はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自己主権型アイデンティティガイド|オントロジー(Ontology)寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

自己主権型アイデンティティとは?なぜ必要なのか?

インターネットが大衆に普及して以降、ネット上でのアイデンティティについて様々な疑問が飛び交っています。ソーシャルメディア・プラットフォームからオンライン銀行に至るまで、私たちは皆、様々なオンラインサービスにログインする際に、非常に多くのオンライン人格を使い分けています。ウェブ上でいくつのアカウントを作成したのか、少し考えてみましょう。作成されたアカウントは断片的で認識不可能ではあるものの、まるでデジタル版のパンくずで痕跡を残すかのように、私たちのデジタルアイデンティティを示しています。

新しいサービスにログインするプロセスはいつも同じです。個人情報の一部を提出すると、サービスプロバイダーからデジタルアイデンティティを付与され、彼らのプラットフォームを利用できるようになります。しかし、このやりとりでの順序を考えてみると、少し違和感が感じられ、何年もの間、物事の順序が真逆になっていたことが明確になってきます。

まず初めに、私たちは既にアイデンティティを保持しているため、企業からアイデンティティを受け取る必要はありません。私たちにはアイデンティティがあるという事実を、確認するだけでいいはずです。そして次に、私たちはソーシャルネットワーク、およびサービスプロバイダーに、最も貴重な資産、つまり個人情報を提供しています。サービス利用以外に特に大きなリターンを得ることもなく、無料で情報を渡しています。もちろん彼らは喜んでサービスを提供してくれますが、それ以外は何も提供されません。

データの価値

データの真の価値に関して、表面的にしか理解していなかったということに私たちが気づいたのは、つい最近のことです。データにどれだけの価値があるか知っていますか?誰があなたのデータにアクセスできて、そのデータがどのように使われているか知っていますか?ほとんどの人は、これらの質問に対する正しい答えを持っていません。

ここ数年で、データプライバシーに関する話題は大きな関心を集めています。過去12ヶ月の間に、現在もなお継続中のCovid-19のパンデミックにより、データプライバシーに関する課題が倍増しました。最も価値のある資産として、データが原油などの地位を脅かしているのを、私たちは目撃しています。そのため、個人情報の扱い方、および個人情報の売買方法について、さらなる教育を施す必要性が高まってきました。

毎日世界中で、オンラインショッピングにて数百万のデジタル取引が実行され、モバイルアプリを介してコミュニケーションが図られ、広く情報が共有されています。しかし、私たちの情報に何が起きるのか、何が犠牲にされるのかは、誰が決定するのでしょうか?

組織が情報を集めている理由が、より良くカスタマイズされた顧客体験を提供するためであることは周知の事実でしょう。その規模に関わらず組織は、顧客がウェブサイトを訪れた回数であろうと、よく購入しているアイテムの種類であろうと、単にメールのリンクをクリックするかどうかであろうと、顧客の様々なアクティビティを追跡しています。このような情報により組織は、顧客のニーズを把握できるため、しばしば互恵的だと考えられます。組織は次に、収集されたデータを活用し、顧客独自のフィードバックに基づいて組織が自身のプロダクトおよびサービスを改善していきます。

しかしデータ収集および共有という概念は、どのような情報が第三者と共有、または第三者へ売却されているかに個人が気づいていない場合、より邪悪な状況に転じてしまう可能性があります。一般的な認識とは対照に、データは非常に有益で企業の成功の鍵となっているため、多国籍企業では、顧客から収集したデータを共有しないことが多いです。

例えばPayPalでは、透明性向上を目的として、PayPalがこれまでに顧客情報を共有した第三者を網羅したリストを発表しました。このリストには、企業名、情報共有の理由、および正確にはどのような情報が共有されたかなどが含まれています。

しかし、このような網羅リスト公開に関して、PayPalの対応は例外的であることに注意しなければなりません。大抵このような詳細は、ウェブサイトを訪れる際の冗長な利用規約の中で、または「クッキー(Cookie)」承認により、隠されてしまいます。ウェブサイトのトラフィックを追跡するクッキーを利用することにより企業は、ウェブサイト訪問者を鮮明に描写することができます。またデータプライバシーへの関心が高まっているため、クッキーの監視が強化されていますが、多くのユーザーはその影響を知らずに、ウェブサイトのクッキー使用を闇雲に許可しています。しかし個人情報共有の際に、責任を負う義務があるのは顧客なのでしょうか?

このような責任を負うには、顧客は適切な情報およびツールを身に付ける必要があります。ブロックチェーンのような新興技術が、これにおいて重要な役割を果たすでしょう。

パブリックまたはプライベートネットワーク上で情報を保存できるというブロックチェーンの性質により、当事者は重要情報にアクセスできます。その際には、個人が許可した重要情報にしかアクセスできません。このような方法では、個人が誰にどの程度までデータを共有するかを選択できるため、データ権限が個人の元へと戻ってきます。

それでは現状の問題が分かったかと思いますが、解決策はどこに存在しているのでしょうか?これらに対する代替手段は、自己主権型アイデンティティ(SSI; Self-Sovereign Identity)と呼ばれる概念です。SSIにより、個人情報の管理権をユーザーに委ね、一つのIDだけで全てのオンラインサービスにログインできるようになります。パスワードを忘れることも、全ての個人情報を渡す必要もありません。SSIとは、インターネット使用方法を劇的に変容させるかもしれない概念です。

自己主権型アイデンティティの仕組みとは?

SSIの仕組みを理解し、その特徴的な利点を理解するために、具体例としてオントロジーの分散型アイデンティティ・フレームワーク「ONT ID」を見てみましょう。

ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C; World Wide Web Consortium)が策定した非中央集権型識別子(DID)仕様に基づいたONT IDでは、自己主権型のデータ認可および所有権確認システムが提供され、これにより特定の資産を保有する各ユーザーへ、真の管理権が付与されます。ONT IDを使用することにより、暗号学を基盤にしたデジタル・アイデンティティを、個人、機関、対象およびコンテンツなどの様々な実体に割り当てながら発行できます。また、分散型かつ多様な所有権確認サービス、識別サービス、および前述の実体認証サービスなどを連携させることも可能です。

SSIを活用したシステムでは、全てのユーザーに独自の識別子が付与され、ユーザーはその識別子を用いて自身のアイデンティティを管理し、オンラインサービスにアクセスできます。例えば、オントロジーのエコシステムにおけるこのソリューションは、ONT IDと呼ばれるモバイル用デジタルIDアプリケーション兼分散型フレームワークです。

オントロジーは、ONT IDおよびVerifiable Claim(一種の情報検証方法)を使用したメカニズムを組み合わせることにより、分散型信用モデルおよび分散型信用伝達システムを確立しました。このシステムでは、各サービスがアイデンティティ認証に必要な特定のデータにしかアクセスできないようにするために、ゼロ知識証明を活用しています。これにより、Verifiable Claimのプライバシーが保護されています。ONT IDのようなソリューションを介することにより、複数の認証サービス機関を組み込み、多数の情報源からの認証を円滑化し、各実体のアイデンティティをより完璧に把握できるようになります。

特定の中央機関に依存した信用基盤のネットワーク構築だけでなく、異なる組織間で強力な信頼関係を築くことも可能です。このような信用基盤のネットワークは、組織同士の相互認証により生まれます。認証された回数が多ければ多いほど、その組織の信頼度も高くなります。信頼評価が高いということは、その組織を信用できるということです。信用のある組織からの認証を受けた組織の信頼度は、認証を与えた組織の信頼度と同等になります。

アイデンティティ・ソリューションの次なる展開

SSIソリューションと同様に、ONT IDユーザーは、携帯などのローカルデバイスに、または認証を受けたユーザのみにアクセス権を付与している秘密鍵を使用した、信頼できるクラウドストレージに、自身のデータを保存することにより、自身のデジタル・アイデンティティを安全に管理できます。ユーザーは一度ONT IDを設定するだけで、このオンラインで利用可能な単一アイデンティティを使用し、デジタル資産管理、仮想通貨を使用したコンサートチケットの購入、さらには保険の支払いなど、多数の便利なプロダクトおよびサービスへアクセス可能です。SSIはネット上でだけでなく、やがては実世界でも有益になるとも考えられています。

インターネットが進化し、銀行や医療などの不可欠なサービスがオンラインへ着実に移行していくにつれ、我々のオンライン・アイデンティティは誰が真に保有しているのかという、古くからの疑問が再燃してきました。SSIにより、データが顧客の手元に返却され、顧客が思うようにデータを利用できるようになれば、この議論に終止符が打たれるでしょう。

分散型でブロックチェーンを基盤にした自己主権型アイデンティティ・ソリューションにより、認証、セキュリティおよびデータ管理に焦点が置かれるようになっています。これは、ユーザーが自身のデータを管理し、データはユーザーに属したまま円滑にユーザーと企業が連携できるような、新たなシステム実現への重要な一歩となるでしょう。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/15 金曜日
19:33
金融庁、仮想通貨仲介業の登録説明会を開催 6月上旬施行に向け解釈明確化へ
金融庁は15日、改正資金決済法で新設される仮想通貨・ステーブルコイン仲介業の登録事前説明会を開催。施行は2026年6月上旬の見込みで、「画面遷移の有無」は媒介判定の決定要素でないとの解釈も示された。
17:25
スペースX、5月中にもIPO目論見書を公開へ ビットコイン保有が初開示か=報道
スペースXが来週にもIPO目論見書を公開する見通し。8,285BTCのビットコイン保有が初めて公式開示される見込みで、仮想通貨市場への影響も注目される。
16:13
バイナンスリサーチ、2030年に仮想通貨ユーザー30億人到達を予測 
バイナンス・リサーチが2030年に仮想通貨ユーザー30億人到達の可能性を予測。オンボーディングやAI・ソーシャル層の統合が普及拡大の鍵と分析した。
14:00
AI悪用で深刻化する北朝鮮の金融業界サイバー攻撃、2025年被害額が前年比51%増に=レポート
クラウドストライクの最新レポートで、北朝鮮関連ハッカーが2025年に約20億ドル相当の仮想通貨を金融業界から窃取と判明した。AI活用やIT工作員潜入など手口も巧妙化している。
13:25
韓国最大手銀Hana、仮想通貨取引所Upbit運営会社に1000億円超出資 持分比率6.55%に
韓国大手のハナ銀行が、Upbit運営会社Dunamuの株式228万株を6億7000万ドルで取得した。ウォン建てステーブルコインのインフラ構築でも協力する方針で、韓国伝統金融の仮想通貨分野への関与が加速。
11:39
ファセット、ステーブルコイン決済基盤の強化に向け約80億円を調達 SBIグループら出資参加
ファセットがSBIグループらから約80億円のシリーズBを調達。ステーブルコイン決済インフラ「Fasset's Own Network」を軸に、125カ国の新興国市場での中小企業向け金融サービス拡大を加速する。
11:20
テザー社・トロン・TRM Labs、計700億円超の不法資産を凍結
テザー社は、同社とトロンとTRM Labsの共同イニシアチブが計700億円超の違法な資産を凍結したと発表。仮想通貨に関連する金融犯罪をターゲットにして規制上の協調を強化していると説明した。
10:58
日本発のNyx Foundation、AIエージェント専用イーサリアムレイヤー2「Eris」開発を開始
一般社団法人Nyx Foundationが、AIエージェント専用Ethereum Layer 2「Eris」の開発とAIコンペ「ASCON」のスポンサー募集を開始。DeFiセキュリティの公共財化を目指す。
10:05
DeFiデベロップメント2026年1~3月期決算、ソラナ保有拡大と転換社債買い戻しを報告
仮想通貨ソラナのトレジャリー企業DeFiデベロップメントが1~3月期決算を発表。1株当たりSOLが前年比で増加した。独自バリデータで高利回りを実現している。
09:44
JPモルガン、イーサリアムとアルトコインのビットコイン劣後「当面続く」と警告=報道
JPモルガンが5月14日のレポートでETH・アルトコインのビットコイン比較劣後を指摘。イーサリアムのDeFi TVLシェアは2025年初から63.5%→53%へ低下し、Glamsterdamアップグレードの効果を市場はまだ織り込んでいない。
09:25
コインベース、ハイパーリキッドでUSDCの利用促進へ
仮想通貨取引所コインベースは、ハイパーリキッドのステーブルコインUSDCの正式なトレジャリー・デプロイヤーになったことを発表。主要ステーブルコインとしてUSDCの利用を促進する。
09:05
ビットコイン上昇、米クラリティー法案の進展を好感 焦点は上院60票の壁|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、15日朝にかけて上昇し、一時、前日比で約50万円高となった。背景には、米国のクラリティー法案が上院銀行委員会で可決され、法案成立に向けた進展が確認されたことがある。
08:40
ジェミナイQ1決算、売上高42%増 予測市場に本格参入
米上場の仮想通貨取引所ジェミナイが2026年Q1決算を発表。総売上高は前年比42%増の5030万ドル。予測市場・デリバティブへの本格参入とウィンクルボス兄弟による1億ドルの戦略的出資も明らかになった。
07:20
米ビットワイズ、HYPE現物ETFをNYSE上場へ ステーキング報酬提供
米ビットワイズがハイパーリキッド(HYPE)の現物ETFのNYSE上場を発表。米国初の内製ステーキング機能を搭載し、高成長を続ける分散型取引所エコシステムへの投資機会を提供。
06:55
米VC大手a16zが今夏に日本初拠点を設立、創業者が高市首相に直接表明
米大手VCのa16zが今夏、東京に初の海外拠点を設立する。創業者ベン・ホロウィッツ氏が5月14日に高市首相と面会し表明。5月5日には22億ドルの第5号仮想通貨ファンドの調達も完了している。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧