はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

預金トークンとAIツールを発表

中国の大手テクノロジー企業アリババは、グローバルコマースの効率化を図るデポジット(預金)トークン決済システムを開発している。AI(人工知能)を活用したツールも発表した。CNBCが14日に報じた。

預金トークンは、同社のクロスボーダー電子商取引部門によるものだ。中国当局がステーブルコインに対する規制を強化する中、その反発を招くことなくクロスボーダー決済を革新しようとする動きを示している。

「預金トークン」とは、規制対象の銀行が発行し、顧客の預金によって直接裏付けられるデジタル資産であり、ステーブルコインとは異なるものだ。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

Alibaba.comのKuo Zhang社長は、ユーロと米ドルのトークン化されたバージョンを活用し、国際的なB2B(企業間)決済を効率的にする準備を進めていると語った。

トークン化された決済によって決済時間の短縮、仲介手数料の削減が可能になると見込んでいる。また、米国、欧州、香港、シンガポール、中国本土など市場間での資金の即時移動が可能になることを期待していると述べた。

Zhang氏は、Alibaba.comは、JPモルガンを含む世界的な銀行とも提携する計画だと明かしている。JPモルガンは、シンガポール大手銀行DBSと提携してトークン化預金の相互運用に取り組んでいるところだ。

関連:JPモルガンとDBS、トークン化預金の相互運用で取り組み

元々、今年の夏に、アリババ傘下のアント・グループやEコマース大手のJD.comなどの企業が、香港のステーブルコイン試験プログラムに参加することなどを表明していた。

しかし、中国人民銀行の当局者らがステーブルコイン事業への参加を控えるよう助言したと伝えられる。このため背景の一つとして、アリババは当局との摩擦を避けるために今回の取り組みを開始した可能性がある。

中国人民銀行の潘功勝総裁は10月27日、ステーブルコインを世界的な金融安定への脅威と呼んだ。金融監督の基本要件を満たしておらず、違法な資金移動、テロ資金供与、マネーロンダリングを助長する抜け穴を作っているとの考えを述べた格好だ。

さらに、海外のステーブルコインが一部の発展途上国の通貨主権を損なっているとも主張。これは、米ドル建てステーブルコインによる米ドル優位性強化の効果を懸念した発言とみられる。

さらに、中国政府が独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)である「デジタル人民元」を進めていることから、民間運営のステーブルコインがその競合になることを懸念している可能性もある。

関連:「ステーブルコインは世界の金融安定性に対する脅威」中国人民銀行総裁が表明

AI活用の新サービス

アリババは、AI(人工知能)を活用したサービスも発表した。12月に、「エージェンシーペイ」をリリースする予定だ。買い手企業とサプライヤーのメッセージ履歴を分析し、両者間の商業契約を自動作成するAIツールである。

「AIモード」という検索機能により、企業は価格、物流、生産能力に基づいてサプライヤーを比較することが可能だ。アリババはこのサービスを月額約20ドルまたは年額99ドルで提供し、新たなサブスクリプションベースの収益源を創出する予定である。

関連:JPYC、米サークル社のオンチェーンFX網「StableFX」でパートナー通貨に採択

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/15 土曜日
11:15
テクノロジー大手アリババが預金トークン決済を開発 中国当局のステーブルコイン懸念に対処か
中国アリババが預金トークン決済システムを開発している。当局によるステーブルコイン規制を回避することも背景とみられる。AI活用サービスも発表した。
10:30
ビットコイン急落、45日ルール通過とFOMC利下げ見送り観測で売り圧力が最大化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは足元で強い売り圧力に晒されているが、ヘッジファンドの45日ルール通過により解約売りの終了が期待される。ビットコイン長期保有者が直近1カ月で12兆円相当のBTCを売却したことは心理を悪化させていた。
09:50
トランプ一族関連のアメリカン・ビットコイン、売上高99億円に増加 決算発表 
トランプ一族の仮想通貨マイニング企業「アメリカン・ビットコイン」が2025年7~9月期決算を発表した。前年同期比で黒字転換し、ビットコイン保有量は4,090BTCに到達している。
09:35
ジャック・ドーシーのCash App、ステーブルコイン決済機能を導入
決済アプリのキャッシュアップがステーブルコインの送受信機能を含む11の新機能を発表した。ライトニングネットワークを使用したビットコイン決済機能も拡充している。
08:50
ソニー銀行の米銀免許申請、通貨監督庁にICBAが否認を要求
ソニー銀行が米国で信託銀行の国家免許を申請したことについて、米組織ICBAが強く反対すると表明。通貨監督庁に書簡を送付して反対理由を説明し、ソニー銀行の申請を認可しないように要求した。
07:45
バイナンス、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」を取引担保として受け入れ
仮想通貨取引所バイナンスがブラックロックの「BUIDL」を取引所外担保として統合した。BUIDLはBNBチェーンで新シェアクラスも立ち上げる。
06:50
ビットマイン、45億円相当のイーサリアムを追加購入 新CEOにHSBC元幹部を任命
ビットマインが3000万ドル相当の仮想通貨イーサリアムを追加購入した。同社は新CEOにHSBCアジアTMT投資銀行部門の元責任者を任命した。
06:25
ビットコイン長期保有者が1カ月で12兆円相当BTCを売却、初期投資家も2400BTCを取引所へ送金
ビットコインの長期保有者が過去1カ月で約81万5,000BTCを売却し、2024年1月以来の高水準となった。初期保有者のオーウェン・ガンデン氏も2400BTC以上を売却している。
05:50
ストラテジーのセイラー会長、6900億円相当のビットコイン売却の噂を否定
ストラテジーのマイケル・セイラー会長が47000BTCの売却憶測を否定した。オンチェーン上の動きは保管業者の入れ替えによるもので、実際に購入ペースを加速させていると説明。
11/14 金曜日
21:20
CourtYard(コートヤード)でトレカをNFT化|使い方を初心者向けに徹底解説
トレーディングカードをNFT化して取引できるCourtYard(コートヤード)の使い方を解説。アカウント開設からPolygon上での取引方法、ガス代準備、リスクまで初心者向けに図解で詳しく紹介します。
21:00
ビットコインウォレットのおすすめは?種類・選び方・アドレス作成手順まで解説
ビットコインウォレットの種類や違い、安全な選び方を徹底解説。ハードウェア・ソフトウェアの比較からアドレス作成、セキュリティ対策まで初心者にもわかりやすく紹介します。
17:19
米ビットコイン現物ETF、過去2番目の規模の純流出 リスクオフが加速
11月13日、ビットコイン現物ETFは8.7億ドル(約1,340億円)の純流出を記録し、過去2番目の規模に。イーサリアムETFも3日連続で流出。FRB当局者の慎重発言を受け、仮想通貨と米国株が同時に下落。専門家は健全な調整との見方も。
16:46
Aptos Labs CBOが語る日本戦略|独占インタビュー
Aptos Labs CBO Solomon Tesfaye氏独占インタビュー。日本の大手金融機関との協議、ステーブルコインUSD1の展開、グローバル戦略を語る。
16:32
ビットコインのみ投資へ 欧州初のルクセンブルク国家ファンドがETF経由で1%配分
ルクセンブルク財務相が、国家ファンドFSILが他の仮想通貨ではなくビットコインのみに1%配分したことを明言。欧州初の国家レベルでのビットコイン投資となる。
16:23
Yay!、報酬プログラム「Prime Pass」ローンチへ バイバック型トークン設計目指す
100万ユーザーを持つYay!が「Prime Pass」ローンチへ。エコシステム全体でのバイバックメカニズムとコンテンツ企業のweb3導入支援プログラム「Voyage Program」を通じ、持続可能なトークンエコシステム構築を目指す。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧