
リップル社のRLUSD、ドバイで承認
リップル社は3日、同社が発行するステーブルコイン「RLUSD」が、ドバイ金融サービス機構(DFSA)から「認定暗号トークン」として承認されたことを発表した。ドバイ国際金融センター(DIFC)内での利用が可能となり、同社の決済ソリューションにRLUSDを組み込むことができるようになった。
RLUSDは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の信託会社認可を受けて発行されるステーブルコインだ。1:1の米ドル裏付けに加え、厳格な準備金管理、資産分離、第三者監査、明確な償還権といった高度なセキュリティ設計が施されており、企業や規制当局からの信頼に応えられる設計となっている。
リップル社は2020年にDIFCに中東本部を設立して以降、同地域での存在感を高めてきた。今回のRLUSD承認により、規制遵守、透明性、実用性を兼ね備えた企業向けステーブルコインとしての地位を一層強固にした格好だ。
同社は、RLUSDを従来の非効率な国際送金手段を解消する企業向けソリューションとして普及させる考えだ。安定したデジタルドルの価値を基盤に、スケーラブルなブロックチェーン技術とリップル社の広範な決済ネットワークを融合させ、より効率的な決済環境を構築する方針を示している。
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中東におけるステーブルコインの需要増
ドバイ国際金融センター(DIFC)は、中東、アフリカ、南アジア(MEASA)地域における金融ハブで、2024年末時点で約7,000社が活動している。
リップル社によると、中東では仮想通貨企業や金融機関の間で、より効率的な国際送金ソリューションへの需要が高まっているという。2024年の市場データでは、同地域におけるステーブルコイン取引が前年比55%増加しており、UAEの先進的なデジタル資産規制の枠組みのもとで、ステーブルコインの実用化が進展している。
リップル社の中東・アフリカ(MEA)地域マネージングディレクター、リース・メリック氏は「UAEはデジタル資産規制とイノベーションにおいて世界的なベンチマークを築いている」と述べ、「DFSAによるRLUSDの承認はリップル社の地域展開を後押しする重要な一歩だ。企業からのクロスボーダー決済やデジタル資産カストディに対する関心が急速に高まっており、今後も地域のパートナーや規制当局と連携して市場の成長を支援していく」と語る。
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