DeFi保険「カバープロトコル」閉鎖へ 昨年12月にハッキング被害
カバープロトコルが閉鎖へ
分散型金融(DeFi)でP2P保険マーケットを構築するカバープロトコル(Cover Protocol)は5日、プロジェクトを閉鎖すると発表した。中心となる開発者が離脱したことを理由としている。
カバープロトコルのトークンは、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが提供する「イノベーション・ゾーン」にも上場していた。「イノベーション・ゾーン」は、分散型取引所(DEX)でしか通常取引されていない新しい仮想通貨を、バイナンスのアカウントから取引できるようにするものだ。
DEX(分散型取引所)とは
中央管理者がいない取引所を指す。ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。
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カバープロトコル開発者の一人、「DeFi Ted」は閉鎖について「この決断は容易なものではなかった。中心となる開発者が突然プロジェクトを去った後、残されたメンバーが今後の方向性を検討した上で最終的に決めたことだ」と述べている。
現在残されたプロジェクト資金については、創設者を除くトークン保有者に均等に分配する計画だという。ブロック番号13162680を、分配の際のスナップショットとして使用する見込みだ。また、プロジェクトからの早急な資金引き出しをユーザーに呼びかけた。
昨年12月にハッキング被害
カバープロトコルは、2020年12月28日にサイバー攻撃を受けていた。ハッカーはCOVERトークンを鋳造し、それらをイーサリアム(ETH)、ダイ (DAI)などに交換し、約400万ドル(約4.4億円)の仮想通貨を不正取得。
攻撃を実行した犯人の一人で「GrapFinance」と名乗るハッカーは、その後カバープロトコルに約300万ドル(約3.3億円)を返還した。しかし、ハッキングに見舞われた点は、このプロジェクトの進展に影響を及ぼした模様だ。
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DeFi領域での流出事例なども増加
DeFiセクターでは、全体的に、盗難、ハッキング、詐欺などの犯罪が増加しているところだ。サイファートレース社(CipherTrace)の最新報告によると、仮想通貨犯罪の被害総額は減少しているものの、DeFiセクターに限ると2021年は、昨年の約3倍に達した。
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7月には、ChainSwapが攻撃され、約440万ドル(約4.8億円)の被害を出した。5月には、BurgerSwapとJulSwapが約720万ドル(約7.9億円)のハッキング損失を被っている。
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