仮想通貨企業初、バイナンスがロシア銀行協会に加盟

仮想通貨の規制整備へ

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは17日、仮想通貨企業として初めてロシア銀行協会に加盟したことを発表した。

ロシア銀行協会が同日に設立を発表した、デジタル資産やデジタル通貨に関する専門センターのトップに、バイナンスのOlga Goncharova氏が就任することも明らかになっている。この専門センターは、デジタル資産やデジタル通貨について専門的な知識を有するチームで、仮想通貨の規制について当局や議員らと対話も行っていくという。

バイナンスは先月、ロシアとウクライナ、独立国家共同体(CIS)での事業に関する人事を発表。その際、Goncharova氏は、CISにおける政府対応の部署のディレクターに就任した。同氏は以前、ロシア中央銀行で幹部を務めた経験があり、フィンテックやDX(デジタルトランスフォーメーション)に関するプロジェクトを率いたこともある。

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ロシア銀行協会は1990年設立。公式ウェブサイトによると300超の銀行や金融機関が所属している。ロシアの銀行にある資産の90%を、協会のメンバーで保有しているといったデータもある大きな組織だ。

今回創設された専門センターの目的の1つは、ロシアでデジタル資産やデジタル通貨を流通させるために専門的な見解を提供すること。ロシア銀行協会やその代表者にデータを提供したり、仮想通貨を取り扱う際のグローバルな経験を報告したりしていく。バイナンスやGoncharova氏は、専門的な知識や経験を活かして、ロシア銀行協会に協力していくことになる。

ロシア銀行協会の会長は今回の発表に際し、以下のようにコメントを寄せた。

 

Goncharova氏は、専門家がデジタル資産の規制や発展について議論する組織のリーダーにふさわしい。我々はGoncharova氏に大いに期待をしている。

ロシアの動向

現在、ロシアは仮想通貨の規制整備を急いでいる。しかし、Putin大統領が規制整備を指示しているが、仮想通貨に批判的な立場をとる中銀と、規制しながらも仮想通貨を許可したい政府との間で、なかなか折り合いがつかない模様だ。

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一方で15日、ロシアの中銀は中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタル・ルーブル」の試験プログラムを開始したと発表した。12の銀行が試験に参加する意向を示しており、そのうち3行が、すでにCBDCプラットフォームに参加。今回は2社が、銀行のモバイルアプリを利用した顧客間のデジタルルーブル取引に成功したという。

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CBDCとは

「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCはデジタル上の法定通貨であること。

▶️仮想通貨用語集

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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