BAYCのメタバース「Otherside」、NFT売上400億円以上を記録
OthersideのNFTが完売
「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のメタバースプロジェクト「Otherside」は30日、NFT(非代替性トークン)セールを開始。3時間以内に55,000個のNFTが売り切れた。
また、販売に伴いイーサリアム(ETH)のブロックチェーンが混雑し、ガス代(取引手数料)が、一時最大で約6万円以上まで高騰する事態が発生した。
メタバース「Otherside」は、複数の人気NFTの世界をつなぐオープンワールドゲーム。今回のNFTは、このOtherside上のランドセールだった。合計5万5,000個の土地が一律305APE(販売時は75万円相当)で販売され、売上は、約410億円以上に達した。
Bored Ape Yacht Club(BAYC)とは
Yuga Labsが制作するNFT。「退屈した猿(Bored Ape)」をモチーフとしたNFTコレクションで、イーサリアムのERC721規格をベースにしている。それぞれのNFTは表情、髪型、服装、背景色などが様々に異なっており、唯一無二のものである。
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ネットワーク混雑が発生
「Otherside」の開発スタジオYuga Labsに対しては、イーサリアムのネットワークを混雑させたことについて批判の声も上がっている。
EtherScanによると、ガス代だけで約80万円~180万円を支払ったNFT購入者もいるとみられる状況だ。また、NFTの購入取引を完了できなかったユーザーも報告される。
Yuga Labsは、今回ネットワーク混雑を緩和する方策も取っていた。当初は、最初に設定した価格から徐々に価格が下がっていく「ダッチオークション」で販売される予定だったが、ガス代の高騰や買い占めを避けるために、一律価格に変更された経緯があった。
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また、販売開始時に1ウォレットあたり2NFTまでという購入制限を予定。しかし結果的には、こうした方法によりネットワーク混雑を防ぐことはできず、手数料が高騰した。
今後は独自チェーンへの移行も検討
Yuga Labsは、混雑を起こしたことについて、以下のように謝罪と今後の方針を表明している。
イーサリアムネットワークに不便な状況を招いてしまったことについて謝罪する。Apeコインが、適切にスケール(規模拡張)するためには、独自のチェーンに移行する必要があることは明らかなようだ。私たちのDAO(自律分散型組織)がこの方向で検討することを推奨したい。
Apeコインについては、Yuga Labsとは別にApeCoinコミュニティ内の意思決定を行うApeCoin DAOが存在している。
また、Yuga Labsはネットワーク混雑のために、取引に失敗したユーザーがいたことも認識していると続けた。こうしたユーザーについては、ガス代をウォレットに払い戻す手続きを進めているところだとしている。完了次第、また報告する予定だという。
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