はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン1800万円目前で揉み合い、米規制緩和進展が下値支え|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は高値で揉み合い、18日正午時点で1800万円を窺う展開となっている。

先週末にかけての史上最高値更新を受けて、週明けのBTC円は買い優勢の地合いが続き、初めて1800万円台にのせた。一方、その後は節目で失速すると、翌日の米消費者物価指数(CPI)を控えたポジション調整が入り、15日東京時間には1720万円まで反落した。

ただ、CPIの結果が市場予想と一致したことでBTCは1750万円まで買い戻された。他方、この日は米下院がジーニアス法案を審議に進めるための投票を反対多数で否決し、米国時間のBTC円は揉み合いとなったが、その後トランプ大統領が反対派共和党議員を説得したと明かし、徐々に戻りを試した。

16日米国時間には、トランプ氏が近くFRBのパウエル議長を解任する意向があると報じられ、米国市場はトリプル安で混乱。BTC円は短期利回りの低下に支えられる一方、米株の下落に上値を抑えられる格好となりつつも、ドル円相場の下落も重石となり、やや弱含みに推移した。

尤も、トランプ氏が報道を否定したことで、米株は反発。翌17日も堅調な推移がBTC相場の支えとなると、米下院がジーニアス、クラリティ、反CBDC法案を可決させ、相場は1800万円を試す展開となっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

今週の米経済指標では、CPIが前年比で加速(+2.4%→+2.7%)、卸売物価指数(PPI)が減速(+2.7%→+2.3%)、小売売上高が前月比で改善(-0.9%→+0.6%)とまちまちな内容となったが、FF金利先物市場が織り込む9月利下げの可能性は1週間前と比較して若干低下した。

ただ、FRBの政策を巡るマクロ経済的な環境はBTCにとって振るはない状況ではあるが、米国における暗号資産(仮想通貨)規制の緩和と明確化に進展があったことで、相場の下値は支えられていると言えよう。

また、相場が史上最高値を更新したことで、リテール層や短期の投機筋も市場に参入し始めていると指摘される。その証拠にグローバルでの現物出来高の増加や、足元でのオンチェーン上の短期保有BTCの増加が確認される(第2図)。

短期保有BTCの増加は新規の資金流入を示す指標となっており、これまでの相場の上昇トレンドのドライバーともなってきた。

加えて、今週はイーサ(ETH)やXRPなどのアルトコイン相場も上昇しており、目先では循環物色の流れができることが期待される。

【第2図:BTC対ドルと長期・短期保有BTC(日次)】
出所:Glassnodeより作成

他方、今年1月にトランプ氏の大統領令によって発足された仮想通貨ワーキンググループによる包括的な仮想通貨政策レポートの公表が迫っており、トランプ氏は22日に同レポートを公開すると報じられている。レポートでは規制面以外に戦略的ビットコイン備蓄(SBR)に関して追加のBTC購入方法にも触れられる可能性がある。

3月に成立した米連邦政府のSBRだが、犯罪捜査で押収したBTCの継続保有のみとなっている。こうした中、今週は米マーシャル・サービスが政府のBTC保有残高を開示したが、その残高は従来保有しているとされていた約20万BTCを大きく下回る2.89万BTCだったことが話題となった。

もちろん、第2次トランプ政権発足後にBTCが売却された可能性は低い訳だが、「ビットコイン備蓄を築く」と謳ってきたトランプ氏がどれだけ本腰を入れて今後SBRを運用していくかを見極める材料として、来週のレポートには注目が集まる。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/07 日曜日
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧