メタバースで大使館建設へ、バルバドス政府がDecentralandと契約
世界初:メタバースで大使館建設
カリブ海の島国バルバドス(Barbados)は、メタバース(仮想空間)に大使館を設立することを計画していることが分かった。
本記事執筆時点では同国政府からの正式発表は確認されていないが、大使館を設立するための契約を、メタバースプロジェクト「Decentraland」と14日に締結したという。同国政府がこの計画を承認したのが今年の8月。早ければ来年1月にもデジタル上に大使館が誕生する可能性があるという。
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Decentralandは、2015年末から開発が開始された、最も歴史が長いとされるメタバース構想のブロックチェーンプロジェクト。イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを基盤にしており、ユーザーは土地区画・不動産・服や名前などをNFT(非代替性トークン)として購入できる。
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今回の正式発表を入手したという『CoinDesk』によると、バルバドス政府は現在、メターバース上で土地を購入するため、複数のメタバース関連企業と協業しているという。
アラブ首長国連邦に駐在するバルバドスの大使はCoinDeskに対し、今後は取り組みを拡大し、様々な仮想世界で土地を購入したり、建築物を新設したりする計画もあると説明した。
バルバドスは暗号資産(仮想通貨)に寛容なことでも知られている国。メタバースに大使館を設立して前例のない取り組みを実現するため、国際的な法律も遵守していくとした。
メタバース領域の動向
メターバースは、米フェイスブック社が事業として注力するとして社名を「メタ」に変えると発表して以降、様々な業界を巻き込んで注目度が急激に高まっている。
今月には米ディズニー社が、独自のメタバースの構築に意欲を見せた。まだ詳細は明らかにしなかったものの、ボブ・チャペック(Bob Chapek)CEOが、決算説明会で方針を表明。
「これまでの取り組みは、現実世界とデジタルな世界をより密接に結びつけ、独自のディズニー・メタバースを通じて境界のないストーリーテリングができるようになる時代への序章に過ぎない」などと語った。
また昨日には、メタバース開発とVR(仮想現実)サービスの開発ソリューションの提供を行う株式会社HIKKYが、NTTドコモを引受先とした第三者割当増資により、65億円を調達したことを発表。
調達した資金は、オープンメタバースの開発・運営やバーチャルマーケット事業の開発体制の強化などに利用するとしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します