DeFiプロジェクト「pNetwork」、13億円相当の仮想通貨が盗難被害に
13億円相当の仮想通貨が盗難被害
異なるブロックチェーンの相互運用を実現するDeFi(分散型金融)プロジェクト「pNetwork」は20日、13億円相当の暗号資産(仮想通貨)が盗難されたと発表した。
原因はコードのバグであると説明。攻撃者はバグを利用して、バイナンススマートチェーン(BSC)でビットコイン(BTC)をトークン化した「pBTC」を狙い、277BTC分(13億円相当)を盗難した。他の資産は安全に保管されているとしており、現在はすでにバグは修正されているという。
pNetworkは、エコシステムが1つのブロックチェーンに限定されてしまう問題を解決しようと取り組んでいるプロジェクト。各仮想通貨と1:1の割合でペッグさせた「pToken」を別のネットワークで発行することによって、異なるブロックチェーンを相互運用させようと取り組んでいる。公式ウェブサイトによると、現時点で対応しているネットワークは以下の7種類だ。
- イーサリアム(ETH)
- Polygon(MATIC)
- BSC
- イオス(EOS)
- Telos
- xDAI
- Ultra
今回はまず、日本時間の20日5時39分に盗難の被害を発表。その時点で、BSCとのブリッジだけが攻撃を受けたとしており、他のネットワークの資産は無事であると説明している。
ブリッジとは
異なるネットワーク間でトークンの移動等を実現することで、相互運用を可能にする仕組みや技術を指す。例えばpNetworkは、ユーザーがビットコインをロックした代わりに、ビットコインと1:1の価値を持つpBTCというトークンを発行。pBTCを他のブロックチェーンで利用できるようにすることで、相互運用を実現している。
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その後、20日20時33分にバグを修正したと発表。そして、他のネットワークへのブリッジも同様の攻撃を受けていないかなどを調査するとした。現在は確認できたネットワークから徐々に稼働を正常化させているが、トランザクションの処理に時間がかかる可能性があるとしている。
今回被害にあったユーザーに対する対応は改めて発表するとしており、BSC上のpBTCは次の発表があるまで償還はできないとした。
また、pNetworkは攻撃者に対し「資産を返還したら、脆弱性を発見した報酬に150万ドル(約1.6億円)を与える」と発表。「今後もDeFiを発展させていきたい」とし、まずは資産を返還してもらうことが第一歩になると呼びかけている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します