香港規制当局、仮想通貨への監督を強化か=報道

仮想通貨への監督を強化か

香港証券先物委員会(SFC)は、暗号資産(仮想通貨)業界を発展させていく一方で、規制を強化する意向を示した。現地メディア「etnet」が報じた。

無許可の取引や詐欺への対策を強化し、投資家への教育も行うとしている。香港では仮想通貨は有価証券でも決済手段でもないため、SFCの管轄ではないが、その結果として監督が不十分な状態が続き、大きな損失を被る投資家が増加しているという。

SFCとは

日本の金融庁や米国の証券取引委員会(SEC)に相当する香港の規制機関。証券業務のライセンスを付与したり、適切な投資活動が行われているかを監督したりしている。

▶️仮想通貨用語集

香港では仮想通貨取引が禁止されているわけではないが、最近は規制を強化する動きが確認されている。今年5月には、香港の立法会(議会)が、個人投資家の仮想通貨取引を禁止する法案を検討する予定であることが報じられた。約1億円(800万香港ドル)以上のポートフォリオ資産を持つ適格投資家のみが、仮想通貨取引所を利用できるようにする方針であることが明らかになっている。

関連香港財務局、仮想通貨取引を適格投資家に限定へ=報道

今回SFCの幹部Liang Fengyi氏は、「仮想通貨は有価証券でも決済手段でもなくSFCの管轄ではないが、投資家を保護する観点からも監督範囲を広げる必要がある」と述べた。

現在の規制

香港には現在、仮想通貨取引所に特化したライセンス制度がない。そのため、金融サービス・財務局(FSTB)はライセンス制度を導入し、適格投資家に取引所の利用を限定する意向を示している。適格投資家に限定するのは、ライセンス制度を確立する初期段階において適切なステップだとした。

一方で、香港の仮想通貨業界は、FSTBの提案する制度に反対の意を示している。個人投資家を取引サービスから排除すると、多くの取引所は顧客を失う可能性が高く、規制されていない取引所の利用を助長してしまうと訴えた。

利用を適格投資家に限定すると、人口の93%が規制下の仮想通貨取引所を利用できなくなるとの試算も報じられている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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