontology創業者 Jun Li

本記事の概要

オントロジーは、効率性とセキュリティ、特にアイデンティティとデータの観点から、ほとんどの企業がエンタープライズ向けブロックチェーンの恩恵を受けることが可能であると考えます。時間とコストのかかることが多いブロックチェーンの性質を克服するために、オントロジーは幅広い企業や組織にとって、より使いやすく効率的なオンボーディングを推進するための専門的な分散型データ交換フレームワークを提供します。

このフレームワークにより、企業の顧客は、安全性、透明性、コスト効率に優れた方法でデータを転送・交換することができます。またオントロジーには独自のデュアルカレンシーシステムがあり、そこではオントロジー・コイン(ONT)がステーキング手数料として使用され、時間、ステーキングコスト、ノードの運用コストがインプットとしてみなされます。

またオントロジー・ガス(ONG)は、オンチェーン・アプリケーションの価値を支える通行料として使用され、チェーン上の取引において使用されます。この記事では、オントロジーの歴史、パートナーシップ、トークンエコノミクスの構造を紹介します。

オントロジーの仕組み解説

オントロジー・ブロックチェーンの仕組み

オントロジーは、分散化アイデンティティとデータに特化した高性能なオープンソースのブロックチェーンです。オントロジー独自のインフラストラクチャーは、強固なクロスチェーン・コラボレーションとレイヤー2スケーラビリティをサポートしており、企業のニーズに合わせたエンタープライズ・ブロックチェーンを柔軟に設計することが可能です。

スピード、セキュリティ、信頼性を向上させる分散型アイデンティティとデータ共有プロトコルのスイートを備えたオントロジーの機能には、エコシステム全体で使用されるモバイルデジタルIDアプリケーションおよびDIDであるONT IDと、分散型データ交換およびコラボレーションフレームワークであるDDXF(分散型データ取引所)が含まれます。

オントロジーのカスタマイズ可能なブロックチェーンという特徴は、多くの人の関心を寄せることに成功し、2020年10月現在、オントロジーのメインネット上では82のdAppsが稼働しています。オントロジーを搭載したdAppの中でもトップの実績を上げているのは、クロスチェーンの相互運用性に焦点を当てた分散型金融(DeFi)プロジェクト「Wing」や「Unifi Protocol」などです。

さらにオントロジーは、自動車メーカーのダイムラーとの契約をはじめ、数々の注目を集めるパートナーシップを獲得しており、ブロックチェーン技術を用いた自動車のモビリティとファイナンスを先端化する方法を模索しています。「Welcome Home」は、ダイムラー社のモビリティー部門の優れた経験と、オントロジーの技術的優位性、特に分散型アイデンティティとデータ保護に関する技術を組み合わせた、真に先駆的な製品です。

オントロジーのバックエンドシステムは、次世代「オントランド・コンセンサス・エンジン(OCE)」上で動作しており、そのOCEはプルーフ・オブ・ステーク(PoS; Proof of Stake)、検証可能なランダム関数(VRF)、ビザンチン・フォールト・トレラント性(BFT; Byzantine Fault Tolerance)を組み合わせた「検証可能ビザンチン・フォールト・トレラント性(VBFT; Verifiable Byzantine Fault Tolerance)」と呼ばれるカスタマイズされたコンセンサスメカニズムに依拠しています。つまりVBFTは、基盤となるPoSモデルに優れたスケーラビリティを追加し、VRFのノード選択プロセスでセキュリティと検証可能なランダム性を提供し、BFTはより短いファイナリティレートを実現します。

オントロジーの潜在的な使用例は、顧客の観点からは事実上無制限ですが、当プラットフォームの主なユーザーメリットは、次の2つの機能に集約されます。

  • ONT ID:改ざん防止の分散型IDフレームワーク
  • 分散型データ交換フレームワーク(DDXF):分散型データ交換や管理のためのフレームワーク

オントロジーのデュアルコインシステム

オントロジーメインネットのローンチ以降、このプロジェクトはネットワークのセキュリティと円滑な運営のために2つのトークンを利用しています。

オントロジーコイン(ONT)

オントロジーの主要コインであるONTは、NEOプラットフォーム上でNEP-5トークン(NEOプラットフォーム上で発行されるトークンが準拠しているインターフェースの規格のこと)として誕生しました。しかし2018年6月にオントロジーのメインネットが稼働開始すると、NEP-5のONTトークンはネイティブなメインネットであるONTコインにとって代わりました。

オントロジーチームはIPOを行わず、NEO保有者やメールリストに登録したユーザーにONTコインを無料でエアドロップしています(5NEOの保有につき1ONTを配布)。また、戦略的な投資家のみを対象としたプライベートトークンセールも開催しました。

ONTの総コイン供給量は10億ONTで、そのうち約80%が現在流通しています。

ONTは、オントロジー・ブロックチェーンのエコシステムの中で、トークン保有者にガバナンス投票権およびトークンをステークする権利を付与します。これらは、取引を検証することでネットワークのセキュリティを向上させる役割があります。

ユーザーがONTコインをノードにステークすると、基本的に1回の投票サイクルの間、スマートコントラクトにONTをロックすることとなり、ブロックチェーンのブロック処理のコンセンサスに参加するノードを決める投票権が確保されます。各ブロックの処理には1~30秒かかるため、1回のステークラウンドは16時間~20日程度となります。

ONTコインをステークしたユーザーは、ステーク報酬が得られるため、オントロジー・ネットワーク決定の舵取りに一役買うだけでなく、プロジェクト関与からの利益を得ることもできます。ただし、ONTをステークした場合、ステーク報酬はオントロジー・ガスで受け取ることになります。

オントロジー・ガス(ONG)

ONGはオントロジー・ブロックが確認されるたびに生成され、基本的にオントロジーのメインネットを動かすガスとなります。それにより、ユーザーはブロックチェーンの運用維持に協力することによる取引手数料を得ます。

ONGは、スマートコントラクトの実行など、オントロジー・ブロックチェーンの操作を行う際にも使用されます。

オントロジーによるマルチプラットフォーム相互運用性の強化

オントロジーのクロスプラットフォームの相互運用性は、2020年8月にNEOおよびSwitcheoが提携し、異種間相互運用性プロトコルアライアンス「PolyNetwork」が立ち上がったプロジェクトで大幅に拡大しました。PolyNetworkの主な目的は、様々なデジタル通貨と他のトークン化された資産との交換といったクロスチェーン取引を、関連プロジェクトが効果的に行う能力を最大化することです。

この機能により、別々の企業が細かいレベルで互いに交流し、協力することができます。PolyNetworkには、具体的に以下のような機能があります。

  • DeFi開発者に向け、クロスチェーン対応のdApps作成のための新しいインフラを提供
  • イーサリアム、Neo、オントロジー、Cosmosなどのヘ異種チェーンおよび同種チェーンの両方をサポートし、各プラットフォームの同種チェーンのフォークをサポートし、将来的にはビットコイン・ネットワークもサポート予定
  • クロスチェーン取引への容易でエネルギー効率の高いアクセスを可能とし、部分的に重複する複数のスマートコントラクトの必要性の低減
  • データやトークン化された資産のオープンで安全な転送を可能とすることで、クロスチェーン取引のスケーラビリティを向上

多くの従来的なプラットフォームが孤立したデータサイロ(各プラットフォーム上のデータが連携されていない状態のこと)として存在していることは、ビジネス運営の観点からだけでなく、エンドユーザー体験の観点からも有害であることが証明されています。オントロジーおよびそのパートナーは、経済的なバリューチェーンのすべての参加者に利益をもたらすグローバルなクロスチェーン・プラットフォームの構築に取り組むことで、ブロックチェーンの真の潜在能力の実現に向けて大きく前進しています。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/29 水曜日
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。
06:50
CZ氏、バイナンスUSの取締役会会長を退任
仮想通貨取引所バイナンスの米国部門バイナンスUSは、CZ氏が同社の取締役会の会長を退任すると発表。退任はCZ氏が決断したという。
06:10
米SEC、2つのビットコインETF上場申請でパブコメを募集
米SECは新たに、Franklin TempletonとHashdexの仮想通貨現物ビットコインのETF上場申請について、パブリックコメントを募集すると発表した。承認が近いとの意見も。
05:45
バイナンス、イーサリアムフォーク銘柄のパーペチュアル取引を提供
海外版仮想通貨取引所バイナンスは28日、新たに銘柄のパーペチュアル(無期限先物)取引を開始した。
11/28 火曜日
18:47
JPYCが三菱UFJ信託とProgmat、ステーブルコイン拡張と国内外SC交換業へ連携検討
三菱UFJ信託銀行、Progmat社、JPYC社がProgmat Coin基盤を活用した新しいステーブルコイン「JPYC(信託型)」の発行に関する共同検討を開始。JPYC社は、国内外のステーブルコイン交換業者としての新たな事業展開を目指す。新たな「JPYC(信託型)」は横展開可能なモデルであり、電子決済手段として機能する予定。
16:00
「法定通貨が不可能なことをBTCで実現」Fountain創設者が語る
第9回のGM Radio:Beyond The Priceは10日に公開。ゲストはWeb3ポッドキャストアプリFountain開発企業の共同創設者Nick Malster氏である。
14:45
イーサリアム共同創設者ブテリン「ステーキングメカニズムには大規模な刷新が必要」
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、トルコで開催されたDevconnectで、ステーキングを再設計し、パフォーマンスに影響を与える問題を解決する計画だと述べた。
13:28
オーディナル導入ゲームFarcana、アニモカから投資を獲得
UAEに拠点を置くゲームスタートアップ、FarcanaがAnimoca Brandsからの投資を受け、ビットコイン賞金プール付き戦略シューティングゲームの開発を加速。Web3ゲームの先駆者として、ビットコインオーディナルを導入予定。
12:05
ビットコイン37000ドル台維持、弱含みのアルトコイン相場は大規模アンロック警戒も
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが高値圏を維持する一方、弱含みのアルトコイン相場は6億ドルを超える規模のトークンアンロックへの警戒感も燻る。
11:25
コインベースCEO、英首相が開催するグローバルサミットに参加
米大手仮想通貨取引所コインベースは、アームストロングCEOが英国のスナク首相が開催するグローバルサミットに参加すると発表した。
11:25
Find Satoshi Lab、次回作「Gas Hero」のクローズドベータテスト開始
フィットネスBCGのSTEPN開発Find Satoshi Lab(FSL)の新作ゲーム「Gas Hero(ガスヒーロー)」がクローズドベータテストを開始した。NFTのGas Heroバッジ保持者など条件を満たしたユーザーのみ参加できる。正式ローンチは23年12月にPolygon(ポリゴン)基盤で予定される。
10:20
香港で仮想通貨詐欺相次ぐ 規制当局はライセンス猶予期間据え置き
香港証券先物委員会の最高経営責任者は、相次ぐ詐欺事件に関わらず、仮想通貨仲介企業に対するライセンス猶予期間は短縮しないと述べた。
09:54
金持ち父さん著者「手遅れになる前に金・銀・ビットコイン投資を」
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、手遅れになる前に金、銀、暗号資産(仮想通貨)ビットコインに投資するよう呼びかけた。同氏は以前からこの3資産への投資を推奨している。
08:30
米ブラックフライデーのオンライン支出額が過去最高、今週は個人消費データに注目 
今週市場参加者が注目するのは、木曜日よる発表予定の10月個人消費支出(PCEデフレーター)で、米国での年末商戦業績にも影響するデータとなる。先週ブラックフライデーにおける米消費者のオンライン支出額は過去最高の98億ドルを記録し、前年比7.5%増となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア