FRBのパウエル議長「デジタルドルの発行は未定」

未だ見通しは立っていない

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は22日の記者会見で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を急ぐ必要はないと意見を述べた。CNBCなどが報じた。

議長によると、FRBはデジタルドルの導入必要性は認めるものの、まだ具体的な発行の目処は立てていない。「FRBはCBDCをどのような形で発行するかについて、積極的に取り組んでいる」という。

また、FRBがデジタルドル導入のメリットについての論文(ディスカッションペーパー)を発表する予定があるとも述べた。論文の発表について、5月にはFRBは「今夏」に公開する予定としたが、公表が遅れる可能性がある。

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パブリックポリシーとテクノロジーの両面から、十分な情報に基づいてCBDCを形作るのが、私達の義務だと考えている。CBDCについて、いろいろな角度から研究する必要がある。そして、他のデジタル・イノベーションについては、コストやリスクを上回る明確なメリットがあるかが問題になる。

ーパウエル議長

すでにいくつかの中央銀行が独自のCBDCを導入/導入予定の発表をしているが、パウエル議長は、FRBはその流れに急いで加わる意向はないと改めて宣言した。

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パウエル議長はスピードよりも、正しくCBDCを使い始めることが重要であり、米国はCBDCのイノベーションに遅れをとっているわけではないと語った。

一方、FRBのクリストファー・ウォラー理事は8月に、デジタルドルの必要性を問題視する見解を披露した。

関連米FRB理事、デジタルドル発行の必要性に異論唱える

CBDCとは

「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された法定通貨を指す。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題も多い。

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