国内初のオントロジーブロックチェーン導入事例
オントロジーは9日、日本のクラウド在庫管理ソフト企業ZAICO社とMOU(提携に関する覚書)を締結したことを発表した。この提携により、ZAICOの顧客は近く、ブロックチェーンベースの在庫管理を低コストで享受できるようになる見込みだ。オントロジーのブロックチェーンが国内企業に取り入れられる事例としては、今回が初だという。
分散型IDとデータに特化したパブリック・ブロックチェーンを提供するオントロジーは、ZAICOの在庫管理プラットフォームにソリューションを提供し、在庫管理におけるトレーサビリティー、透明性、信頼性の向上に貢献することを目指す。
ZAICO社は、在庫管理のためのクラウドアプリをiPhone、iPad、Android、ウェブで提供している。分散型パブリック・チェーンであるオントロジー・ブロックチェーンを採用することにより、自社の情報がどのように共有され、利用されるかをより細かく管理できるようになるそうだ。
参考:オントロジー(ONT)が解説、分散型アイデンティティに特化したブロックチェーンとは【寄稿】
提携の背景と今後
今回の提携について、両社の代表がコメントを発表。今回の提携に至った背景や今後について想いを語っている。
Ontology 創業者 リ・ジュン氏は、次のように述べた。
在庫管理はこれまで、長時間かかる信頼性の低いプロセスや、エクセルシート記入式のリストなど、誤りが生じやすく、企業が不正に巻き込まれやすい慣例に悩まされてきました。ZAICOは、Ontologyとの提携により、在庫管理システムにブロックチェーンを使用することで、サービスのトレーサビリティー、透明性、信頼性を高めることができます。
株式会社ZAICO 創業者・代表取締役社長の田村壽英氏も、今後への期待を語った。
私どもZAICOは、テクノロジーの力で世界中のモノの情報を収集・整理・提供することで、社会の効率化を図るというビジョンのもと、革新的なクラウド在庫管理ソフトウェアを開発・販売しております。今回のパートナーシップにより、お客様の利益となるブロックチェーンベースのソリューションを活用した改善・強化された機能を提供できることになり、とても嬉しく思います。
提携する2社について
オントロジーは2017年に創業。翌18年にメインネットをローンチし、2020年にはセカンドレイヤーを加え、ビジネス利用が可能な「オントロジー2.0」としてアップグレードした。これまで米VCなどから約4,000万ドル規模の資金調達を実施、事業拡大を推進してきた。
2019年9月には、国内上場企業gumiの連結子会社「gumi Cryptos」と戦略的パートナーシップを締結。コンセプトに「信用」の再定義(Trust Redefined)を掲げ、高性能なパブリックブロックチェーンを持つ分散型協業プラットフォームとして、知名度を上げつつある仮想通貨プロジェクト。「アリストテレス」「プラトン」など、そのロードマップに著名な古代ギリシャの哲学者の名を冠していることで知られている。
ZAICO(ザイコ)はPC・スマホから手軽に使えるクラウド在庫管理ソフトで、株式会社ZAICOが提供している。スマートフォンやパソコンから利用できるソリューションを提供、在庫管理にかかる人員・コストの削減や、在庫の最適化することを通じて顧客の事業発展をサポートしている。製造業や美容業界に限らず、医療現場でも同社の在庫管理システムが採用されている。