はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン10万ドル台で調整、トランプ関税とウクライナ情勢が重石 週末の米雇用統計に注目

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

地政学的リスクと貿易摩擦が市場を圧迫

暗号資産(仮想通貨)市場は複合的な下落要因により、ここのところ不安定な動きを見せている。

ビットコイン投資顧問会社リスク・ディメンションズの主任投資ストラテジスト、マーク・コナーズ氏は「ウクライナ戦争での最近の敵対行為の激化や鉄鋼・アルミニウムをめぐるトランプ関税など、世界的なマクロ環境は状況を悪化させている」と分析した。

特に注目されるのが、トランプ大統領による関税政策の大幅な変更だ。大統領は6月3日、鉄鋼製品とアルミニウムに課している追加関税を現行の25%から50%へと倍増する文書に署名し、日本時間4日午後1時過ぎに発動した。この措置は国内鉄鋼産業保護を目的としているが、国際的な反発と貿易摩擦の激化が懸念され、グローバル市場全体にリスク回避の圧力をかけている。

連邦準備制度の今後の金融政策方針を占う重要な指標となることから、今週金曜日に発表される米国雇用統計も注目される。

雇用統計の悪化で利下げが示唆されればポジティブな一方、賃金上昇が予想を上回ればインフレ懸念が再燃し、FRBの金融緩和が遅れることで仮想通貨価格に下落圧力がかかる可能性もある。

現在の暗号資産市場は、地政学的緊張の高まりと金融政策の不確実性という二重の圧力下にあり、金曜日の雇用統計がこれらの懸念を和らげるか、さらに増幅させるかが今後の展開を左右する分水嶺となっていると言えそうだ。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-0.54%の1BTC=105,100ドルに。

BTC/USD日足

直近のビットコイン市場では、10年以上の長期保有者であるクジラ(大口投資家)が利益確定売りを進める一方で、機関投資家は積極的な押し目買いを展開。この対照的な動きが、ビットコイン市場の新たな局面を示している。

アナリストのウィリー・ウー氏の分析によると、ビットコインを数百ドル時代から保有してきた古参のクジラが2017年以降、段階的に保有量を減らしている。これらの投資家は8〜16年間という超長期でビットコインを保有し、現在価格が10万ドル台に達したタイミングで利益確定を進めている。

長期保有者の売却とは対照的に、ビットコインETF(上場投資信託)には堅調な資金流入が続いている。過去1カ月間、週単位での着実な流入が継続し、直近では1億1,052万ドルの純流入を記録した。

注目すべきは取引所からの大量流出だ。1日で11,400BTC以上が取引所から引き出され、これは新たな買い手が長期保有を目的として購入していることを示唆している。

ただし、ビットコイン価格は10万6,000ドル付近で調整局面に入り、アルトコインは低迷。強気相場に疲労の兆候が見え始めているとの指摘もある。

未決済建玉は333億ドルから330.8億ドルへと減少し、トレーダーがポジションを縮小していることを示している反面、機関投資家の積極参入は市場の成熟化を示していると言えそうだ。

関連:ビットコインと仮想通貨関連株はどちらを買うべき?メリット・デメリットを解説

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧