分散型デジタルIDのさらなる普及へ
「信用の再定義」をミッションに掲げるオントロジー(Ontology)は9月6日、ONT IDをベースにした分散型IDのログインコンポーネントとなる「ONT Login」、そしてバッチ認証ソリューションである「ONT TAG」の正式リリースを発表した。
オンチェーンベースの信用スコア「OScore」とともに、オントロジー分散型アイデンティティ(DID)ソリューションのエコシステムを形成する。
本稿では、ONT IDの主な機能、補完的サービスとして開発された「ONT Login」と「ONT TAG」を紹介する。
ONT IDとは
「ONT ID」は、オントロジーが開発したDeFi(分散型金融)ユーザー向けIDフレームワークだ。分散型デジタルIDの構築を通した、個人情報や身分証明の柔軟な管理を可能にする。
ONT IDでは分散化、データの自律性、プライバシー保護、セキュリティ、利便性などを特徴としており、個人から企業まで様々なユーザーに分散型デジタルIDの提供を目標としている。
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ONT IDのエコシステムとしては、「ONT Login」および「ONT TAG(ONT Trust Anchor Gateway)」という、オントロジーの信用システムに基づく認証プラットフォームに紐付いている。これらのサービスを統合することにより、オントロジーユーザーは国境に関係なく身元認証サービスを受けられる仕組みとなっている。
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ONT Loginとは
「ONT Login」とは、分散型ユニバーサル認証のログインコンポーネントだ。ONT Loginは、分散型ID管理ウォレットとの通信インターフェースを提供し、ID管理アプリケーションの迅速な統合を促進する役割を持っている。
ONT Loginは、Web 3.0のログイン方法を実現するために、従来のインターネットプラットフォームもサポート。
また、パブリックチェーン・アライアンスチェーンを含む様々なブロックチェーンシステム、複数の分散型デジタルIDの形式およびデジタル署名メカニズムをサポートしている。
ONT TAGとは
「ONT TAG」とは、分散型アイデンティティ(DID)ベースのバッチ認証ソリューションだ。ONT TAGを使用することで、個々のトランザクションを実行する代わりに、アプリ側でユーザーの認証結果が正しいかどうかを認証できるようになる。
この認証プロセスは、ユーザーのプライバシー保護を念頭に実行され、ユーザーデータへのアクセスを許可するかどうか、あるいはそれをいつ許可するかは、ユーザー自身に権限がある。
ONT TAGでは、CFCA、IdentityMind、Shufti Proなどの国際的に権威のあるID認証サービスプロバイダーだけでなく、TwitterやFacebookなどの大手SNSプラットフォームのアカウントによる本人確認の認証も提供する。
国内における今後の展望
世界的な自動車メーカーであるダイムラー・モビリティや、分散型音楽ストリーミングおよびNFTプラットフォームのROCKIによるONT ID統合を基に、オントロジーはすでに様々な分野でソリューションを提供している。日本国内では在庫管理ソフト企業ZAICOとの提携も発表済みだ。
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またオントロジーは、国内では現在2ヶ所の暗号資産(仮想通貨)取引所に上場している。今後、オントロジーは独自の分散型ソリューションを、より多くの日本企業や公的機関に提供し、日本のブロックチェーン・エコシステムの発展に向け尽力するという。
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