WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米FRB理事、デジタルドル発行の必要性に異論唱える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタルドルの必要性に異議

米連邦準備制度理事会(FRB)のChristopher Waller(クリストファー・ウォラー)理事は、デジタルドル発行の必要性については懐疑的だとして議論を展開した。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルドルが必要だとする理由は様々に挙げられているが、ウォラー理事はこれらに一つ一つ反論している。米シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」のインタビューにおける発言だった。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

ウォラー理事の主な論点

ウォラー理事の主な議論は以下の通りだ。

・決済システムの効率性向上について

CBDCにより、より効率的で広く使える決済システムが導入できるという議論があるが、現状すでに、ある民間銀行のユーザーは、国内外の他の銀行のユーザーに送金可能である。

また、決済スピード向上についても、近年商業銀行のグループやFRBが即時決済システムを開発しており、こうしたシステムは、特にCBDCを必要とはしていない。(FRB独自の即時決済サービス「Fed Now」は企業や個人が金融機関を利用して24時間決済できるもので、取引時間も数秒に短縮される見込み。数年後の立ち上げを目指している。)

・金融包摂について

銀行口座を持たない人々が、CBDCにより金融サービスにアクセスできるようになると主張する人もいる。しかし2019年に連邦預金保険公社(FDIC)が行った調査を参照すると、銀行口座を保有しておらず、かつCBDCの口座を持つ可能性が高い層は、米国世帯の1%にすぎなかった。

・イノベーションについて

CBDCが決済システムにイノベーションをもたらすという議論がある。しかし、すでに決済分野における民間のイノベーションは、規制当局の処理能力を上回るスピードで急速に進んでいるようにみえる。

その一つである、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨は非合法活動に使われるなどの問題もある。だが、CBDCを導入しても仮想通貨の使用を阻止することはできないだろう。

・経済活動の監視について

設計の仕方にによっては、CBDCはそのユーザーの金融取引や取引パターンに関する膨大な情報へアクセスすることを可能にする。例えば、中国におけるデジタル人民元の導入は、中国政府が国民の経済活動をより綿密に監視することを可能にするだろう。しかし、FRBが同じことを行うべきとは思わない。

・米ドルの基軸通貨としての地位について

中国のCBDCにより、米ドルの地位が損なわれるのではないかと懸念する論者もいる。だが、すべての金融取引が中国政府に監視される可能性を考えると、世界の企業がデジタル人民元を採用するかは疑問だ。また、契約や取引を中国の通貨で行う必要性も見当たらない。

・ステーブルコインについて

民間のステーブルコインが、FRBの金融政策の効果を弱めると指摘する意見がある。しかし、米ドルに固定されたコインは、むしろ米ドルをコントロールする金融政策を反映し、政策の効果を増幅させる。つまり、どちらかというと、ドルに紐付けられたステーブルコインは、米国の金融政策が影響をおよぼす範囲を広げるものといえる。

ウォラー理事は以上のように、CBDCの必要性について反論。結論として、CBDCが「米国の決済システムが抱える問題を解決するという議論には懐疑的」だとした。

FRBのジェローム・パウエル議長は、デジタルドルについて、その課題などをまとめたディスカッションペーパー(協議書)をまもなく発行するとしている。この背景について議長は「CBDCを設計する際には様々な面で課題が浮上するため、慎重な検討や分析が必要」だと述べていた。

関連:米FRB、デジタル・ドルを検討するディスカッションペーパーを公開予定

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/29 火曜日
17:17
Bitcoin Japan、初のビットコイン購入完了 約12BTC
Bitcoin Japan(旧堀田丸正)は29日、100%子会社BTC JPN Ltd.によるビットコインの初回購入が完了したと発表した。取得額は約100万ドル。投資資金総額6.62億円の上限内で、引き続き購入を進める方針だ。
15:09
韓国金融委、マーケットメイク制度を検討 取引所規律でJPYCの急騰に言及
韓国金融委員会の幹部は28日、仮想通貨市場へのマーケットメイク制度導入を検討する考えを示した。現行法では禁止されており、第2段階の立法で扱う見通しだ。アップビットでのJPYC上場時の価格急変動を例に、取引所への公的規律の導入にも言及した。
14:20
アップル、悪用疑いのiOS脆弱性を修正 専門家はウォレット窃取を示唆
アップルがiOS 26.7.1を公開し、特定個人を狙う高度な攻撃に悪用された可能性があるCoreGraphicsの脆弱性を修正した。SlowMistのCISOは仮想通貨ウォレット窃取に使われたゼロデイの可能性を指摘したが、アップルは詳細を明らかにしておらず、関連は確認されていない。
14:00
米上院小委員会、イランの影の銀行におけるUSDTの使用を分析
米上院の常設調査小委員会は、仮想通貨とイランのシャドーバンキングネットワークに関するレポートを公開。USDTがシャドーバンキングネットワークで多く使われていたり、テザー社の対応に問題があったりしたことを指摘している。
13:25
金融庁、貿易決済へのステーブルコイン活用実証を支援決定
金融庁は29日、トレードワルツやNTTデータ、みずほ銀行など6社による貿易決済でのステーブルコイン活用実証を、「決済高度化プロジェクト」の支援案件に採択したと発表した。
13:10
「Z世代は若年から投資始める傾向」仮想通貨人気の背景は格差拡大か=グレースケール
グレースケールは、Z世代の平均投資開始年齢が19歳と早く、長い投資期間が仮想通貨への配分余地を広げうると論じた。Z世代は予測市場への関心も高いと報告されている。
11:55
シティ、トークン化預金サービスを日本とUAEに拡大 米ドル24時間決済
米シティグループは29日、トークン化預金を用いた法人向け決済サービス「シティ・トークン・サービス」を日本とUAEへ拡大したと発表した。許可型ブロックチェーン上で24時間365日の資金移動を可能にし、展開先は計7市場となる。
11:45
チェーンリンクの新標準『CCIP2.0』始動、トークン化資産の移転を高速化
チェーンリンクは28日、相互運用プロトコルの大型アップグレード版「CCIP2.0」の稼働開始を発表した。検証機能の追加やコンプライアンス対応の強化により、機関投資家のトークン化資産移転を後押しする狙いだ。
11:00
コインベース、トークン化TCG市場に参入
コインベースは29日、実物のトレーディングカードをトークン化して扱う新サービスを近く提供すると発表した。保管か現物発送を選べる仕組みで、拡大するトークン化TCG市場への参入として投資家の関心を集めている。
10:15
アポロ、AIエージェントで銀行取り付け騒ぎに警鐘
米資産運用大手アポロのチーフエコノミストは、AIエージェントによる家計預金の自動移動が銀行の低コスト預金を減らし、金融システムに影響し得ると警鐘を鳴らした。投資家には預金流出リスクへの目配りが求められる。
09:42
ハッキング受けたビットゲット、出金を段階的に再開|セキュリティを強化
仮想通貨取引所ビットゲットが不正流出被害後、出金を段階的に再開している。攻撃経路の特定やセキュリティ強化策についても報告した。
08:25
Japan Smart Chainが改称、ステーブルコイン決済インフラ事業へ転換
AltX Research株式会社は「Japan Smart Chain」をMIZUHIKIに改称し、ステーブルコイン決済インフラ事業へ転換すると発表した。メインネットも公開し、複数自治体で給付金基盤のPOCが決定した。
08:10
シティとコインベース、決済事業で協業拡大
金融大手シティと仮想通貨取引所コインベースは、決済事業の協業拡大を発表。ステーブルコインと法定通貨の両替を自動化する機能を提供することなどを説明した。
08:05
Bybit、フランクリン発行のトークン化ファンドを機関担保資産に採用
バイビットとフランクリン・テンプルトンが戦略的提携を発表した。機関投資家はフランクリン発行のトークン化ファンド株式をBybitの取引担保資産として活用できるようになる。
06:55
デファイ・デベロップメント、ソラナ保有量254万に到達 6週で約10%増加
デファイ・デベロップメントは9月28日、仮想通貨ソラナ保有量が253万8010SOLに達したと発表した。8月12日の決算発表以降、6週間で約10%増加している。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧