Web3.0時代のデータとID管理とは|Ontology(オントロジー)寄稿

Web3.0への転換点

インターネットはいま、重大な転換点を迎えつつあります。10年前には想像もつかなかったような、社会の根幹を揺るがすような変化の瀬戸際にあるともいえます。

Web 3.0は、より分散化された、オープンかつ安全なインターネットを、正しい指針のもと提供することが可能です。その実現のためには、企業ではなく個人が、そして利益ではなくプライバシーが、Web 3.0の主導権を握る必要があります。

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データ争奪戦

Web 2.0時代は、スマートフォン、ソーシャルメディア、クラウドコンピューティングなどのイノベーションがもたらされました。これらの発展と同時に、データを収集してそれを商業利用することが急速に脚光を浴びるようになりました。しかし、データ収集とその使用に関する規制はほとんどないまま、データ利用はキャピタルゲインやマーケティングの成功のために乱用されました。

政策立案者は、欧州の「GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)」や、「MiFID II(Markets in Financial Instruments Directive II:第2次金融商品市場指令)」などの法律を通じて、これを取り締まるようになりました。また米国では、消費者保護の強化の観点から独占禁止法が更新されています。

問題の根幹にあるのは、データが貴重な「商品化」してしまったということです。しかし、データの保護は、大企業にとっては利益に相反するものなのです。

プライバシー保護の失敗

Web 2.0は、データ収集によって繁栄するインターネット経済を促進しましたが、消費者のプライバシー保護に至っては機能していません。これは、ほとんどのデータが中央集権的なプラットフォーム上のファイルやデータベースといった場所に保存されているためです。

そのため、データは紛失、改ざん、ハッキングに対し非常に脆弱です。昨年、米国では4,000件弱のデータ漏洩が発生し、370億件以上の記録が流出しています。

セキュリティについて問題視されているのは、Facebookやアマゾンのようなビッグテック企業だけではありません。アイルランドのHSE(Health Service Executive)のような国民健康保険機関や、世界中の教育機関飲食業界などが、今年、重大なデータ漏洩の被害にあっています。これは、もはや中央集権的なシステムでは、ユーザーが必要とするデータ保護を提供できないことを示唆しています。

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中央集権化された組織においては、他の組織とデータをやりとりする場面がよくあります。

例えば、銀行がローン会社に顧客の返済履歴に関する情報を求めなければならない場合などです。データをこのように移動すると、新しいコピーが作成されます。そのコピーによって、データが紛失されたり、不正な複製や改ざんされたりする可能性が出てきます。

Web3.0は、このような中央集権的なシステムにおける既存の問題を改善するのに最適です。さらに、あらゆる技術開発においても、プライバシーを最優先することができます。

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Web3.0と分散型ID

また、Web3.0に欠かせないのが、安全なデジタルIDの作成です。

現在のウェブ上でのID認証のモデルは古く、脆弱性をはらんでいます。インタラクティブな活動を行う上では、ほとんどの場合で個人情報を提出しなければなりません。しかし、その情報がどのように共有され、保護されているかについては、ほとんど監視されていない状況です。

分散型IDソリューションは、ブロックチェーン上に構築されたアプリケーションの形で既に存在しています。これにより、ユーザーは自分の個人情報を自律的に管理することができ、秘密鍵を使ってアクセスを許可することで、データを共有するかどうか、またいつそれを共有するかをユーザー側で決めることができます。

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インターネットの発展とコミュニケーションの次なる段階では、ゲームやフォーラムなどの仮想世界と現実世界が衝突する空間である、分散型メタバースも現実のものとなりつつあります。さまざまなゲームが相互リンクされ、オンラインショップやバーチャルイベントのプラットフォームなど、他のバーチャルな場ともリンクされるようになります。

これらの世界をシームレスに統合するためには、ユーザーが一貫したアイデンティティを持ってメタバースのさまざまな場所を行き来できるようにしなければなりません。同時に、ユーザーのデータやプライバシーも尊重されなければなりません。

分散型IDソリューションでは、ユーザーが1つのユーザー名とパスワードを分散化して使用することを可能にします。それを用いて、ユーザーは複数の異なるプラットフォームに安全にアクセスできます。統合された分散型メタバースの世界では、これが完璧なソリューションとなります。

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Web3.0の実現に向けて

今後多くのブロックチェーンとレイヤー2プロトコルが共存し、異なるサービスを提供することになるでしょう。

課題は、それらが相互にシームレスな通信をできるようにすることです。そうすることで、企業のニーズよりもユーザーのニーズを優先した、安心・安全なWeb3.0を実現することができるのです。

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