Polygon、ゼロ知識証明に特化したプロジェクト「Mir」を買収へ

イーサリアムの処理能力向上へ

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを提供する「Polygon(ポリゴン)」は9日、ゼロ知識証明(ZK)の技術を開発する「Mir」を買収することを発表した。

これからMirの技術を活用して新たなプロジェクト「Polygon Zero」を進め、イーサリアムと互換性があり、処理能力が高いソリューションを開発する計画。買収額は約4億ドル(450億円相当)で、支払いは1億ドルの法定通貨とPolygonの仮想通貨MATIC1.9億枚で行うとした。4億ドルは、買収契約をした11月26日のMATICの価格に基づいているという。

ゼロ知識証明とは

ゼロ知識証明とは、証明プロトコルの一種。証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズムを指す。

▶️仮想通貨用語集

Polygonは8月、同様にイーサリアムのスケーラビリティを向上させるソリューションである「Hermez Network」の統合を発表。その際、今後はゼロ知識証明を基盤にしたソリューションに特化していくと説明していた。

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上記の通り、ゼロ知識証明は証明プロトコルの一種。ブロックチェーンの分野では最初プライバシー技術として注目されたが、現在ではスケーリングの技術としても活用されている。メインのブロックチェーンで全てトランザクションを処理するのではなく、別のネットワークも活用することによって、総合的に処理能力を高める仕組みだ。

「ゼロ知識証明は、自身の主張が真実であること以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が真実であると証明できる」という特性を、「ゼロ知識証明は、特定のブロックチェーンの外部で処理を行ない、その過程を提示しなくても、その処理が正しく実行されたことを証明できる」というように応用する。

Polygonは9日開催のイベントに「zk day」という名称を付け、今回の買収はそこでも発表された。買収後に協力して開発が進められる「Polygon Zero」の目的は、イーサリアムの長所である分散性やセキュリティを犠牲にすることなく、処理能力を高めることだという

今後について

ゼロ知識証明を基盤にしたソリューションを探り、ZK領域でほぼ全てのプロジェクトのリーダーに合う中でPolygonは、Mirが世界レベルの最も優れたチームの1つであることを認識。グーグルのエンジニアを経験したメンバーらがおり、チームを急速に拡大していたという。

PolygonはMirについて「約2年の開発を経て、世界で最も速いゼロ知識証明のスケーリング技術を開発した」と評価。これからMirの協力のもと、イーサリアムに合った「plonky2」という新しい証明システムを導入し、ネットワークのパフォーマンスを高める。plonky2については今後数週間のうちに、ベンチマークや説明などを改めて発表するとした。

すでに協業を開始しており、Polygon Zeroの全体的な設計やアプローチ、ロードマップも考案済み。プロジェクトの詳細もまた近くに発表すると説明している。

Polygonは今後も、主要なブロックチェーンプラットフォームになることを目指し、10億人レベルのユーザーをイーサリアムにもたらすため、スケーリング技術の開発を続けていくとした。

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