日本円ポジションを担当
日本円建てステーブルコインを発行するJPYC株式会社は14日、米Circle社が発表した新構想「Circle Partner Stablecoins」プログラムに参画したと明らかにした。
同プログラムにおいて、日本円通貨圏を担うパートナー通貨としてJPYCが正式採択された。Circleは米ドルステーブルコインUSDCの発行体で、グローバル送金やデジタル決済インフラの整備を主導している。
Circleの構想は、USDCを中心通貨に据え、各国の法定通貨建ステーブルコインを相互運用させる「オンチェーンFX(外国為替)インフラ」の構築にある。今回発表された「Circle Partner Stablecoins」は、以下の3要素で構成される。
- Arc:リアルタイム決済を可能にする清算レイヤー(独自L1ブロックチェーン)
- StableFX:複数の流動性提供者が参加するRFQ方式のオンチェーンFXエンジン
- Partner Stablecoins:各国通貨のステーブルコイン発行体によるグローバル連合
本プログラムは暗号資産トレードにとどまらず、国際送金や貿易決済、クロスボーダー清算など実需の金融領域での活用が想定されている。アクセスはCircleの厳格なKYB/AML審査を通過した機関投資家に限定され、企業や金融機関向けに実用性の高いインフラとなる見込みだ。
Circleは2026年にArcのメインネットローンチを予定しており、JPYCは開発初期段階から設計・検証に協力している。
11兆円規模のUSDCエコシステムと接続
データサイト「コインゲッコー」によると、執筆時点にUSDCは世界で約750億ドル(約11.7兆円)が流通しており、取引所・決済サービス・ウォレットなどで広く採用されている。CircleはUSDCを基軸に、他の地域通貨建ステーブルコインとの即時交換を可能にすることで、「すべての通貨がUSDCを媒介にシームレスに交換可能なネットワーク」を構築しようとしている。
JPYCは、1JPYC=1円で裏付けられた「電子決済手段」型のステーブルコインで、資金決済法に基づく第二種資金移動業者として登録されている。同社は10月27日より正式発行を開始し、累計発行額は約18日間で2億円を突破した。
JPYCが日本円ポジションを担う背景には、資金移動業者としての規制遵守体制、オープンウォレット互換性によるユースケース拡大、さらに2021年にCircle Venturesから出資を受けた技術・人的連携などがある。
同プログラムにおいて、初期参加する通貨は以下の通りで、いずれも各国の法定通貨建ステーブルコインを担う。
- AUDF(豪ドル)
- BRLA(ブラジルレアル)
- JPYC(日本円)
- KRW1(韓国ウォン)
- MXNB(メキシコペソ)
- PHPC(フィリピンペソ)
- QCAD(カナダドル)
- ZARU(南アフリカランド)
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