はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は反落し、10月31日正午時点では、1670万円周辺で推移している。

週末の米中閣僚級通商協議の結果を受けて、関係改善期待から週明けのBTCは1750万円から1780万円台に上昇したが、週末の上昇によって開いたCME先物の窓が意識され、28日には1750万円を割り込んだ。

また、この日の米国時間にはライトコイン(LTC)などの現物ETFが米国で上場したことによる事実売りが相場の重石となり、1700万円割れを試す展開となった。

30日未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、BTCは1700万円を割ると、会合後のパウエルFRB議長から12月の利下げは「既定路線から程遠い」との発言を受けて、一時1677万円まで下落。ただ、その後は買い戻しが入り1700万円周辺まで戻した。

他方、30日に韓国で行われた米中首脳会談は、終了後に記者会見や公式なコメントはなく、交渉決裂への警戒感から相場は1655万円まで急落を演じた。

尤も、帰国中のトランプ米大統領から「レアアース問題は解決した」との発表や、会合は「10点中12点」との発言を受けて、BTCは1710万円まで急反発した。

ただ、30日は連日の米株高の反動が発生し、BTCも連れ安となり1650万円周辺まで反落。31日の東京時間には1700万円を試す展開となっているが、前週の上げ幅を掻き消している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

9月の米CPIの下振れや、週末の米中閣僚級協議での合意の枠組み完成によって、今週のFOMCでの利下げや米中関係の改善は既にお膳立てができていたことから、イベント通過による買い戻しは相応に限定された。

寧ろ、FOMCは12月の利下げ期待を牽制する形となった上、期待されていたQT(量的引き締め)の停止が次回の会合に延期され、米金利は急上昇した。

とは言え、FRBの政策金利を巡っては、政府機関の閉鎖が続き、政府系の経済指標の発表が延期されるなかでの判断であり、10月会合以降のヒントを出せないのは当然と言えば当然だ。

逆に言えば、「データ次第」というこれまでのスタンスに変化はなく、ADPやミシガン大学、ISMといった民間のデータから鑑みるに、過度に利下げ停止を懸念する必要はないと見ている。

また、10月10日の相場急落が米中貿易戦争の激化懸念を背景に起こったことを考慮すると、足元のBTCは単純に売られ過ぎとも言え、材料的にはいつ揺り戻しとなってもおかしくはないと指摘される。

チャート的には、ドル建てBTC相場はヘッドアンドショルダーズボトム(逆三尊)の2番目のショルダーを形成中にも見えるが、これ以上相場が押せば1番目のショルダーを割り込む恐れもあり、ギリギリの水準で耐えていると言える(第2図)。

来週はISMの製造業・非製造業PMIやADP雇用統計を控えており、景気減速の兆候が引き続き確認されれば、12月の利下げ期待が強まる余地があり、11万6000ドル付近のネックラインを試す展開も視野に入る。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/18 木曜日
15:08
ハイパーリキッド、約1557億円相当のトークンをバーン認定へ 供給量13%削減目指す
分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが約1,557億円相当のHYPEトークンをバーン認定する提案を発表。承認されれば流通供給量の13%が永久除外される。取引手数料の99%を自動買い戻しに充てるアシスタンスファンドのトークンが対象で、秘密鍵のないアドレスに保管され引き出し不可能。バリデーター投票は12月24日締切。
13:45
ソラナ、テストネットで耐量子署名を導入 量子コンピュータ対策で業界をリードか
ソラナ財団は量子コンピュータの脅威に備え、テストネットに耐量子署名を導入した。Project Elevenとの提携により実証実験に成功し、実用的な量子耐性が確認された。
13:15
仮想通貨詐欺対策強化 米上院議員、セーフクリプト法案を提出
米上院議員がビットコインなど仮想通貨関連の詐欺に対策する法案を提出した。米財務省や規制当局が連携するタスクフォース設置を目指している。
12:35
バイナンス、7つの個人・団体をブラックリスト入り
バイナンスが7つの個人・団体をブラックリスト指定。詐欺行為の通報者に最大500万ドルの報奨金。内部情報漏洩事件を受け、上場プロセスの透明性を強化。
11:55
ビットコイン一時9万ドル回復も急反落、市場の脆弱性露呈と日銀会合への警戒感が台頭
ビットコインがFRBハト派発言で9万ドルまで急騰後、88,500ドル付近に反落した。過去2日間でBTC・ETHのETFから10億ドル超の純流出を記録し、市場構造の脆弱性が露呈。日銀利上げ観測と米CPI発表を控え、短期的な下押し圧力が継続する見通し。
11:25
米SECが「仮想通貨証券」の保管規則を明確化、ブローカーディーラー向けに指針を提示
米SECが仮想通貨証券の保管に関する見解を発表しブローカーディーラーが物理的保管とみなされる条件を明確化した。分散型台帳技術の評価や秘密鍵の保護、緊急時の対応計画などが求められている。
10:53
イーロン資産が93兆円突破、トム・リー「CEO個人価値のトークン化」構想とは?
イーロン・マスク氏の資産が史上初の6000億ドル(約93兆円)を突破。スペースX急騰が背景に。一方、トム・リー氏が提唱する「CEO個人価値のトークン化」構想が注目を集めている。企業価値から経営者の影響力を分離して投資できる革新的手法とは。
10:45
ブータン、ビットコインを特別行政区「GMC」に拠出へ
ブータンの特別行政区GMCは、ブータンが国としてGMCの長期的な発展を支援するために最大1340億円相当の仮想通貨ビットコインの拠出を誓約したと発表。今後の計画について説明した。
10:30
「ビットコインは脆弱な構造の中で推移」グラスノードの最新レポート
グラスノードの最新レポートによると、仮想通貨ビットコインは需要衰退で脆弱な構造の中取引されている。今後は10万ドル回復が上昇の鍵だと分析している。
10:10
ビットコイン乱高下、日銀政策決定会合を控え警戒感高まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で約80万円の乱高下となった。米株式市場の取引開始前、FRBのウォーラー理事が今後も利下げを継続すべきとの見解を示したことを受け、リスク資産全般が買われ、一時は9万ドルを突破した。
09:45
カリフォルニア州知事がトランプ大統領の仮想通貨関連恩赦を批判、CZ氏ら含む
米カリフォルニア州のニューサム知事がトランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判している。バイナンス創設者CZ氏やシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、ビットメックス共同創設者らへの恩赦が対象となっている。
08:35
米コインベースが株式・予測市場など新サービス展開、総合取引所へ移行
米コインベースが単なる仮想通貨取引を超えた大規模拡張を発表した。株式取引、予測市場、ソラナDEX統合、カスタムステーブルコインなど複数の新機能を導入し多様な資産を扱う総合プラットフォームを目指す。
07:50
米連邦準備制度理事会、仮想通貨関連銀行への制限的規制指針を撤回
米連邦準備制度理事会が2023年の仮想通貨関連銀行規制指針を撤回し、新たな政策声明を発表した。監督対象銀行が革新的活動に従事する道を開くが、リスク評価に基づく裁量権は維持。
07:30
XRPの実用性を拡充へ SBI Ripple AsiaとDopplerが提携
SBI Ripple AsiaとDoppler Financeがパートナーシップを締結。XRPL上で、仮想通貨XRPベースの利回りインフラやRWAのトークン化に関する協業を模索すると説明している。
07:30
メタマスクにログインできない時の対処法|パスワード忘れ・機種変更も解説
メタマスクにログインできない時の対処法を解説。パスワードを忘れた場合のリカバリーフレーズでの復元方法、機種変更時のウォレット移行手順まで、状況別にわかりやすく説明します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧