Ginco、LINE、日本マイクロソフト 小売業界のNFT導入を支援へ
小売業界のNFT活用を支援
ブロックチェーン技術インフラを提供する株式会社Gincoは5日、LINE株式会社、日本マイクロソフト株式会社、「Microsoft Azure」パートナー各社と提携して、小売業界のNFT(非代替性トークン)活用を支援するプロジェクトを行うことを発表した。
Gincoは、東京都を拠点とする会社で、暗号資産(仮想通貨)やデジタル証券、NFT等を導入する事業者を、ブロックチェーン技術の面から支援している。NFTに特化したインフラサービスとしては「NFT BASE」を提供しており、今回のプロジェクトでも、これを活用する格好だ。
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NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
▶️仮想通貨用語集
共同プロジェクトでは、LINEのAPI、マイクロソフトのクラウドサービス、GincoのNFTサービスを連携させて、小売業界(小売店、百貨店、ECストアなど)におけるNFTの活用を支援していくという。
この際、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」は、安定性のあるクラウド基盤や、様々なシステムの円滑な連携を支える。
Gincoの「NFT BASE」は、ノードやウォレットの保守運用、ホワイトラベルのNFTサービスを提供。LINEは、ユーザーに親しまれる画面デザインや使い心地と、APIによるサービス間の連携を支援する。
「在庫リスクが低い」など様々な利点
Gincoは、NFTの利点について「在庫リスクが低く、デジタルに流通可能でありながら、物品同様の希少性や価値を持つ」という点を指摘。海外では、特にコロナ禍による外出控えなどを受けて、小売業者が「生活者との新たなコミュニケーション手法としてマーケティング領域で活用」していると述べた。
NFTは、小売業界にも恩恵をもたらすものとして注目されているところだ。
例えば、動物キャラクターの漫画からファッションアイテム、文房具などまで広く販売しているFuzzballsは、仮想通貨テゾス(XTZ)のチェーンでNFTを発売している。
FuzzballsのMarc Sachディレクターは、NFTが小売業界にもたらす恩恵を次のように語った。
メーカー側では、限定品が本物であることを示すNFT証明書や、実物のぬいぐるみに、モバイルアプリでそのぬいぐるみのデジタル版を所有できるNFTを付与するなど、製品を盛り上げる様々な試みができる。
小売店は、NFTを利用することで、消費者に限定コンテンツやコミュニティ、先行販売などへのアクセスを用意することが可能だ。
Sach氏は、「NFTをより面白くしているのは、コミュニティの側面」であり、ファンはSNSで情報交換する傾向があるが、NFTはツイッターのプロフィール画像に使われるなどして、これをさらに促進するとも続けた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します