豪大手銀行ANZ、同国初のステーブルコイン送金に成功

豪州初の銀行ステーブルコイン

豪州の4大大手銀行の一角であるオーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は24日、独自豪ドル建のステーブルコイン「A$DC」を利用した送金の成功を発表した。

実験では、3,000万豪ドル(28億円)のトランザクションを実施。豪大手グループのVictor Smorgon Groupから仮想通貨カストディ企業Zerocapに送金が行われた。

銀行が発行する豪ドルのステーブルコインは今回が初の事例だという。

同ステーブルコインは豪州やニュージーランドの大手銀行であるANZ主導の下、ChainalysisやFireblocksなどが連携した。

EVM対応のスマートコントラクトを実装したブロックチェーンインフラは暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Fireblocks社が提供、スマートコントラクトはOpenZeppelinが監査した。また、規制面でのコンプライアンスではChainalysisが協力した。

EVMとは

EVM(イーサリアム仮想マシン)とは、イーサリアムのスマートコントラクトのコントラクトコードを実行するための「翻訳機」として機能するもの。

▶️仮想通貨用語集

ANZの銀行サービス責任者のNigel Dobson氏は以下のようにコメントした。

ANZがオーストラリア・ドルのステーブルコインを発行することは、我々の顧客がデジタル経済への安全なゲートウェイを提供する上で最初の重要なステップだ。

ステーブルコインは顧客にとって新たな取引方法となる。引き続き我々の能力を試し続け、他の業界でのユースケースを模索していきたい。

また、FireblocksのMichael Shaulov CEOは以下のようにコメントした。

金融セクターは急速に変化しており、我々はトークン化やDeFi(分散型金融)、ステーキング、そして仮想通貨取引に接続するためのエンドツーエンドの技術を金融機関に提供している。

ステーブルコインを発行する最初の銀行となったことで、ANZはイノベーションに関してリーダーとしての地位を確立した。同じ道を歩む他の機関も歓迎していきたいと思う。

銀行のステーブルコイン事例

仮想通貨市場において、最も流通しているテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などのステーブルコイン銘柄は銀行ではない取引所や企業が発行元となっている。また、ビットコイン(BTC)や米ドル(USD)建などに担保された銘柄が主流である反面、近年はアルゴリズムにより価格の一定性が保たれるステーブルコインもある。

関連:初心者にもわかるステーブルコインとは|特徴やユースケースを解説

ただ、未だに一般的な金融機関でない仮想通貨企業がステーブルコインの発行元となる点を懸念する声もあり、米国では複数の銀行が連携して独自のステーブルコイン「USDF」を発行。米連邦預金保険公社(FDIC)により保障されている銀行から構成した業界団体が発行する米ドル建のステーブルコインなども今年ローンチされていた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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