はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨オントロジーのユースケース拡大に向けて|オントロジー2.0解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オントロジー2.0 概要

2017年以来、着実に事業を拡大し続けてきたオントロジーはさらに進化を遂げるため、オントロジー2.0公開に向けて動いていることを発表した。Layer2が実装されたオントロジー2.0は、企業や開発者にとってより利用しやすいバージョンとなっているという。

オントロジー2.0にはWasm-JIT、Multi-VM、Layer2、そしてONT ID2.0などの重要な新しい機能が追加されている。これらの機能によってオントロジーはスケーラビリティ、パフォーマンス、互換性、個人情報セキュリティに関連する様々な課題の解決を可能にする。他にも将来的に実装される機能はいくつもある。

たとえば、開発者が様々なアプリケーションに対応したブロックチェーンソリューションを開発できるアドオンストア、そしてONT ID2.0を利用してユーザーデータを安全に保管する非中央集権型のデータマーケットプレイスなどが実装される予定だ。

この大型アップデートにより、オントロジーは企業に対しては包括的なブロックチェーンソリューションの提供、そして開発者に対してはスピーディーで使いやすい開発者用ツールの提供ができるという。

オントロジー2.0を構成する4要素

オントロジー2.0は4つの主要な要素で構成される。先述したWasm-JIT、Multi-VM、Layer2、そしてONT ID2.0である。以下でそれぞれについて簡単に解説していく。

Wasm-JIT

オントロジー2.0ではWasmオペレーションのバイナリーコードをあらかじめプロセッサに適した機械言語に直してからマシンコードを実行することができるWasm演算機能が実装されている。一つ一つのコードの構文解析と実行を省略できるため、従来よりも格段に早い処理スピードを実現している。

Multi-VM(マルチ仮想マシン)

オントロジーのマルチ仮想マシンは、多様な開発言語に対応している。そのため、開発者はオントロジーのプラットフォーム上でプロダクトを作成するためだけに新しい開発言語を学習する必要性はない。企業にとっての利点は、多様な言語に対応が可能なマルチ仮想マシンを利用できるため、様々なシステム間連携が可能になることもそのひとつだ。

Layer2

オントロジーレイヤー2(Layer2)は、オフチェインのスケーラビリティを改善し、より高性能・低い手数料を両立する。レイヤー2の導入により、ストレージに必要な費用は減り、多言語サポート、実行バージョンの完全互換性が備わる。オントロジーのメインチェーンとレイヤー2が同時に存在することになり、この2つの間でのやりとりがレイヤー2を特徴付ける。レイヤー2への入金、メインチェーンからの出金などは、オントロジーの「信用の再定義」という目標に沿った、信用を担保するアップデートであるといえよう。

ONT ID2.0

ONT IDは、オントロジーが開発した分散型アイデンティティフレームワークである。ONT IDはユーザーの個人情報、資産や情報を素早く認識して繋げるだけでなく非中央集権型であること、自己制御ができること、安全でアクセスがしやすいなどの特徴を備えている。ユーザーが自身の個人情報などを、他人に所有権を譲渡することなく管理することはONT IDでも可能だったが、バージョンアップしたことで変わったことがいくつかある。そのうち特に重要な4つ紹介する。

  1. ONT ID2.0はW3C標準ドラフト分散型ID(DID)v1.0に準拠した。そのため、同じ標準に準拠している場合、ブロックチェーンやシステムが異なる他のDIDとも通信が可能となった。
  2. ONT ID対応のDIDドキュメントに「認証」属性が追加された。現時点では署名でのみ認証可能なONT IDだが、そこに管理者属性を設定することで認証管理に幅が生まれる。つまり、管理者を別のONT IDだと指定することができるので管理者を自由に設定することが可能になり、異なるシナリオや複雑なユースケースにも対応可能になる。
  3. カスタムリカバリーシステムが実装される。これにより、ONT IDに設定された「リカバリー権を付与された」個人を介することで、認証キーを紛失・盗難されても認証キーをリセットすることができる。
  4. 、ONT IDの属性のカスタマイズが可能に。ONT ID2.0では属性をオンチェーンで上限数まで付与することができる。それぞれの属性には<key, type, value>の三項目が与えられておりユーザーがそれぞれの値を設定できる。このカスタマイズにより、ONT IDを活用できる幅をより広げることができる。

ONT IDとデータ取引プラットフォームの親和性

ONT ID2.0のアップデート以外にも、ONT IDには注目すべき点がある。5月にオントロジーはSAGAという分散型データ取引所を発表しているが、そのプロダクトにONT IDが深く関わっているのだ。

「SAGA」は、管理者を仲介せずにデータの取引を行うことができる分散型プラットフォームだ。データの所有権は本人が保持するが、企業などはスマートコントラクトを介して、それらのデータを取引することが可能なプラットフォームだ。

ユーザーのデータを一括で管理していた従来のシステムと異なり、ユーザーが自身のデータを管理することができるためセキュリティ性が高いと言える。ONT IDがあれば、SAGAを利用することもできる。ONT IDが可能にする信用性の高い情報とSAGAの相性は良いといえる。

様々な企業やサービスと提携を組み、業務拡大を続けるオントロジー。同社が提供するサービスが企業や開発者一般にどの程度インパクトを与えるか注目だ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。
07:40
ビットコイン、サトシ・ナカモト執筆のホワイトペーパー公開から17周年に
仮想通貨ビットコインは10月31日、ホワイトペーパー公開から17周年を迎えた。SNSでは祝福の声が投稿されており、コインベースのCEOは、1つのPDFが世界を変えたとコメントしている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧