オントロジー、イーサリアム仮想マシンを正式ローンチ Web3開発者向けに11億円規模のファンドも同時発表

オントロジーEVMが稼働開始

Web3のプライバシーおよびデータ管理に特化した分散型ソリューションを開発するOntology(オントロジー)は1日、独自のイーサリアム仮想マシン(EVM)をローンチしたことを発表した。

オントロジーEVMは、イーサリアム上で開発する何千人もの開発者をオントロジーブロックチェーンにつなぐ役割を果たすことが期待されている。これらの開発者は、オントロジーの分散型IDおよびデータプロトコルを使用して開発できるようになる。

オントロジーは21年初頭にEVMの開発開始を表明した後、同年6月には開発の完了を発表していた。今後、EVMによってブロックチェーン間の相互運用性が高まることで、開発者の移行コストの削減、より低いガス代でのオントロジーエコシステムへの参入や、これまで以上に迅速なブロック作成などが可能となる。

なお、今回ローンチされたEVMを含めると、NeoVM、WasmVMといった3種類の仮想マシンに対応するパブリックチェーンをオントロジーは展開したことになる。

関連:オントロジー、独自のEVM(イーサリアム仮想マシン)開発完了を発

EVMとは

EVM(イーサリアム仮想マシン)とは、イーサリアムのスマートコントラクトのコントラクトコードを実行するための「翻訳機」として機能するもの。

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1,000万ドル規模のファンドも同時発表

またオントロジーは今回のEVMローンチを記念し、オントロジー上でWeb3およびメタバース用の分散型アプリケーション(dApps)を構築する開発者を支援するため、1,000万ドル(約11億5千万円)のONT/ONG相当となるEVMファンドの設立も発表した。

EVMファンドに参画するプロジェクトは、オントロジーが提供するプロトコルやツールへのアクセスだけでなく、技術面、マーケティング面、またビジネス開発のサポートを受けることも可能。また、開発者は80万人のユーザーを持つ「ONTO Walle」や、21年にユーザー数150万人を達成したオントロジーの分散型デジタルIDアプリ「ONT ID」を活用できるようになる。

オントロジーによるコメント

オントロジー創業者であるリ・ジュン氏は、今回のEVMのローンチ、およびファンドの設立について次のように述べている。

 

イーサリアムネットワークは、スマートコントラクトの作成と分散型アプリの開発を幅広くサポートしており、特にDeFi領域におけるリーダーとしての地位だけでなく、世界クラスの開発者による幅広いポートフォリオを考えると、オントロジーにとって不可欠な接続先と言えます。

EVMを立ち上げることで、オントロジーはこのビジョンを実現します。また、クロスチェーンの相互運用性を高めるとともに、EVMファンドを通じてEVMベースのエコシステム内の主流の開発者に分散型IDソリューションを拡大します。

このファンドは、分散型で安全、かつ完全に相互運用可能なメタバースの創造に貢献することを目的としており、メタバースとWeb3プロジェクトに特に重点を置く予定です。

   

また、オントロジーの最高研究者(Chief Scientist)ケンドール・マオ氏は、次のようにコメントした。

21年6月にEVMの開発が完了して以来、開発者の皆様にシームレスかつ安全な統合を体験していただくため、厳しいチェックを経て、本日リリースとなりました。

今回、完全に監査されたことにより、本EVMは新たに主流となる多くの開発者にシームレスな相互運用性を提供するとともに、より低いガス代とより速いブロック生成によって、オントロジーエコシステムへの参入を可能にすることでしょう。

    

EVMファンドへの申し込みは、新規または既存のdApps開発者であれば誰でも可能となっている。オントロジーのコミュニティフォーラムで申し込まれたプロジェクトは、オントロジーコミュニティおよびチームによる審査の後、採用の可否が決定されるとのことだ。

関連:オントロジー(Ontology)、2022年のロードマップを発表

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